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不思議の国のホワイトチョコレート

この話をすると、なに言ってんの?と言われる話をする。

私の長年の疑問である。

チョコレートって、色んな味あるじゃないですか。あれってどういうことなんでしょう。

だって、普通のチョコはチョコレート味でしょ。チョコレート味というれっきとした味があるのに、ストロベリーチョコになるとチョコの味はしない。どういうこと?チョコ味は?チョコ味はどこいった?

この話をすると大抵の人は、「ホワイトチョコレートに味をつけてるんでしょ」と言うけど、それなら、ホワイトチョコレートはどういうこと!?チョコなのに、ホワイト!?ん??ってなる。

チョコレート。それはよく考えてみたら不思議な食べ物だ。こんなに身近な食べ物なのに、なんだかよくわかんない食べ物じゃないか。

それだからか、私は珍しい味のチョコがあると思わず手にとってしまう。この前もメロン味のチョコを食べながら、メロン味ってどういうこと?と忘れかけていた疑問がふってきた。そしてチョコの口どけより早く、その疑問は頭から消えてしまう。だからまだ、チョコの謎は謎のままだ。

そして今、満を辞してついに調べる時が来た。

Google先生に聞いてみよう。ホワイトチョコレートで検索すると、どんぴしゃのページにぶつかった。なんでもホワイトチョコレートの場合、チョコレートの原料、カカオマスが含まれていないとかで、一般的なチョコレートの色味や苦味が出ないらしい。それでも一定の条件を満たしているからチョコと呼ばれるとか。

ふぅん。

じゃあホワイトチョコレートはチョコレートであって、チョコレートではない…いやでもチョコレートの条件は満たしてるから、チョコなのか?ん?

結局、よくわからん。

あれ、私はホワイトチョコレートが何なのか知りたいんだっけ。なんかそうじゃない。結局、自分が不思議に思ったものを「不思議だね」って言いたいだけなのだ。

私は不思議だと思うのが好きだ。でも、なんで不思議だと思うのだろう。きっと私の頭の中には、哺乳類ヒト科みたいな図鑑の目次があって、そこのカテゴライズから外れるものは不思議な存在になるのだろう。猫や犬を見て今さら不思議だと思わないけれど、水族館の謎の生物には、何故神はこの生物を創りたもうたのかとか思う。ホワイトチョコレートも、私の頭の中で、食べ物類チョコレート科の中に分類していいのかわからない。だからやっぱり不思議。そして不思議なものは、カテゴライズできない私にとって曖昧な存在である。

そして、私はそういう曖昧な存在を愛している。何かと何かの狭間にある、黄昏のようなものごと。そういうものに対する不思議とか、違和感をすくい取って言語化したい。

ホワイトチョコレートは、美味しい。だから、それ自体が何かよくわかんないけど、美味しくいただく。結局、存在は曖昧なまま。それでも食べちゃう自分も、また嫌いじゃないのだ。













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