kuma
クマの人形を作っている時に
針を指に刺してしまった
声にならないような声で小さく叫んだ後
指先から綺麗な赤色が流れてくる
それがあまりに綺麗で
私はしばらく指先のそれを眺めていた
ものづくりは
命を吹き込むことができる
目をつけ鼻をつけ耳をつけ。
次第に命が出来上がっていく
最後に必要なのは
血となる気持ちなんだろうか
気持ちがなくとも美しい
とか
素敵
とか思うんだろうか
私にはまだわからない
でも
赤い血を見て
綺麗と思ったことは事実
二度と同じものは作れないから
その時その時を大切に生きていくしかないんだ
今できることを精一杯やるしかないんだ
さて
クマの人形が出来上がった
手足を動かしてみる
頭をそっと撫でてみる
小さな温もりを確かに感じた
tanpoponico
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