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私の人生は平凡です そんな人生でも1ページを切り取って文字におこすとストーリーがありま…

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私の人生は平凡です そんな人生でも1ページを切り取って文字におこすとストーリーがありました 世界中のまだ見ぬストーリーを求めてnoteを続けてます

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  • エッセイ海外編

    海外とのつながりを感じてほしいです! ノンフィクションです!

  • 遠く遠くにある故郷を想うエッセイ

    ふるさとの歴史と文化を語り継ぎます。

記事一覧

Just do it!

“Hey I’m Kevin.” “Do you like catch??” 冴えない青年が僕に話しかけてきた。”huh?“と返すと、夕方キャッチボールをするメンバーを探しているとのこと。僕の他に5…

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3年前
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エッセイ海外編に突入!

どうもIkeです。 これからしばらく海外のエッセイを書こうと思います。 きっかけは、オリンピックの精神に共感し、自分にできることを発信したいと思ったからです。 オリ…

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3年前
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3.11を心に秘めて、日常を生きる

「栗の実と 人の子同じ 実るほど 遠くに飛ぶと 祖母は教える」 コロナが流行る前、実家に帰ると母が短歌を詠んでいた。栗の実も、ひとも、実るものほど遠くに飛ぶとい…

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3年前
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3.11の奇跡と使命

「あの日、みんなの祈りが通じたのかもしれない。」 ふるさとに300年以上信仰されている尾崎神社がある。海の神様が祀られ、漁師を嵐から守ってくれていた。海から20mほど…

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3年前
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くじら塚

「あれ、くじらじゃない?」海岸で弟が言った。そんな訳ないと、ぼくはあしらった。「でも動いてるよ。」たしかに動いていた。あれは、本当にくじらだったのだろうか。 今…

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3年前
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宝探し

「この上にお宝があるらしいぞ。」「行ってみようぜ。」そう言って丘をかけ登った。石段を駆け上がり、生い茂る木のトンネルを抜けた。頂上に近づいたときに弟が言った。「…

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3年前
66

盆踊り

提灯に灯りがともり、音楽が鳴りはじめた。盆踊りがはじまる。「はまらいんやー。年に一度のお祭りだから。時を忘れて声をからそうよ。」みんなが唄って踊った。はまらいん…

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3年前
56

大名行列

うだるような暑さだった。セミの鳴き声も耳障りだ。炎天下の中、僕は重い装束をきて、ゆっくりと行進していた。「さらーにー。さらーにー。」大人たちは呪文のような言葉を…

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3年前
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ぼくらの浪漫ひこう

ぼくたちは、川をとびこえた。毎日飽きることなく飛んでいた。「あぶねぇぞー。」すれ違う大人に何度も注意された。それでもやめなかった。通学路には幅2mほどの小川が流れ…

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3年前
56

理想の「商人像」

「いしやーきいもー、やきいもー。」この声を聞くと思わず駆け寄りたくなる。心地よい響き、香ばしい香り、おじさんの笑顔を感じるからだ。 小学生だった私は、焼き芋屋と…

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3年前
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<ご挨拶> どうも。ビジネスマンIkeです。 毎日PCとにらめっこして、数字に追われている皆さん。 あなたの人生は、ドラマチックで、キラキラしていますか?? 「私の人生…

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3年前
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Just do it!

Just do it!

“Hey I’m Kevin.” “Do you like catch??” 冴えない青年が僕に話しかけてきた。”huh?“と返すと、夕方キャッチボールをするメンバーを探しているとのこと。僕の他に5人くらいに断られていることを教えてくれた。”OK, I’ll come“ 僕は夕方行くことを約束した。
その日の18時に庭に集合するとKevinが一人で待っていた。そして、僕が来たことをとても喜んでくれ

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エッセイ海外編に突入!

エッセイ海外編に突入!

どうもIkeです。
これからしばらく海外のエッセイを書こうと思います。

きっかけは、オリンピックの精神に共感し、自分にできることを発信したいと思ったからです。

オリンピックの精神は「スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること」とされています。
ワクチンの国際的な分配が問題視される中、オ

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3.11を心に秘めて、日常を生きる

3.11を心に秘めて、日常を生きる

「栗の実と 人の子同じ 実るほど 遠くに飛ぶと 祖母は教える」

コロナが流行る前、実家に帰ると母が短歌を詠んでいた。栗の実も、ひとも、実るものほど遠くに飛ぶという意味だそうだ。私たち兄弟のことを詠んでいるのだと気づいた。私たちがふるさとを離れて暮らしていることを、前向きに捉えようとしている気持ちが伝わった。
大学卒業後、私も弟も関東で暮らしている。2人ともそれぞれの夢がある。私は社会の役に立つ事

