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おすすめの本一覧

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「誰かにおすすめしたい!」と思った本をまとめています。ジャンル不問。
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#絵本

作…松田もとこ 絵…狩野富貴子『おばあちゃんはかぐやひめ』

作…松田もとこ 絵…狩野富貴子『おばあちゃんはかぐやひめ』

 さきちゃんという小さな女の子がおじいちゃんとおばあちゃんちに泊まりこんで、たけのこ掘りのお手伝いをする…という絵本。

 優しいタッチの絵と文章に癒されます。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 竹林って、手入れをしないとすぐ広がってしまうんですよね。

 でも、年配の方にはなかなかきつい作業。

 だから毎年お父さん・お母さん・さきちゃんがおじいちゃん

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作…レオ・バスカーリア 訳…みらいなな『葉っぱのフレディ』

作…レオ・バスカーリア 訳…みらいなな『葉っぱのフレディ』

 いつか自分がこの世からいなくなる順番がきた時は、この作品を傍らに置いて死にたい。

 この絵本を読むと、自然とそう思えてきます。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 春。

 葉っぱのフレディは、大きな木の太い枝から生まれました。

 夏。

 フレディは立派な体に成長しました。

 周りには沢山の葉っぱがいて、一緒に大きくなりました。

 どの葉っぱも

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文…ナンシー・ウィラード 絵…トミー・デ・パオラ 訳…福本友美子『さあ、しゃしんをとりますよ』

文…ナンシー・ウィラード 絵…トミー・デ・パオラ 訳…福本友美子『さあ、しゃしんをとりますよ』

 写真屋さんが靴屋の夫婦の記念写真を撮ろうとするところから始まる絵本。

 でも、ちっともうまくいきません。

 

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 靴屋の夫婦は、帽子をかぶったり靴を履き替えたり、なぜかスプーンとバイオリンを持ったりと、全然落ち着きがありません。

 写真屋さんはその度に「しゃしんは、ありのままがいいんですよ」と言うのですが、しまいには

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ぶん…アン・グットマン え…ゲオルグ・ハレンスレーベン やく…石津ちひろ『リサのいもうと』

ぶん…アン・グットマン え…ゲオルグ・ハレンスレーベン やく…石津ちひろ『リサのいもうと』

 もうすぐ弟か妹が生まれる。

 パパとママだけでなく、みんなを赤ちゃんにとられてしまうような気がする。

 だから、ついやきもちを妬いてしまう。

 …そんなリサの気持ちを描いた絵本。

 もしかしたら、家族って、すぐ家族になるのではなくて、思い出を作りながら少しずつ家族になっていくものなのかも…と気づかせてくれるストーリー。

 この絵本を読んだら、心がじんわりと温かくなりました。

 特に、

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作…こがようこ 絵…くのまり『おなかのなかのあかちゃんへ』

作…こがようこ 絵…くのまり『おなかのなかのあかちゃんへ』

 「赤ちゃんがお腹の中にいるうちから絵本を読んであげたいな」と思っている方におすすめの絵本。

 たとえば、

 といった、赤ちゃんに語りかける言葉が、どれもとっても優しいです。

 また、赤ちゃんが生まれてきたらきっと見られるであろう春夏秋冬の風景が、美しいイラストで描かれています。

 お腹の中にいるうちからこういう絵本を読んでもらえたら、きっと赤ちゃんも嬉しくって、生まれてくる日が楽しみにな

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編・著…WILLこども知育研究所 絵…川原瑞丸 監修責任…坂本昌彦『きゅうきゅうばこの絵本』

