池野素

書いたり書かなかったりする! 高円寺住み30代OL

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マガジン

  • 【日記】日々、種をまく

    日記を集めました。いつか花が咲くといいな。

  • 食にまつわるエッセイ的な何か

    食べるのすっきゃねん

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紙は辛抱強く、世界は美しい

ああ、きれいだなあと思った。 圧倒的デスクワークの私は、めったに外に出る用事がない。日中おひさまの光を浴びず、一日が終わるのがほとんど。そんな私にしては珍しく、業務上行かなければならないところがあり、昼間久しぶりに外に出た。山手線に乗りこみ、所定の駅で降りて、なんてことない雑居ビルが並ぶ大通りの並木道を歩いていた時、なんかきれいだなあ、と思ったのである。 澄んだ冬の空気に、葉っぱがきらきらしている。遮るものがない、晴天の日だった。 今、この世界からはマスクが消え、トイレ

    • おとんの好きな朝食は、コーンフレークやないかい

      久しぶりにミルクボーイの漫才「コーンフレーク」が見たくなったのは、父が毎日朝食でコーンフレークを食べているからだった。 私は今里帰り出産のため、実家に帰省している。両親共に元気だけれど、父親は数年前から癌を患っている。癌と宣告を受けたときは治療しても余命10ヶ月と言われていたが、もうかれこれ4年ほど生きながらえて、なんとか生活している。 * 「コーンフレーク食べるなんて珍しいね」 私は思わず口にした。実家に帰って初めての朝、父が珍しくコーンフレークを食べていたからだ。

      • 味玉は正義【日曜の現実逃避】

        味玉が好きだ。だから今日は味玉を作った。むしろ今日はそれしかしてない。 * 突然昔読んだあの小説なんだっけ?と思い立ち、僅かな記憶を頼りにGoogleの検索欄にキーワードを2つ3つ入れて検索してみたけれど、一向に私が望んでいる答えが出てくる気配がない。なんだかとても気になってしまってかれこれ一時間くらい手を替え品を替え試しているけれど、全く手がかりも掴めない。あの小説は幻だったのだろうか。確か高校の時、授業か何かで無理やり読まされた気がするんだけど。おかげで東大王に出たら

        • イライラ上司への対処法

          嫌いな上司がいる。 上の記事でも書いたとおり、今の私の直属の上司である。 最近前にも増してイライラしていて、つい先日も上司の責め立てるような声が聞こえた。 相手は職場の同僚Kさんで、例の上司は急にツカツカとKさんに歩み寄り、何かを言い始めた。段々と語尾が強くなり攻撃的になっていくのが遠くからでもわかった。一方のKさんは言われるがまま、ただ言葉を無くしてそこに立っている。上司が去った後にKさんに「なんかありましたか」と声をかけると「大丈夫」と言いながらも 「きっと私だか

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        記事

          高円寺を詠う【短歌集】

          爛漫に輝くネオンと呼応して緑と赤の往来を行く 大根のように白い肌だと言い放ちぺちんと手打つ八百屋の大将 南口ロータリーのあちら側、結界あるから入っていけない 歯医者にてすれ違いざま取れた歯を持参する人見送り6時 ノスタルジイは有料だから今日もまた列に並んで待つ食堂に 梅酢ことバイスといいます注文の正の字をひく焼き鳥やにて 行列のできるラーメン屋の行列は私以外の人で出来てる 都市伝説みたいに会えない人を探してる惹かれて進む赤い靴の方 雪積もる駅前広場の白さだけ本

          高円寺を詠う【短歌集】

          怒られた日の日記

          しばらくnoteから遠のいていたけれど、今日は無性に書きたくなってしまった。 * 理由は久しぶりに人から怒られたからである。 相手は私の上司で、私史上、最も苦手とする相手である。その人一応仕事はできるのだが、とにかく態度が威圧的。部下のミスを見つけようものなら 「これ違うんだけど」 そういいながらズンズンと近づいてくる。聞いた人にしかわからないが、言葉の端から苛立ちがにじみでている。 「すいません。すぐやり直します」 そこに言い訳を挟む隙はない。(自分なりの理由

          怒られた日の日記

          コントが始まる、感想

          ドラマ「コントが始まる」を見た。TVerで第一話を視聴(第二話はまだ)して、とても良いドラマだと思ったので、ここに記しておきたい。 ※ネタバレを含むので、ご注意ください。 喜劇と悲劇 ドラマ冒頭はタイトルどおり、コントから始まる。菅田将暉さん、仲野太賀さん、神木隆之介さん扮するお笑いトリオ「マクベス」による「水のトラブル」というコントである。ドラマの中のコント、という点では劇中劇(劇の中に挿入された劇)であり、これはシェイクスピアの「真夏の夜の夢」とか「ハムレット」でも

          コントが始まる、感想

          はじめてノルマ

          最近は、何でもいいから「はじめてのことをやろう」と心がけている。はじめてといってもそんな大袈裟なことではなく、ほんと何でもよし。今日ははじめて作る料理に挑戦してみようとか、見たことない映画を見てみようとか、ハードル低め設定で、半分こじつけでも可。気合を入れてはじめてのことをやろうとするよりかは、一日を終えて「そういえば今日やったはじめてのことって何かな?」くらいのゆるゆるスタンスで、自分にはじめてノルマを課している。 昨日のはじめては、「マックでモバイルオーダーやってみた」

