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〜大阪の宝〜 大阪市中央公会堂(中之島)

先月お知らせいたしました「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」ですが、今回わたくし樋口は南大阪教会(設計/村野藤吾)や大阪農林会館(設計/三菱地所)などいくつかの建築を巡ってまいりました。


モダニズム建築で有名な村野藤吾はじめての作品「南大阪教会」
この教会塔は1928年に建てられたもの


1981年に建てられた新礼拝堂は村野藤吾(当時90歳)晩年の作品


凹凸のある壁面、そして随所に自然光を取り入れたシンプルで美しい空間



いくつかの建築を巡った後は夕暮れ時の中之島をゆっくり散策していたのですが、時間的に既に閉館していると思われた中央公会堂から人々が出入りしているのを偶然目撃!!調べてみるとあと30分ほど見学出来るようでしたので久しぶりに入館してみました!
(以下わたくしが撮影しました画像をご覧くださいませ)




大阪市中央公会堂はわたくしごときがここでご説明しなくても、長い歴史の中で多くの人々によって既に語り尽くされてきた有名な建物だと思いますが、その美しい外観や内部意匠を今回細かく見学させていただきあらためて歴史的にも中之島の景観的にも欠かせない貴重な存在だったんだなと再確認できました。

1918年(大正7年)に建てられた中央公会堂は東京駅の設計者である辰野金吾が手がけたのは有名ですが、なんとその建設資金は北浜の株式仲買商岩本栄之助という人“たったひとり”の寄附によるものだったそうです。
日本資本主義の父“渋沢栄一”が率いる「渡米実業団」に栄之助が参加しアメリカを訪ねた際、現地の富豪たちが私財を投じて公共事業に貢献していることに深い感銘を受け、その後中央公会堂を建設するための資金を大阪市に寄附することになったとあります。
そういえば隣の府立中之島図書館も住友家の寄附によって建てられたと聞いたことがありますが、これらの建築は中之島を代表する存在というだけでなく『官』の東京に対して『民』の大阪を象徴しているように今回なんとなく感じました。

大正、昭和の激動期、そして平成、令和と大阪市民とともに歩んできた中央公会堂を機会があればじっくり見学してみませんか。

【大阪市中央公会堂/ガイドツアー】
大阪の知と文化と歴史のシンボルであり、宝でもあるこの大阪市中央公会堂(中之島)は事前予約でガイドツアーに参加することが可能です。
ツアーでは建物が歩んで来た歴史紹介のほか、かつて貴賓室として使用されていた“特別室”も見学できるようです。
(館内レストランでのランチがセットになった素敵なツアーもあります♪)

詳しい情報は下記URLからどうぞ!
https://osaka-chuokokaido.jp/news/guidetour.pdf

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