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大学生です。趣味は読書と芸術鑑賞。児童文学が好き。ミュシャ好き。古いものが好き。将来は…

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大学生です。趣味は読書と芸術鑑賞。児童文学が好き。ミュシャ好き。古いものが好き。将来は、古いものを扱うお店をやりたい。

マガジン

  • #小説 私だけの世界

    オリジナル小説です。ある少女が世界の真実を知り、未来を選び取るまでのお話。

  • #小説 あべこべのカインとアベル/シスター・コンプレックス

    自分の書いた小説を一作品、まとめています。ある少女の回想が主です。短編です。

記事一覧

固定された記事

ノスタルジア 古いもので人を繋ぐー私がお店を開いたら、並べたいものー

 *決意「古いものを扱うお店をやりたい」  これを強く思ったのは、ここ一年の間である。 *好きなものと将来 唐突だが、自分は今、大学生だ。  大学を卒業したら、…

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少女たちが紡ぐ虚構と現実…「倒立する塔の殺人」感想

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死後の物語を読んで、「生きる」ことを考える…「青空の向こう」の感想

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「なんとなく」手に取った本が、自分好みだった話…「スペードの女王・ベールキン物語」

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トランプのように複雑な物語…「カードミステリー 失われた魔法の島」ー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本)ー

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私なりに、赤色を着る理由を考えてみたー私がお店を開いたら扱いたいもの(古着)ー

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アンネ・フランク「アンネの童話」中川李枝子訳、酒井駒子絵  私は酒井駒子さんの絵が好きだ。  だから、この本を見た時、手に取った。  「アンネの日記」で有名なア…

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逃げ場所の大切さとそこから出る勇気ージルファ・キートリー・スナイダー「ビロードのへやの秘密」ー

ジルファ・キートリー・スナイダー「ビロードのへやの秘密」小比賀優子訳、中村悦子挿画 あらすじ                  12歳のロビンの家族は、仕事を探す…

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「少年少女」という言葉の魅力ー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol.8)ー

アナトール・フランス「少年少女」三好達治訳  最近、アナトール・フランス「少年少女」三好達治訳、岩波文庫、1987年第40刷を読んだ。  全100頁の短編集である。  …

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ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(ジブリ「ハウルの動く城」の原作者)ー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol.7)ー

 私が好きな作家の1人に、ダイアナ・ウィン・ジョーンズという方がいる。  彼女はジブリの「ハウルの動く城」の原作者(原作と映画はかなり違うところも多いけれど)とし…

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紙モノの魅力ー私がお店を開いたら扱いたいものー

雑誌の一頁  古本市で見つけた、アメリカの雑誌の一頁。1929年の8月のものである。  Lady’s Home Journal とあるから、女性向けの家庭雑誌と思われる。  女性と女の…

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宮沢賢治「注文の多い料理店」で、昔を感じる…右から左への横文字・完璧でないことー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol…

宮沢賢治「注文の多い料理店」  私がこの本と出会ったのは、ついこの間のことである。  最近、近所に古本屋が開店した。その店でこの本と出会った。  元々、宮沢賢治…

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おとぎ話と挿絵の関係ー私がお店を開いたら扱いたいものー

おとぎ話…口伝えから文字へ 私は、おとぎ話が好きだ。  たとえそれが非現実的で、ありえないような話でも、心を惹きつける。  現実から逃げる場所であり、反対に,現…

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不思議な縁で繋がれた出会いー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本と雑貨)ー

アリソン・アトリーの本  最初に、アリソン・アトリーという作家の名前を意識したのは、「時の旅人」という本を、学校の図書室で読んだ時だった。  私はこのお話が好き…

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大人になって宝さがしをしたら、宝箱を見つけたー私がお店を開いたら扱いたいもの(古いもの)ー

物置で見つけた私の「宝」 先日、何か自分の好きそうな古いものが隠されていないかと、家の物置を物色していた。  そこで、私の「宝」となる「箱」を見つけた。しかも、…

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子ども時代の宝さがしー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol.5)

E・ネズビット「宝さがしの子どもたち」吉田新一訳、スーザン・アインツィヒ画  いつだったか、学校から除籍図書として、貰ってきたものを見つけた。 「宝さがし」「子…

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ノスタルジア 古いもので人を繋ぐー私がお店を開いたら、並べたいものー

ノスタルジア 古いもので人を繋ぐー私がお店を開いたら、並べたいものー

 *決意「古いものを扱うお店をやりたい」

 これを強く思ったのは、ここ一年の間である。

*好きなものと将来 唐突だが、自分は今、大学生だ。

 大学を卒業したら、どんな仕事をするのか。

 それを考えなくてはいけない時期である。

 自分はどんな仕事をしたいのだろう? 

