三日月

見上げるとビルの高さに三日月がいた。
珍しく低いと見ていたら、とんがったところが屋上の柵にひっかかり、空に昇るのに四苦八苦しているようだった。
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秋の葉の国の人

紅葉の季節になると
樹の下で落ち葉を待つ人たちが現れる
彼らは秋の葉の国の人

はらりと落ちてきた黄色の一枚を受け止めて
じっとその葉に目を落とす

そこには
かなしみに飽きた王子の物語の冒頭が。
王子が窓から外を見て
ため息をついたのを
渡り鳥の一群が見かけたところ

次に落ちてきた赤い一枚には
馬とロバが繰り出した冒険譚の一頁。
老いた馬が若いロバと
銀色に輝く湖の町にたどりついたところ

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2

ショートショート「丸いベンチ」

あるところに、ドーナツ型のベンチを作った会社がありましたとさ。
「何に使うんすかコレ」
「よくぞ聞いてくれた。ドーナツ屋のシンボルとして店内に置いてもらおうと思って作ったんだ。」
しかし、店舗のドアからベンチが入らない、と言われ、全く売れなかった。

「では、駅のホームに置くベンチにして鉄道会社に売ろうと思う。」
しかし、ホームに置くには場所を取りすぎる、と言われ注文が入らなかった。

「ならば、

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嬉しいです💚
1

せかいに、ひつようなもの

ーお姫様は、きいた。

「あなたのねがいは、なに?」

これまでも、これからも
あなたの願いが叶いつづけているんだとしたら、なにをねがう?

いま、このしゅんかんも
ヒカリの粒たちが
あなたのねがいを込められて
星のカケラになるのを
いまかいまかと、待ちわびていのよ。

さあ、あなたは なにをねがうの?

恋ばっか

手の届かない、遠い恋ばかりしちゃってるのね。その感覚が 好きで。

ふわふわ~な。

ある夜に、一緒にいろんな音楽聴いてた。

何気ない会話しながら。

大好きだったから、ものすごく幸せで。

ふと 『この曲 好きなんだ 』

と 教えてくれて、 今まで私は聴いたことがなかったサラッとしていてお洒落な曲、 でも 主人公は 悲しい夜に 身をあずけてる歌詞。

『あ、これ好き 』

って言ったら、

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٩(๑^ᴗ^๑)۶

月といえば光だった。

月といえば光だった。
晴れた夜空に煌々と輝くそれは
星々の光を掻き消して僕らの夜道を照らすのだった。

時折流れてくる雲がその輪郭の内側に月を隠す。

その間、夜は沈黙を守り僕らは耳を澄ませた。
木々は日中の忙(せわ)しいざわめきを葉の裏に隠し
何事もなかった顔で静かに夜空を見上げている。

ヴェールを脱いだ月が再び現れると、
その光は眩(まばゆ)すぎたので老人や子供などはよく目を瞑ってそれをしの

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4

「with あの日」

今日、仕事中にカレンダーをみて、9.11、アメリカで同時多発テロが起こった日だと気がついた。

何の気なしに、
「今日は9.11ですねー。」とつぶやいたら、

「そうだねー。月命日だね。」

と返ってきた。
そして、ハッとした。

そっか。3.11からは、9年半だ。

同じ9月11日でも、受けとる人によって、その意味合いは変わるのだ。とても当たり前なのだけど。

特に、東日本大震災によって大きな被

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こんぺいとう

傷つくたびに、こんぺいとうを食べていた。
かりぽりぽり
奥歯で砕けるももいろの小粒を想像し
あまりの甘さに顔をゆがめた。
けれどその甘さはいまのわたしにとって必要だと思えたものだから。
かりぽりりと口にする。
口の中でゆっくりと溶けるきいろい小粒に
なぜだか愛おしささえ感じる。
こんぺいとうの数だけ傷つき、
傷ついた数だけのこんぺいとうが
わたしのからだで消化されてきた。
かりぽりり
いやされると

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ヒトデ

ポストを開けると、乾燥したヒトデが入っていた。
手のひらサイズの青緑色したやつだ。
なんだかわからないが、郵便物とともに部屋に持ち帰る。
酒のつまみにひっくり返したりして眺める。
水でもかけたら乾燥は元の通りになるのだろうかと、とりあえず手元にあった酒をたらしてみた。
ヒトデはシュワシュワと音を立てて、少しだけ色が明るくなったような気がした。
面白くなり、もう少しもう少しと酒を浴びせていると、その

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五月雨くんとさよなら

五月雨くんが明日帰ると言い出した。
今年は1ヶ月とちょっとだった。
五月雨くんはいつもぼくの夏休みになる前には帰ってしまう。
どこに帰るのって聞くと、

「そうだなぁ、雨が降っているところならどこでも!」

って元気に言って笑った。
五月雨くんはいつも元気いっぱい。
五月雨くんはいつも笑ってる。

ときおり大人しいのは雨の充電が切れたとき。

「今日はもうじっとしてる。」

部屋の隅っこで長い手足

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