          はじめてノルマ

          マヂカルラブリーさんが、すき。

          マヂカルラブリーさんが好きだ。最近はラジオも拝聴している。ある回で、ますますマヂラブさんのことが好きになってしまった。 ラジオでは大体リスナーからのメールを取り上げて、マヂラブさんたちがそれに対して突っ込んだりコメントしたりする。その中に語感の良いフレーズ(ただし結構な下ネタ)が出てきて、それに対して村上さん(ツッコミの方)が 「山頭火みたい」 とコメントし、相方野田さん(ボケの方)は 「自由律俳句のね」 と返していた。 さらにその後も、種田山頭火をネタに一悶着あ

          マヂカルラブリーさんが、すき。

          社会人になってまでの勉強

          私は割と、見えないものを信仰しているのだと思う。昨日。職場で同僚と「資格なんて、とっても意味ないよね」なんて話していた。うちの会社は一応推奨資格というのがあって、私はつい最近FP2級を取った。 「そうですよね、少しでも給料が上がればやる気にもなりますけど」 そう言ったそばから、じゃあなんで私は?と思った。確かに上司でも資格を取ってない人は多いし、別に資格が昇進の条件でもなんでもない。(現に全く取る気がなくて開き直っている人でも、若くして出世していたりする)もちろん、給料も

          社会人になってまでの勉強

          なんにもしない日曜日

          休みなのに、何もしなかった。そういう空っぽな気分に追い討ちをかけるように、強烈な睡魔に襲われる。たぶん、午前中にマッサージ機で肩をゴリゴリにほぐしたせいで、夕方もみ返しがきたのと、ハイボールのウイスキーの量がちょっと多かったせい。夕飯を食べてすぐ、ソファで急に眠りこけた。体は動かないのに耳だけは起きていて、旦那さんが食器を片付けるカタカタという音だけが聞こえた。ごめんなさい。淡い意識の中で、一応ちゃんと謝った。 * こうやって休みを徒らに過ごしてしまうことが多々ある。それ

          なんにもしない日曜日

          いつだって心に、小さな怒りを

          「あの時、池野ちゃん珍しく怒っていたわよね」といまだに言われる出来事がある。つい最近も言われてしまった。長年一緒の部署で働いていた同僚が異動すると聞いて挨拶しに行ったら、思い出したようにそう言われ、私は「そんなこともありましたか〜」とへらへらするしかなかった。確かに私はかつての上司にブチギレ案件をかましたことがあって、多分会社で怒りを露わにしたのはそれっきり。基本的にはおっとりキャラだと思われているようで、だからこそ、その一回のインパクトが凄かったみたいだ。恥ずかしい黒歴史。

          いつだって心に、小さな怒りを

          「中央アジアの草原にて」

          中央アジア草原にて、という曲が好きすぎて、ここ最近毎日聴いている。 作曲者はアレクサンドル・ボロディン。ロシアの作曲家で、「ダッタン人の踊り」は誰もが一度は聴いたことがあるくらい有名である。(確かJR東海のCMに使われていた) 実はボロディンさん、作曲家でもあり、医師でもあり、化学者でもあるという(しかもちゃんと何かの公式?を発見して、化学者としても名高い方)なかなかハイブリッドな方である。 * 私はクラシックが好きだ。でも好きになったのはここ最近の話で、たまたま大学

          「中央アジアの草原にて」

          拝啓、チャイコフスキー様、

          「もう全部どうでもいい」そんな気分になりたいとき、聴く曲がある。チャイコフスキー作曲、イタリア奇想曲である。 * イタリア奇想曲は、ロシア出身のチャイコフスキーが傷心旅行(奥さんと離婚したばかりだったらしい)に訪れたイタリアで、その温暖な気候や陽気な空気に魅了されて作曲したと言われている。 冒頭は、軽快なファンファーレから始まり、その後、重々しいメロディーに移り変わる。そして雲間から晴れ間が見えるように、陽気なメロディーが始まる。このメロディーがイタリア奇想曲の主題であ

          拝啓、チャイコフスキー様、

          誠に勝手ながら、勇気づけられております

          勇気付けられるってなんだろうと思った。つい最近、TVerで水曜日のダウンタウンを見ていて思ったこと。 企画は「バンジーNG芸人でも、飛ぶまで帰れなかったらいつかは飛ばざるを得ない説」。5人のバンジーNG芸人が集められ、誰か1人でも飛べたら終了、逆に誰が1人飛ばない限り帰れないというもの。さすが、よくこんな意地悪な企画思いつくな(褒め言葉)という感じだけれど、内容はとても良かった。誰が飛ぶかという論戦は会話劇かと思うくらい面白かったし、バンジー台に立った時の緊張感は、こっちま

          誠に勝手ながら、勇気づけられております

          かっこわるい私を見つけて

          世の中の人のほとんど、平然と生きていてすごいなぁと思う。私なんて、大体いつもカッコ悪い。最近はお昼近くなるとお腹がぐーぐー鳴って仕事に集中できないし、常にお腹が痛くならないかびくびくしているし、咄嗟の冗談に対応できなくてフガフガ空気を噛むだけで気の利いた一言も出てこないし。それに比べて、周りのみんなは堂々としていて小粋なジョークを飛ばし合い笑い合い、トラブルにも平然としていて、なんかかっこいい。不公平である。 でもそんな私も周りから見たら「平然としている人」らしい。ある時上

          かっこわるい私を見つけて