ひぐちの京阪神週末さんぽ

デザイン、建築、旅などについて綴ります。

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記事一覧

〜京都散策のおともに〜 おすすめ和菓子あれこれ vol.1

数年ぶりに京都西陣(堀川今出川)にある「鶴屋吉信」へ。 鶴屋吉信といえば創業220余年の歴史を重ねる老舗和菓子屋で、これまで御所や神社仏閣、華道や茶道の家元などの御…

〜旧共産圏デザイン好きにオススメな一冊〜『OSTMODERN/東ドイツ』

京都一乗寺の書店“恵文社”を訪ねた際に即買いしたビジュアルブック『OSTMODERN/東ドイツ』。 1990年の東西ドイツ統一以降社会主義色がどんどん薄れゆきつつ旧東ドイツ…

美しすぎるごみ処理場『広島市環境局中工場』見学 〜そして広島・竹原・福山散歩〜

広島港から比較的近い場所にある『広島市環境局中工場』。 実はココ“美しすぎるごみ処理場”とも呼ばれる有名な施設なのですがこの度広島に行く用事があったので訪ねてみ…

〜モリサワの歴史と文字の歴史を学べる〜 モリサワスクエア

デザインのイメージを左右する要素のひとつとして“フォント”があります。 数あるフォントの中でも特に「モリサワフォント」はプロのデザイナーが愛用していることでとて…

〜福岡・佐賀・長崎〜 晩秋の北部九州紀行

ひさびさに北部九州(福岡→佐賀→長崎)を巡ってまいりました。 このあたりは旅行等で何度も訪ねたことのあるエリアですが、これまで“食”目当ての旅がほとんどで(笑)…

“用の美”を極めた世界的デザイナー/柳宗理記念デザイン研究所(金沢美術工芸大学)

先日所用で約一年ぶりに金沢を訪ねました。 定番の近江町市場やひがし茶屋街なども散策してみましたが、コロナ前を大幅に上回るような賑わいが戻っていてホッといたしまし…

大阪中之島美術館 『民藝 MINGEI- 美は暮らしのなかにある』展 見学レポート

大阪中之島美術館で9月18日(月・祝)まで開催していた『民藝 MINGEI- 美は暮らしのなかにある』展を見学してきました。 開催期間が2ヶ月位あったのでいつもの様に余裕こい…

中国風の意匠が溢れる宇治の萬福寺を訪ねて

京都府宇治市にある黄檗山萬福寺を久々に訪ねてみました。 萬福寺は1661年、明から日本に渡った隠元(いんげん)禅師が開いた禅宗(黄檗宗)のお寺で、中国の明朝様式を取…

〜戦前日本の海外向け雑誌〜 「NIPPON」がカッコイイ

戦前の日本で刊行されていた雑誌『NIPPON』をご存知でしょうか。 『NIPPON』は1934年から1944年まで発刊されていた海外向けのプロパガンダ雑誌で、アメリカの『LIFE』と比…

〜妄想旅行がとまらなくなる?〜 『日本の路線図』三才ブックス

よく行く古本屋さんで目に入り思わず手にとった『日本の路線図』という本。 パラパラとページをめくってみると全国47都道府県の各鉄道会社が掲出している様々な路線図が一…

〜シルクロードの国〜 ウズベキスタン紀行

約3年ぶり、コロナ禍以降はじめての海外ひとり旅。 目的地に選んだのは中央アジアのウズベキスタンでした。 当初は欧州方面で検討していたのですが、以前に比べ航空券代…

〜美しく清らかな意匠〜 谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館

今回のブログでは少し前に出張で金沢へ行った際に立ち寄りました『谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館』をご紹介したいと思います。 (あ、今回も京阪神じゃない。。。笑) 谷…

晩秋のみちのく紀行

若い頃からこれまで旅先として主に海外に目が向いておりましたが、コロナ禍以降それが出来なくなったことで国内を旅する機会が増えてきました。 正直最初は“コロナなので…

〜大阪の宝〜 大阪市中央公会堂(中之島)

先月お知らせいたしました「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」ですが、今回わたくし樋口は南大阪教会(設計/村野藤吾)や大阪農林会館(設計/三菱地所)などい…

生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪 2022

以前から興味のあった『いいビルの写真集』という本を古本屋さんで見つけ購入しました。 大阪にある“いいビル”ばかりを集めた本で、高度経済成長期(1950〜70年代)に建…

世界の面白い機内安全ビデオ

新型コロナウイルス感染症による規制が徐々に緩和されつつあり、徐々に旅行がしやすくなることから今後飛行機に搭乗する機会もどんどん増えてくることと思われます。 とこ…

〜京都散策のおともに〜 おすすめ和菓子あれこれ vol.1

〜京都散策のおともに〜 おすすめ和菓子あれこれ vol.1

数年ぶりに京都西陣(堀川今出川)にある「鶴屋吉信」へ。
鶴屋吉信といえば創業220余年の歴史を重ねる老舗和菓子屋で、これまで御所や神社仏閣、華道や茶道の家元などの御用菓子を手掛けてきたことでも有名です。

