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こんにちは🌸kana3histoireと申します。 Instagramで描いた絵やエッセイやちいさなおはなしなどを投稿しています。 noteでは、ちょっと長めの文章などを置くところにしようかなと思っています。 よかったら遊びに来てくださいね🥰

マガジン

  • エッセイ

    心にうつりゆくよしなしごとを… わたしのフィルターを通した日々の所感です。

  • ポエム、あるいは散文

    心のままに言葉をちりばめたあそびです。

  • ちいさなおはなし

    心に浮かんできたおはなしを集めてみました。 たからばこの中のきらきらのビーズみたいなちいさなおはなしたちです。

  • 読書感想文

    読んだ本の感想です〜。

  • 潮風通り

    潮風通りというちいさな街のおはなしたち。 眠る前のひとときに、ひとつぶいかが?

最近の記事

秋・とんぼ・黄金の草原と王子さま

あれは幼稚園の頃。 みんなで工作をした。 秋だったから、たしかとんぼの紙飛行機、みたいなものだった気がする。 画用紙を切って、クレヨンで色を塗って、折り目を付けて完成。 先生が、お外に出て、みんなでとんぼを飛ばしてみましょう、と言った。 みんなは、わあっと歓声をあげて、我先にと外に飛び出していった。 男の子たちは早くもとんぼを飛ばしあって大騒ぎだった。 気が進まなかったわたしは、のろのろと靴を履き、みんなの後からゆっくり外に出て、カラフルなとんぼが縦横無尽に空を飛んでいるのを

    • 安心してそのままで

      もっと自分でいいんだ もっともっと変でいい もっともっと深く潜っていい だって底でみんなと繋がってるもん 大丈夫だから もっとオリジナルで魅せて あなたの本質を見せて みんなと合わせなくていいから 剥き出しでいいから それがあなたなんだから

      • 時の海辺

        「久しぶり」 尚はそう言ってニカっと笑った。 私はちょっとびっくりして一瞬動きが止まってしまった。 「…久しぶり。…だっけ?」 あれ?尚に会うのはいつ以来だろう。 ついこの前会ったような気もするし、もうずいぶん昔のような気もする。 戸惑いが表情に出ていたのか、尚はそんな私を見てさらに笑い顔になる。 「実際顔を見合わせて会うのは久しぶりだよな。でもずっと見てるんだぜ」 「うん。知ってたよ。尚が見てるの知ってた」 私の口が勝手にそう言ったので、私は自分でびっくりした。なんだか自分

        • 『はーばーらいと』読了

          ばななさんの本は、読み終えるといつも思わず胸に抱きしめてしまう。じんわり涙が滲む。ばななさんの新刊がリアルタイムで読めることの幸せをしばらく噛み締める。 読めた事で、またひとつなにか…きらきらしたカケラみたいなものが、わたしの中に埋め込まれたように感じる。控えめだけど、でも七色に輝くガラスのかけらみたいな、砂浜に落ちているシーグラスみたいなものが。 ばななさんの本は、決して夢のような綺麗な世界だけではない。むしろ、仄暗くて湿っていて寒くて目を逸らしたくなるようなもの。でもそ

        秋・とんぼ・黄金の草原と王子さま

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          8本
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        記事

          ピンクのスパンコール

          ピンク色のスパンコール…、なんて夢のような言葉の響きでしょう。 けれどわたしには、ほろ苦い、幼い日の思い出があるのです。 うすももいろのジョーゼット風の布地をたっぷり使った、フリルいっぱいのネグリジェ。それはかつて、母がわたしと妹に作ってくれたものでした。 母はわたしにワンピースのネグリジェを、幼い妹にはお揃いの生地でパジャマを、得意の裁縫でこしらえてくれました。 胸元にはこまかいピンタックの上に、ピンク色のスパンコールがふんだんにちりばめられており、光にきらきらと反射して

          ピンクのスパンコール

          おばあちゃんのピンクのスカーフ

          わたしのおばあちゃんのおはなしをしましょう。 おばあちゃんは、どんな人だった?と聞かれたら、わたしはよくよく考えあぐねた末に、こう答えます。「よくもわるくも、女性的な人であった」と。 小柄で背中の丸いおばあちゃんは体が弱くて、それが彼女の精神を蝕んでいたように思います。 狭いコミュニティの中での息詰まる付き合い、病弱で満足に畑仕事や家事ができなかったこと…。きっと人生のあらゆる場面で、他者から責められたり、また自分を卑下したりしてきたのであろうと思います。 そんな祖母の

          おばあちゃんのピンクのスカーフ

          月夜のボート

          彼を思うときー、わたしはいつでもこんな情景が脳裏にうかびます。 真っ暗な夜に、星あかりを頼りに進む一艘のこぶね。 舟の先にはちいさなランタンがひとつきり、掲げてあるだけ。 そのボートに彼はたったひとりで、脇目もふらず、ただひたすらに月に向かって、 前に前に漕ぎ続けるのです。 彼は、そんなひとでした。 自分の思想を何よりも大切にし、人に嫌われることなどちっとも怖くなかったひと。 大きな理想を掲げ、覚悟を決めたら目標に向かって邁進する…。 どうしてそんな人が、意思薄弱で周