 それを考えた時、頭に浮かんだのは、自分が心を惹かれる「古いものたち」だった。

「古いものたち」

 例えば、古本。それ

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少女たちが紡ぐ虚構と現実…「倒立する塔の殺人」感想

少女たちが紡ぐ虚構と現実…「倒立する塔の殺人」感想

皆川博子「倒立する塔の殺人」

 表紙が美しいなと思った。そして、カバー裏など細かいところも美しく、惹かれた。

あらすじ                  戦時中のミッションスクール。図書館の本の中にまぎれて、ひっそり置かれた美しいノート。蔓薔薇模様の囲みの中には、タイトルだけが記されている。『倒立する塔の殺人』。        少女たちの間では、小説の回し書きが流行していた。ノートに出会った者

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死後の物語を読んで、「生きる」ことを考える…「青空の向こう」の感想

死後の物語を読んで、「生きる」ことを考える…「青空の向こう」の感想

アレックス・シアラー「青空の向こう」金原瑞人訳

あらすじ                  ぼくはまだ決めかねてた。アーサーは僕に背中をむけて歩きだした。そのとたん、エギーやママやパパや友だち、ぼくが知ってる人たちの顔が次々に浮かんで、どうしてももう一度会いたくなった。みんながいなきゃ生きていけない。死んでることだってできない。すぐにぼくは決心した。アーサーの後を追いながら呼びかけた。    「

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「なんとなく」手に取った本が、自分好みだった話…「スペードの女王・ベールキン物語」

プーシキン「スペードの女王・ベールキン物語」神西清訳

内容                    簡潔明快な文章と構成で、現実と幻想の交錯を完璧に描いてみせた『スペードの女王』。   5篇の多彩な短篇から成り、ロシア散文小説の出発点となった『ベールキン物語』。本書は、名訳者と謳われた神西清(1903-1957)の訳筆に成る、プーシキン傑作短篇集である。        (カバー

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トランプのように複雑な物語…「カードミステリー 失われた魔法の島」ー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本)ー

トランプのように複雑な物語…「カードミステリー 失われた魔法の島」ー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本)ー

ヨースタイン・ゴルデル「カードミステリー 失われた魔法の島」山内清子訳

あらすじ                  夏、北欧からギリシャへ、美しい母を求める息子と父は旅に出た。息子だけが手にした「魔法の本」、父だけが語ることのできる哲学と智恵、そして二人を過去の魔法に結びつけた、謎の小人の冷たい手…。緻密に大胆に織り上げられ、「ソフィーの世界」に先だって、「ほんとうに面白い小説」としてヨーロッパ

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私なりに、赤色を着る理由を考えてみたー私がお店を開いたら扱いたいもの(古着)ー

私なりに、赤色を着る理由を考えてみたー私がお店を開いたら扱いたいもの(古着)ー

赤色のドット柄ワンピース

 私は数年前に、この赤色のワンピースを古着屋で購入した。

 それはおそらく、赤色に惹かれたことが大きいように思う。

 「腕輪/ブラスレットで自分を再確認する」の記事でも書いたが、ここ最近は赤色に惹かれてしまうのだ。

 それは何故なのか。

赤色 世界の始まりを語る神話では、多くの場合、大地は「赤」で表されるという。(科学的にも、地球上に最も広く存在する顔料は酸化鉄

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アンネの童話…戦争の中での童話ー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編)

アンネの童話…戦争の中での童話ー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編)

アンネ・フランク「アンネの童話」中川李枝子訳、酒井駒子絵

 私は酒井駒子さんの絵が好きだ。

 だから、この本を見た時、手に取った。

 「アンネの日記」で有名なアンネ・フランクが、隠れ家で書いていた童話とエッセイの本。

アンネ・フランク             1929年6月12日、ドイツのフランクフルト市で裕福なドイツ系ユダヤ人家庭の次女として生を受ける。1933年、迫害の手を逃れて一家は

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逃げ場所の大切さとそこから出る勇気ージルファ・キートリー・スナイダー「ビロードのへやの秘密」ー

逃げ場所の大切さとそこから出る勇気ージルファ・キートリー・スナイダー「ビロードのへやの秘密」ー

ジルファ・キートリー・スナイダー「ビロードのへやの秘密」小比賀優子訳、中村悦子挿画

あらすじ                  12歳のロビンの家族は、仕事を探す父さんとともに旅していました。ある日、車の故障がきっかけでラス・パルメラス村に落ち着くことになりました。ロビンは、いつもの『ふらふら歩き』をするうち、すばらしい部屋を見つけます。『ビロードの部屋』とそこを名づけて毎日通ううち、その部屋は

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「少年少女」という言葉の魅力ー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol.8)ー