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3.11の奇跡と使命

3.11の奇跡と使命

「あの日、みんなの祈りが通じたのかもしれない。」

ふるさとに300年以上信仰されている尾崎神社がある。海の神様が祀られ、漁師を嵐から守ってくれていた。海から20mほど離れたその神社は、地域の象徴として愛されてきた。頂上には神殿がおかれ、伝統行事の度にお供えものがされてきた。
建立から300年以上経った2011年3月11日、未曾有の大震災が起きた。気仙沼の松崎尾崎地区も大津波に飲み込まれた。高齢者

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くじら塚

くじら塚

「あれ、くじらじゃない?」海岸で弟が言った。そんな訳ないと、ぼくはあしらった。「でも動いてるよ。」たしかに動いていた。あれは、本当にくじらだったのだろうか。

今から150年前、この海岸にくじらがうち上がったことがあった。記録によるとくじらは約5トンもあった。朝から解体作業をして、正午過ぎまでかかったらしい。冷凍設備や輸送機関がなかったため、地域の人で食べたのだった。食べきれない分は、町に持ち込ん

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宝探し

宝探し

「この上にお宝があるらしいぞ。」「行ってみようぜ。」そう言って丘をかけ登った。石段を駆け上がり、生い茂る木のトンネルを抜けた。頂上に近づいたときに弟が言った。「海だ!」漁港と海が一望できた。頂上には、小さい神殿と石碑があり、石碑には「くじら塚」と書かれていた。
もちろん頂上にお宝はなかった。いつものぼくなら穴を掘って確かめただろう。でもその日は直感的にダメだと感じた。とても神聖な感じがしたのだ。そ

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盆踊り

盆踊り

提灯に灯りがともり、音楽が鳴りはじめた。盆踊りがはじまる。「はまらいんやー。年に一度のお祭りだから。時を忘れて声をからそうよ。」みんなが唄って踊った。はまらいんや、といえば気仙沼で踊れない人はいない。幼稚園児から高齢者まで、みんなに愛されている踊りだ。意味は、「入りませんか。」つまり、一緒に踊ろうという意味だ。
ぼくが暮らした地区でも、毎年盆踊りをしていた。8月になるとみんなで集まり、踊りの練習を

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大名行列

大名行列

うだるような暑さだった。セミの鳴き声も耳障りだ。炎天下の中、僕は重い装束をきて、ゆっくりと行進していた。「さらーにー。さらーにー。」大人たちは呪文のような言葉を叫んでいる。僕はずっと思っていた、「せっかくの夏休みなのに、こんなの罰ゲームだ。」
夏休みが明けて、一夏の思い出を話していた。「Ikeは何してたの?」と聞かれ、「大名行列」と答えた。「だいみょうぎょうれつ!?」と友だちが叫び、爆笑が起きた。

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ぼくらの浪漫ひこう

ぼくらの浪漫ひこう

ぼくたちは、川をとびこえた。毎日飽きることなく飛んでいた。「あぶねぇぞー。」すれ違う大人に何度も注意された。それでもやめなかった。通学路には幅2mほどの小川が流れていて、毎日小川を飛び越えながら帰っていたのだ。川に入って魚を手づかみしたこともあった。下級生が川に落としたものを拾って、得意げになったこともあった。
ある日、「うおぁーー!!」と叫びながら、友達が川に落ちた。もちろん、川に落ちることもあ

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理想の「商人像」

理想の「商人像」

「いしやーきいもー、やきいもー。」この声を聞くと思わず駆け寄りたくなる。心地よい響き、香ばしい香り、おじさんの笑顔を感じるからだ。
小学生だった私は、焼き芋屋とすれ違うと、無料で焼き芋をもらうことがあった。「小さいのだけど、タダでいいから。」と。焼き芋屋のおじさんは、商品にならなそうな小さな芋をくれた。
そして後日、私は祖母の手を引き、焼き芋を買ってくれるよう頼むのだった。祖母が「いつもありがとう

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船

<ご挨拶>
どうも。ビジネスマンIkeです。
毎日PCとにらめっこして、数字に追われている皆さん。
あなたの人生は、ドラマチックで、キラキラしていますか??
「私の人生は平凡です。」
そんな人生でも、1ページを切り取って文字におこすと、そこにはストーリーがありました。
みなさんの人生にも、素晴らしいストーリーがあると信じています。

<前書き>
2013年3月11日に、ふるさとを思って書いた文章で

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