いまでは全国の百貨店などで鶴屋吉信の和菓子を購入することができますが、京都本店の2階にある“菓遊茶屋”では熟練の和菓子職人さんによる説明を聞きながら目の前で生菓子が出来上がっていく過程を愉しめま

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〜旧共産圏デザイン好きにオススメな一冊〜『OSTMODERN/東ドイツ』

〜旧共産圏デザイン好きにオススメな一冊〜『OSTMODERN/東ドイツ』

京都一乗寺の書店“恵文社”を訪ねた際に即買いしたビジュアルブック『OSTMODERN/東ドイツ』。

1990年の東西ドイツ統一以降社会主義色がどんどん薄れゆきつつ旧東ドイツ地域において今もなお現存する社会主義時代の建築や芸術などを多くのビジュアルで紹介。
集合住宅、駅、バスターミナル、ホテル、モニュメントなどオスト(東)モダンな各種スポットを訪ね歩くガイドとしても価値のある写真集です。

若かり

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美しすぎるごみ処理場『広島市環境局中工場』見学 〜そして広島・竹原・福山散歩〜

美しすぎるごみ処理場『広島市環境局中工場』見学 〜そして広島・竹原・福山散歩〜

広島港から比較的近い場所にある『広島市環境局中工場』。
実はココ“美しすぎるごみ処理場”とも呼ばれる有名な施設なのですがこの度広島に行く用事があったので訪ねてみました。

広島市環境局中工場はニューヨーク近代美術館(MoMA)新館や、土門拳記念館、猪熊弦一郎現代美術館などの設計で有名な建築家谷口吉生氏によるもの。
谷口吉生氏というと先に述べたように国内外の美術館の設計で特に有名ですが、当施設の設計

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〜モリサワの歴史と文字の歴史を学べる〜 モリサワスクエア

〜モリサワの歴史と文字の歴史を学べる〜 モリサワスクエア

デザインのイメージを左右する要素のひとつとして“フォント”があります。
数あるフォントの中でも特に「モリサワフォント」はプロのデザイナーが愛用していることでとても有名ですよね。
「モリサワフォント」は国内においてプロ向けフォント断トツNO.1のシェアと知名度を誇り、 また、そのデザイン性の高さ、バリエーションの豊富さでデザイン業界には欠かせない存在だといわれています。

話は変わって、近年ますます

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〜福岡・佐賀・長崎〜 晩秋の北部九州紀行

〜福岡・佐賀・長崎〜 晩秋の北部九州紀行

ひさびさに北部九州(福岡→佐賀→長崎)を巡ってまいりました。
このあたりは旅行等で何度も訪ねたことのあるエリアですが、これまで“食”目当ての旅がほとんどで(笑)、そういえば“興味はあるけどまだ行ったことがない場所”って結構あったなぁと思い、晩秋なのに季節外れの暑さに見舞われた11月初旬、ふらっと出かけてみました〜!

簡単ではございますが今回の北部九州駆け足旅の内容は以上のような感じでございます。

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“用の美”を極めた世界的デザイナー/柳宗理記念デザイン研究所(金沢美術工芸大学)

“用の美”を極めた世界的デザイナー/柳宗理記念デザイン研究所(金沢美術工芸大学)

先日所用で約一年ぶりに金沢を訪ねました。
定番の近江町市場やひがし茶屋街なども散策してみましたが、コロナ前を大幅に上回るような賑わいが戻っていてホッといたしました。
(去年、一昨年はまだまだ観光客も十分に戻っておらず少し寂しい印象でした。。。)
そして今回、ひがし茶屋街からの帰りに以前から気になっていた『柳宗理記念デザイン研究所』を訪ねてみました。

“柳宗理”といえば9月に投稿しました大阪中之島

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大阪中之島美術館 『民藝 MINGEI- 美は暮らしのなかにある』展 見学レポート

大阪中之島美術館 『民藝 MINGEI- 美は暮らしのなかにある』展 見学レポート

大阪中之島美術館で9月18日(月・祝)まで開催していた『民藝 MINGEI- 美は暮らしのなかにある』展を見学してきました。
開催期間が2ヶ月位あったのでいつもの様に余裕こいていたのですがやはり最終日に慌てて見学することになりました。
(このクセなかなか治らないもんですね…)

そんなことより『民藝』です。
“民藝”とは今から100年近く前に“民藝運動の父”と呼ばれる柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司ら

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中国風の意匠が溢れる宇治の萬福寺を訪ねて

中国風の意匠が溢れる宇治の萬福寺を訪ねて

京都府宇治市にある黄檗山萬福寺を久々に訪ねてみました。

萬福寺は1661年、明から日本に渡った隠元(いんげん)禅師が開いた禅宗(黄檗宗)のお寺で、中国の明朝様式を取り入れた異国情緒あふれる伽藍配置が特徴的です。(ちなみに読経も中国語読みで行われるのだとか)