          月夜のボート

          桃にまつわるエトセトラ

          いただき物の、桃をむく。 実家の母が持たせてくれた桃。 親戚が桃農家なので、そこの桃をお土産にと買ってくれたのだ。 フルーツライン、と地元で呼ばれる通りには、 道の両側に産直のくだもの販売所がぽつりぽつりと軒を連ねる。 お店に掲げられた看板には、「もも」とか「なし」とか「ぶどう」と手書きの文字、その横にかわいらしいイラストも添えてある。 なんだかおとぎばなし見たいなお店たち。 子どもの頃、お盆参りに母の実家に行くとき、母は必ず、この親戚のくだもの屋さんで桃やら梨を買って

          桃にまつわるエトセトラ

          いつでもここにいる

          流れてゆく。 人も時も。 ひとつとして同じものはなく、とどまるものもない。 わたしの目の前を通り過ぎてゆく。 わたしの透明なガラス玉の瞳は、 くるくるとうつりかわる景色を映し出す。 色を変え、形を変え、 万華鏡のように展開する世界。 それに合わせてわたしの心も、 ふわふわと広がったり 硬く重力を増したり さまざまな心もようをわたしに経験させる。 経験をしに、ここへ来ている。 わたしの目の前に現れるひとたち。 わたしの目の前で起こるものごと。 全部、わたしのために現れてくれ

          いつでもここにいる

          潮風通り 〜その1〜メリーゴーラウンドお菓子店

          海からの風が吹き抜ける丘の上に ちいさな街の通りがあるんだけど そこにはいくつかのお店が ぽつ、ぽつと建っていてね この辺のひとたちの 憩いの場所になっているの 今日はその中のひとつ 白い木造のコンフェクショナリー いわゆるお菓子屋さんね そこを紹介するわね お店の名前はたしか メリー・ゴー・ラウンドといったかしら そう その名前のとおり まるで遊園地みたいなお店でね 狭い店内に ぎっしりとあまいお菓子が 棚の中にたくさんならべられていて あわいパステルカラーの

          潮風通り 〜その1〜メリーゴーラウンドお菓子店

          はるゆき電車 第二話

          いつの間にか私は眠ってしまっていた。 そして、夢を見ていた。 夢の中で、私はやはり電車に乗っていた。 ごとごととのんびり走る、おもちゃみたいな真っ赤な電車だ。 私は窓の外にひろがる、見事な一面の菜の花畑をぼんやりと眺めていた。 ふと目の前のテーブルに目をやると、何かが置かれていることに気が付いた。 それは、ちいさな白い封筒だった。 封筒は和紙のような素材でできていて、古びて黄ばんで周囲がボロボロになっていた。封はしっかりと閉じられたままで。 (これ、私あての手紙だわ)

          はるゆき電車 第二話

          はるゆき電車

          【あらすじ】 恋を失くした女の子。彼女が見た夢と桜の花。そして新たなスタートのちいさなおはなしです。 私は懐かしい気持ちで思い出す。 あの、あたたかな春の日に乗った赤い電車の事を。 私は、三年間付き合った恋人と別れたばかりだった。 最後の方は連絡もほとんど取り合う事はなく、彼から久しぶりにメールが来ても、不義理な彼に意地悪な気持ちでいっぱいになり、そっけない返信ばかりしていた。 こんな関係を続けるのはもう無意味よー 虚しいやりとりに疲弊した私は、そう言って私から別れを切

          はるゆき電車

          喫茶Endeものがたり

          【あらすじ】 裏道にひっそりと佇むお店、『喫茶エデン』。 そこは魔女みたいなママと、小人みたいなおじいさんが腕を振るう素敵な隠れ家。 今日はどんなお客様がくるのでしょうか?  カランコロン… 「いらっしゃいませ」 そう言って振り返ったママは、わたしを見るとふわっと花が開いた様にわらった。 「あら、かのんちゃん」 「こんにちは、ママ」 わたしはいつもの席に向かう。 すみっこの、窓ぎわのちいさなテーブル。 このテーブルには、真鍮でできたねこの置物と、外国の街並の白黒写真が飾られ

          喫茶Endeものがたり

          赤毛のアンシリーズ読了。

          去年より読み返していた、「赤毛のアン」シリーズ。 ついに最終巻の、「アンの娘リラ」を読み終わった。 創作とは言え、カナダの片田舎に住むひとりの名もなき女性の人生を、ごく近くで見守ってきたようなリアルな気持ちだった。 当時の生々しい、ありのままの生活が、そこにはあった。 19世紀のカナダがそれまで培ってきた、美しく洗練された文化。 男性は紳士であり、女性は淑女であった。 キリスト教文化が深く根を下ろし、伝統や戒律を窮屈に感じつつも、笑いや皮肉やユーモアが生活を彩っていた。 日

          赤毛のアンシリーズ読了。

          夜、雨、高速道路

          雨に濡れた高速道路 光がにじんで 宇宙を飛んでるみたい あなたといると 夜がひろがるの コックピットに乗り込んで ふたりきりで いつまでも着かないで 縮こまっていた心が どこまでも伸びてゆくのがわかる バターがとけるみたいに じわじわ この気持ちはなんていうの とっくにわかっているけど わからないふりをしていたい わからないって言いたいだけ

          夜、雨、高速道路

          雨の日はトクベツ。

          雨の日はトクベツ。