なんてね

自分の中に浮かんだことをことばにする練習をしています。たぶん、日記や手紙のようなもので…

なんてね

自分の中に浮かんだことをことばにする練習をしています。たぶん、日記や手紙のようなものです。

マガジン

  • 蝶はちいさきかぜをうむ

    拝啓あんこぼーろさんとのコラボ小説 【蝶はちいさきかぜをうむ】をまとめています。 ちょっと旅行に行くような感じで ごゆるりとお楽しみいただけたら嬉しいです。

最近の記事

あわわわわわ

あんこはるかの寄せ書きRADIOにおじゃましてきました。 なんていうか、ほんとにもう、おじゃましてきました。 相変わらずおしゃべりもうまくできないうえに、 ネットワークが不安定でどうやらぶつぶつと途切れ途切れで参加しています。 ネットワークが良好な時ですら、「あれ?電波切れた?」とか聞かれちゃうほど途切れ途切れに話す私ですから、もう、途切れ途切れのダブルパンチなわけです。 そんな私をやさしく迎え入れてくださった上に、見事に解読してくださったおふたりのやさしさは計り知

    • 「みえるから、近いわけでもなく 近いから、みえるわけでもない」 と電車の窓から遠くにみえる富士山に教えてもらいました。

      • 感謝状

        拝啓 あんこぼーろさま 暦の替わりと共に、あたたかな風が春の香りを運んできました。いかがお過ごしでしょうか。 我が家では可愛らしい姿や鳴き声を届けてくれるメジロのために半分に切った蜜柑を軒先にさげるのにも春の訪れを感じます。 貴方様の便りを拝見してあまりに嬉しく、居ても立ってもいられずにこうしてお便りを出すことといたしました。 さて、この度は、なんとも素敵な「遊び」にご招待いただきまして誠にありがとうございました。 貴方様から受け取ったわくわくの種をどのように育ててい

        • 空を見るときは口が開いていないか気をつけます。

          星や雲や夕焼けが好きなので、だいたい空を見上げていることが多い、なんてねです。 こどものときに母から 「口をぽかーんと開けて上ばかり見て、ぼーっとしてばかりだと、アレだから、やめなさい。」 と何度もきつく注意を受けたので、できるだけ口が開いていないか気にしながら空を見ています。 きれいな朝焼けや夕焼けに出会ったときの胸がうずうずするような走り出したくなるような感動をうまくことばにできません。 周りを見回してひとりのときにはこっそりと飛び跳ねたり、腕をわしゃわしゃと振りま

        あわわわわわ

        マガジン

        • 蝶はちいさきかぜをうむ
          17本

        記事

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ 最終話

          おじいさんが両手を広げて叫んでいるのが見えます。 おばあさんは、初めてこのお機械さま草原に来たときのことを思い出しました。 待ちに待ったお機械さま草原がその姿を現したかと思うと、どんどんどんどん近づいているはずなのに大き過ぎて、広過ぎて、ちっとも近づいてこないとヤキモキした瞬間。 近づけば近づくほどにその広大な懐を広げて気球商団を迎えてくれた草原。 どこまでも続く大地。 喉の奥からぎゅうぅっと何かが込み上げて来そうになりました。 なんだ、これ。 涙、出そう。 大き

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ 最終話

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その15

          ぎゅるるるるるるる びゅぅっ  ぶわぁっ ごごおぅ 間欠泉の大きな風を受けた風ソリはきゅるきゅると回り、やっと翼に風を受けて安定した時には、随分とルートを左へ逸れてしまっていました。 「このままじゃ、向こうの草原に着陸できないよっ!こっちは少し、崖が高くなってるんだ!」 慌てて追いかけてきた少年が叫んでいます。 「このままじゃ、崖にぶつかっちゃうわ!何とかして進路を変えないと…!」 少女は一生懸命に操縦縄を引きましたが、風ソリの高度は下がったまま、上昇することがで

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その15

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その14

          お機械さまの草原の上におおきな光の花が咲きました。 青空の真ん中に虹色に輝く花はお日様の光を浴びてキラキラとゆらめいています。 「…なんて、美しいの…。」 あまりの美しさに少女は息をのみました。 「あんなにも美しいものに、いままで気がつかなかったとは…。どうやら私も目の前のことにばかり気を取られていたようだ。」 街長も、その一瞬の美しさに呆気に取られています。 ひゅぅぅーーーーーー 森の木々の枝と遊んでいた風が、ハッとしたように光の花を見てうずうずと駆け出して行き

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その14

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その13

          きゅわきゅわきゅわきゅわ ふんふんふんふん ぴゅぃーーーーー きゅわきゅわきゅきゅきゅ ふんふんふんふん 風飼いの少年が指笛で呼んだ風たちを 洗い屋の少女が、まるで大きな犬を洗うみたいに洗っていきます。 「うん。やっぱり!コレならきっときれいになると思ったわ!」 少女の手には、時計塔でもらった櫛海月が握られています。 固く絞った櫛海月で洗われた風たちは、 まるで光を帯びたかのようにキラキラと軽やかに転げ回っています。 「きれいになって風たちもご機嫌だよ! これなら

