〜戦前日本の海外向け雑誌〜 「NIPPON」がカッコイイ
戦前の日本で刊行されていた雑誌『NIPPON』をご存知でしょうか。
『NIPPON』は1934年から1944年まで発刊されていた海外向けのプロパガンダ雑誌で、アメリカの『LIFE』と比べても見劣りしないクオリティの高さで当時知られていました。
それもそのはず、この『NIPPON』発行に携わっていたのは日本を代表する写真家の名取洋之助、木村伊兵衛、土門拳、そしてグラフィックデザイナーの亀倉雄策など錚々たるメンバーだったのです。
当時の日本を代表するクリエイターであった彼らが国の威信をかけて制作した『NIPPON』は、現在でも通用しそうなモダンなセンス、大胆な誌面構成、また、国策雑誌という性格を持っていたことからすべて欧文(英・仏・独・西)での記載で、戦前にこのようなものが存在していたのかと驚かされます。
『NIPPON』がつくられていた頃、実はソ連やナチスドイツも国外向けのプロパガンダ雑誌を発行していました。
1920〜30年代は印刷物による情報伝達に革新がもたらされた時代ともいわれ、
大胆なレイアウトやフォトモンタージュなど人目を引くデザインが雑誌やポスターを華々しく飾りました。
そうした事情もあってか自国の国力を誇示し対外宣伝するには、デザインと写真を駆使したこの方法が当時は当たり前だったのかもしれません。
『NIPPON』を発行していたのはドイツで最先端の写真とデザインを学んだ名取洋之助らが設立した「日本工房」というデザイン会社。
戦前から国際的なレベルに達していた彼らがよく“戦後日本の写真およびデザイン界の源流”といわれる理由が解るような気がします。
ちなみに雑誌『NIPPON』は現在復刻版があるのです。
が、こちらを全部揃えるとなんと30万円とのこと!!!
欲しいけどこれはちょっと無理かなあ〜。
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