傘がないのは好きなほう
「大丈夫か?」
先輩が私でないもう一人の女の子を傘に入れながら問いかける。
「大丈夫、私、雨大好きですから」
振り絞って頬を上げて前歯を出して笑う。
白緑の自転車は、
私に冷たい雨をぶつけながら
スピードはのりにのって、
最高新記録で家につく。
半色の服はびっしょり、、
すぐにカバンを置くなり外の静かな道路にいって、
腹のそこから叫んで踊った。
顔もぐしゃぐしゃ、
半色の服も半透明になりべっとりと肌について、
汗なんだか鼻水なんだかわからないものを裾で拭って。
道路に大の字になって寝転んだ私に降り注ぐ沢山の雨、
ざぁーざぁー、
はぁはぁ、
ざぁー、ざぁー、
はぁはぁ、
街灯一本が、
わたしへスポットライトを落とす
午前2時。
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