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盆踊り

提灯に灯りがともり、音楽が鳴りはじめた。盆踊りがはじまる。「はまらいんやー。年に一度のお祭りだから。時を忘れて声をからそうよ。」みんなが唄って踊った。はまらいんや、といえば気仙沼で踊れない人はいない。幼稚園児から高齢者まで、みんなに愛されている踊りだ。意味は、「入りませんか。」つまり、一緒に踊ろうという意味だ。
ぼくが暮らした地区でも、毎年盆踊りをしていた。8月になるとみんなで集まり、踊りの練習をした。いつもは静かな隣の家のおばさんも、この日は華麗に舞っていた。ぼくが慣れない踊りに戸惑っていると、後ろで踊っていた女の子が声をかけてくれた。「だから、こうだってばー。」と言いながら、手取り足取り教えてくれた。

「はまらいんや。年に一度のお祭りだから、時を忘れて声を枯らそうよ。さぁ、さぁ、大きな声で。それ、それ、そーれ。それ、それ、そーれ。どんとな。どんとな。どんとな。スッテンバッテン、流行りの半纏。スッテンバッテン、流行りの半纏。スッテンバッテン流行りの半纏。1,2,3。ダー!」

簡単な歌詞と軽快なリズム。この踊りだけは体に染みついている。夏になると、無性に踊りたくなるのは、どうしてだろう。楽しかった情景が目に浮かび、陽気な気分になるからか。淡い思い出が蘇り、じっとしていられなくなるからか。

<後書き>
はまらいんやの歌詞の意味はぼくたちも分かりません(笑)
気仙沼に伝わる、大漁を祝う唄から引用しているみたいです。


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