編・著…WILLこども知育研究所 絵…川原瑞丸 監修責任…坂本昌彦『きゅうきゅうばこの絵本』

 ●転んで膝を擦りむいた
 ●足を捻った
 ●鼻血が出てきた
 ●蜂に刺された
 ●耳に水が入った
 ●魚の骨が喉に刺さった
 ●暑くて頭がクラクラする

 といった非常時にどんな手当てをすれば良いのか教えてくれる絵本。

 イラストや文章が可愛らしいので、「勉強している」という気分にならず、楽しく読めます。

 「こんな時は病院へ行こう」「こんな時は救急車を呼ぼう」といった目安も分かりやすく紹介

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原作…ワイルド 文絵…いもとようこ『しあわせの王子』

原作…ワイルド 文絵…いもとようこ『しあわせの王子』

 その善良な心を表しているかのような、王子さまの透き通った青い瞳。

 あたたかくて柔らかな羽毛の感触が今にもこちらに伝わってきそうな、可愛らしいつばめ。

 静かで寂しげな冬の街並み。

 美しいけれども残酷に、王子さまとつばめのもとへ降り注ぐ雪…。

 『しあわせの王子』は、これまで世界各国で様々な版が生み出されてきましたが、わたしは特にいもとようこさん版のこの絵本が好きです。

 この絵本の

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さく・え…いぬいさえこ『きみのそばにいるよ』

さく・え…いぬいさえこ『きみのそばにいるよ』

 大切な方への贈り物にぴったりな絵本。

 星や月の光が淡く輝き、闇までもがそっと包み込んでくれる優しい世界。

 そこで寄り添い合う動物たちや、動物と人間の姿が描かれています。

 みんな、色んな気持ちを抱えているけれど、ちっとも寂しくなんかありません。

 ひとりぼっちじゃないから。

 この絵本を読んでいると、「ありがとう」という気持ちで心が満たされていく感じがします。

 わたしは特に、

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文…エマ・トンプソン 絵…エレノア・テイラー 訳…三辺律子『ピーターラビット クリスマスのおはなし』

文…エマ・トンプソン 絵…エレノア・テイラー 訳…三辺律子『ピーターラビット クリスマスのおはなし』

 ピーターラビット関連の絵本の中でも特にゾゾッとする絵本。

 絵も文章も可愛らしいので、余計にストーリーが怖いです。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 七面鳥のウィリアムは、ピーターといとこのベンジャミン・バニーにこう自慢しました。

 クリスマスディナーの主役といえばこのわたしだ、と。

 …ウィリアムは「主役」の意味を知りません。

 マグレガーさ

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詩…アイリーン・フィッシャー 絵…サラ・フォックス=デーヴィス 訳…たなかたえみ『うさぎにもクリスマスはくるかしら?』

詩…アイリーン・フィッシャー 絵…サラ・フォックス=デーヴィス 訳…たなかたえみ『うさぎにもクリスマスはくるかしら?』

 陽の光に照らされてダイヤモンドのように輝く雪原。

 そのまわりで生きる動物たちや人間たちの姿。

 それらと優しい詩を合わせた、美しい絵本です。

 わたしが特に好きなのは、『雪のステッチ』と題された詩。

 この詩の中の、

 という表現がとても素敵です。

 足跡を縫い物にたとえるなんて可愛い!

 雪の上を歩く音が、「さくさく」ではなく、「ちくちく」と聴こえてきそう。

 こういうイメー

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文…西川隆範 監修…桝田英伸『極楽』

文…西川隆範 監修…桝田英伸『極楽』

 もしも極楽へのツアーガイドがあったらこんな感じかも? と思わせる絵本です。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 小学生くらいの男の子が夢の中で極楽を見学する…というストーリー。

 という言葉や、

 といった言葉が素敵です。

 きっと、「極楽とは?」という定義は一人ひとり異なるでしょう。

 死後の世界が本当にあるのかどうかも分かりませんし。

 け

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文…リサ・モーザー 絵…オルガ・デミドヴァ 訳…よしいかずみ『赤いけいとでつながって』

文…リサ・モーザー 絵…オルガ・デミドヴァ 訳…よしいかずみ『赤いけいとでつながって』

 お互いの本当の気持ちを話したい。

 仲直りをしたい。

 これは、そんな相手がいる方におすすめの、心があたたかくなる絵本です。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 

 あなぐまのアニーとやまあらしのチックルは、毎日いっしょ。

 お互いのことがとっても大好きです。

 なのに、ちょっとした偶然が引き起こしたすれ違いによって、喧嘩になってしまいます。

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作・絵…佐野洋子『100万回生きたねこ』

作・絵…佐野洋子『100万回生きたねこ』

 全てを変える出会いってありますよね。

 「自分のこれまでの人生は、この人と出会うために繋がっていたのだ」と確信出来る出会いが。

 ※注意
 以下の文は、結末まで明かすネタバレを含みます。
 未読の方はご注意ください。

 子どもの頃、わたしがこの絵本を初めて読んだ時の感想は、「よく分からない」でした。

 「どうしてとらねこはもう生き返らないの? 生まれ変わったら、しろねこ以上に好きなひとと

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著…ディック・ブルーナ『ぼくのこと、ミッフィーのこと』

著…ディック・ブルーナ『ぼくのこと、ミッフィーのこと』

 おじいちゃん、という言葉が似合う方。

 おひげも可愛い。

 ミッフィーはこういう方から生まれたのですね。

 この本によると、ディック・ブルーナさんはアンリ・マティスの礼拝堂に影響を受け、「いかに少ない線で本質を描くか」ということを突き詰めてきたのだそう。

 色使いについても、色の持つ力をよく見極めるので、沢山の色は使いません。

 「どんな色ならキャラクターの感情を明快に伝えられるか?」

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