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その13

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その12

          街長と風飼いの少年、そして洗い屋の少女は目をまるくしています。 おばあさんはそんなみんなの顔を覗き込んで楽しそうにキョロキョロしています。 「え?えっと、どういうことって、どういうこと?」 「いや、だからさ、『風さえ吹いたらなぁ』って言ったのに、なんで『お機械さまの草原が曇ればなぁ』なの?」 「え、だって、お機械さまの草原が曇れば、風が吹くじゃない。」 「えええ!そうなの?」  「うん。洗い屋の中では常識よ。 お機械さまの草原が曇っている日は、とても気持ちいい風が

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その12

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その11

          ちくちくちくちくちくちくちくちく おばあさんは猛烈な勢いでシーツを縫い合わせていきます。 木樹土竜によって穴の開いた部分は避けて切り裂いたシーツをつなぎ合わせて大きな大きな翼を作っていきます。 森で集めてきた鯨骨樹の枝は、中が空洞になっていてとても軽いのによくしなり、これなら強い風を受けても折れる心配がなさそうです。 洗い屋の少女は、工場でもらってきた板をきれいに洗いました。 きれいにきれいに洗ったので板はツルツルのすべすべになり、立てかけておかないと草原をするすると

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その11

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その10

          「えーーーと、つまり、僕の聞いた話と、 君の話を合わせると…」 風飼いの少年と洗い屋の少女、そしておばあさんは草原でまあるく輪を描いて頭を突き合わせて座り込んでいます。 「むかし、気球商団の団長の娘さんが、お機械さま草原に来た。」 少年と少女は目を見合わせて、ふんふんと頷きます。おばあさんはふたりをみて、ふんふんと頷きます。 「それで、お機械さまの番人と娘さんは草原でおじいさんとおばあさんになるまで一緒に暮らしていた。」 ふんふん。 「で、あるとき、おばあさんが、

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その10

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その9

          風飼いの少年が療養所の奥の森を抜けたところの草原に立ってお機械さまをじっと見ながら なにやらしております。 ふすーっ ぴ ぴぃーーーーー 「あっ!鳴った!」 少年は笛を吹き、風に耳を澄ませます。 「んー?風、来ないなあ。やっぱり壊れてるのかな、これ。」 小さな木製の丸い笛を覗き込んで言いました。 お機械さまの草原で充分に風を遊ばせた少年は、また風に乗って街に降り立ち、発電風機所に風を届けました。 「やぁ。本当に助かったよ。これでしばらくは電気が作れそうだ。」

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その9

          「何して遊ぶのが好きですか?」

          これは、私が親しくなった人によくする質問です。 答えは様々で、サーフィンが好きという方もいれば、ネットゲームにハマってるという方もいるし、猫を撫で続けるという方もいるし、休みの日はごろごろしてるよという方もいます。 冒頭の質問を 「普段、お友達と遊ぶときって何してますか?」 に変えると、とたんに帰ってくる答えが均一化されるように感じます。 「うーん。大体、飲むかなあ。まあ、食事だけのときもあるけど。」 とか 「お茶して、いっぱいしゃべる!」 とか、飲と食にぎゅ

          「何して遊ぶのが好きですか?」

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その8

          おばあさんは気球生まれの気球育ちの 気球っ子です。 そのためか、空に近い高いところが好きなようでした。 おばあさんの姿が見えなくなると、 おじいさんはお機械さまのてっぺんを見上げ、 てっぺんからおばあさんの足がぶらぶらとしているのを確認して、ごろりと草原に横になります。 おばあさんは、ひょいひょいとお機械さまの壁を登り、てっぺんの窪みに座って空を見るのが好きでした。 そうして高い場所にいると、まるで自分が空に溶け込んだような気がして、目を閉じて両手を広げます。 鼻の

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その8

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その7

          「え?!動かないって、なんで?! 古いから壊れちゃったの?」 「いやぁ。そうじゃないよ。わしがな…」 俯いたおじいさんの帽子に挿さった野花がふるふると震えていました。 気球商団は、世界中を風に乗って旅をします。 100台ほどの数から成る気球船は主船のひときわ大きな気球を先頭にズラリとv字を描いて太い縄梯子で繋がっています。 あたたかい繊維のとれる雲羊を飼っている気球や、その繊維から服を作る気球、医者や床屋がいる気球、海面スレスレを飛んでいる時に獲った魚介類を加工する

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その7

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その6

          おじいさんのおじいさんのそのまたおじいさんが子どもだった頃。 広い草原には点々といくつもの家があり、遠くの方では翼馬の群が思い思いに草を食んでいました。 草原の村では、誰もがのんびりとその時々に必要なことをして暮らしていました。 誰かの家の壁が古くなって崩れればみんなで直したり、 草原に生えている花を集めてお茶を作ったり、 雲羊を育てたり、 1日かけて遠くの森へ出かけて山盛りの薪やケグの実を集めてきたり。 草原は高いところにあったので、まるで雲の上に浮かんだ島のようで

          【小説】蝶はちいさきかぜをうむ その6