隠元禅師が当時の日本に影響をもたらした分野は宗教だけにとどまらず、建築、美術、印刷、そしてスイカやレンコン、そして“インゲン豆”など多岐に

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〜戦前日本の海外向け雑誌〜 「NIPPON」がカッコイイ

〜戦前日本の海外向け雑誌〜 「NIPPON」がカッコイイ

戦前の日本で刊行されていた雑誌『NIPPON』をご存知でしょうか。
『NIPPON』は1934年から1944年まで発刊されていた海外向けのプロパガンダ雑誌で、アメリカの『LIFE』と比べても見劣りしないクオリティの高さで当時知られていました。
それもそのはず、この『NIPPON』発行に携わっていたのは日本を代表する写真家の名取洋之助、木村伊兵衛、土門拳、そしてグラフィックデザイナーの亀倉雄策など錚

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〜妄想旅行がとまらなくなる?〜 『日本の路線図』三才ブックス

〜妄想旅行がとまらなくなる?〜 『日本の路線図』三才ブックス

よく行く古本屋さんで目に入り思わず手にとった『日本の路線図』という本。
パラパラとページをめくってみると全国47都道府県の各鉄道会社が掲出している様々な路線図が一冊の中にまとめられたものでした。
以前投稿しました「世界最古のCI/ロンドン地下鉄ロゴマーク」でロンドンの地下鉄路線図デザインについて触れたことがありましたが、路線図が大好きなわたしは旅先の街で駅の路線図を見ながら、“もしこの街に住んでい

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〜シルクロードの国〜 ウズベキスタン紀行

〜シルクロードの国〜 ウズベキスタン紀行

約3年ぶり、コロナ禍以降はじめての海外ひとり旅。
目的地に選んだのは中央アジアのウズベキスタンでした。

当初は欧州方面で検討していたのですが、以前に比べ航空券代がかなり高騰していること、ロシア上空を迂回して飛行するため所要時間が大幅にかかってしまうことから、第二候補であったウズベキスタンにしました。
シルクロードの中継地、美しいイスラム建築、モンゴル帝国の襲来くらいしか予備知識のなかったウズベキ

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〜美しく清らかな意匠〜 谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館

〜美しく清らかな意匠〜 谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館

今回のブログでは少し前に出張で金沢へ行った際に立ち寄りました『谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館』をご紹介したいと思います。
(あ、今回も京阪神じゃない。。。笑)

谷口吉郎は帝国劇場や東宮御所(游心亭)、その長男である吉生はニューヨーク近代美術館新館、京都国立博物館(平成知新館)など数々のモダニズム建築の設計で有名ですが、谷口吉郎が金沢出身でしかもこの施設が彼の住居跡であったと今回初めて知りました。

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晩秋のみちのく紀行

晩秋のみちのく紀行

若い頃からこれまで旅先として主に海外に目が向いておりましたが、コロナ禍以降それが出来なくなったことで国内を旅する機会が増えてきました。
正直最初は“コロナなので仕方なく国内”という思いがありましたが、あちこち訪ねるうちに自分の国のことを何も知らなかったんだなあと思うように...。
その後少しずつですが各地域が持つ魅力を再発見できているような気がします。

というわけで先月(2022年11月)およそ

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〜大阪の宝〜 大阪市中央公会堂(中之島)

〜大阪の宝〜 大阪市中央公会堂(中之島)

先月お知らせいたしました「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」ですが、今回わたくし樋口は南大阪教会(設計/村野藤吾)や大阪農林会館(設計/三菱地所)などいくつかの建築を巡ってまいりました。

いくつかの建築を巡った後は夕暮れ時の中之島をゆっくり散策していたのですが、時間的に既に閉館していると思われた中央公会堂から人々が出入りしているのを偶然目撃!!調べてみるとあと30分ほど見学出来るようでし

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生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪 2022

生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪 2022

以前から興味のあった『いいビルの写真集』という本を古本屋さんで見つけ購入しました。
大阪にある“いいビル”ばかりを集めた本で、高度経済成長期(1950〜70年代)に建てられた個性的なビルとその見どころが写真とともに詳しく紹介されています。
最近のビルはスタイリッシュで洗練されておりそれはそれで良いのですが、古いビルはよく見てみると随所に遊び心が盛り込まれ手も込んでおり、実に面白いなぁと個人的に思い

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世界の面白い機内安全ビデオ

世界の面白い機内安全ビデオ

新型コロナウイルス感染症による規制が徐々に緩和されつつあり、徐々に旅行がしやすくなることから今後飛行機に搭乗する機会もどんどん増えてくることと思われます。
ところでみなさんは飛行機で流れる機内安全ビデオをしっかり見ていらっしゃるでしょうか。。。
飛行中に何らかの異常が発生した際の対処法など大切な内容を共有する重要な動画ですよね。
ちなみに私はほとんど見ていません!でしたが、最近各エアラインが趣向を

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