「少年少女」という言葉の魅力ー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol.8)ー

アナトール・フランス「少年少女」三好達治訳

 最近、アナトール・フランス「少年少女」三好達治訳、岩波文庫、1987年第40刷を読んだ。

 全100頁の短編集である。

 私がこの本を手に取ったのは、「少年少女」という題名に惹かれたからだった。

 そして、表紙に描かれた以下の言葉に惹かれたからでもある。

「ここに収められた19篇の短い文章は、すべてあどけない子供たちの単純で無邪気な生活を描い

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ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(ジブリ「ハウルの動く城」の原作者)ー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol.7)ー

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(ジブリ「ハウルの動く城」の原作者)ー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol.7)ー

 私が好きな作家の1人に、ダイアナ・ウィン・ジョーンズという方がいる。

 彼女はジブリの「ハウルの動く城」の原作者(原作と映画はかなり違うところも多いけれど)としても知られている。

 私は、ジブリが好きで、その映画に原作があると聞くとその本を探してしまう。

 そうして私は、ダイアナ・ウィン・ジョーンズという作家と出会った。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ        1934年イギリス生ま

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紙モノの魅力ー私がお店を開いたら扱いたいものー

紙モノの魅力ー私がお店を開いたら扱いたいものー

雑誌の一頁

 古本市で見つけた、アメリカの雑誌の一頁。1929年の8月のものである。

 Lady’s Home Journal とあるから、女性向けの家庭雑誌と思われる。

 女性と女の子と動物がいる、家庭の風景。その絵に惹かれて買ってしまった。

 自分が服に興味があるからか、彼女らの服装に目がいってしまう。

 書かれている英文からも、当時の生活環境が垣間見えるようで、何だか面白い。

 

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宮沢賢治「注文の多い料理店」で、昔を感じる…右から左への横文字・完璧でないことー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol.6)ー

宮沢賢治「注文の多い料理店」で、昔を感じる…右から左への横文字・完璧でないことー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol.6)ー

宮沢賢治「注文の多い料理店」

 私がこの本と出会ったのは、ついこの間のことである。

 最近、近所に古本屋が開店した。その店でこの本と出会った。

 元々、宮沢賢治には興味があったし、彼の著作は好きだった。

 全部の作品を読破したわけではないが、いつかの記事に載せた「幼かりし日々」の本の中に「風の又三郎」があり、最近も彼の作品に触れたばかりだった。

 この本には、「どんぐりと山猫」「狼森と笊

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おとぎ話と挿絵の関係ー私がお店を開いたら扱いたいものー

おとぎ話と挿絵の関係ー私がお店を開いたら扱いたいものー

おとぎ話…口伝えから文字へ 私は、おとぎ話が好きだ。

 たとえそれが非現実的で、ありえないような話でも、心を惹きつける。

 現実から逃げる場所であり、反対に,現実と向き合う場所でもあると思うのだ。

 動物が喋る、ピンチには必ず救世主が現れる…そういったことが、現実では起こらないことは、分かっている。

 それでも、物語を読んで没頭し、動物と話せる気になったり、救世主が現れてホッとしたり…

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不思議な縁で繋がれた出会いー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本と雑貨)ー

不思議な縁で繋がれた出会いー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本と雑貨)ー

アリソン・アトリーの本

 最初に、アリソン・アトリーという作家の名前を意識したのは、「時の旅人」という本を、学校の図書室で読んだ時だった。

 私はこのお話が好きになり、ずっと、自分の本棚に加えたいと思っていた。

 つい先日、やっとそれが叶ったのだが、その出会いは、他の記事「ノスタルジア 古いもので人を繋ぐー私がお店を開いたら、並べたいものー」に書いたので、ここでは省略するが。

 しかし、そ

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大人になって宝さがしをしたら、宝箱を見つけたー私がお店を開いたら扱いたいもの(古いもの)ー

大人になって宝さがしをしたら、宝箱を見つけたー私がお店を開いたら扱いたいもの(古いもの)ー

物置で見つけた私の「宝」 先日、何か自分の好きそうな古いものが隠されていないかと、家の物置を物色していた。

 そこで、私の「宝」となる「箱」を見つけた。しかも、2つほど。

 これこそ、大人になっての宝さがしの成功だった。

祖母の裁縫箱

 まず1つ目は、茶色の地に花の絵が描かれた箱である。

 祖母によると、彼女の裁縫箱だったらしい。

 私が見つけた時は埃を被っていたが、私が欲しいと言うと

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子ども時代の宝さがしー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol.5)

子ども時代の宝さがしー私がお店を開いたら扱いたいもの(古本編vol.5)

E・ネズビット「宝さがしの子どもたち」吉田新一訳、スーザン・アインツィヒ画

 いつだったか、学校から除籍図書として、貰ってきたものを見つけた。

「宝さがし」「子どもたち」というキーワードに惹かれたのだった。

 6人の子どもたちが、破産した父親の財産を取り戻そうと、宝さがしを始める物語だ。

 数年前に初めて読んだ時、子どもならではの行動や考えを微笑ましく感じたのを覚えている。

 だいぶ昔に

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