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Happy Song
2018年10月29日 19:43
寝癖の学生が、電車に乗り込んできた。逆立った髪の毛が、なぜだか、美しくみえた。いつか、寝癖のまま、電車に乗ってみたいと、おもった。
2018年5月11日 20:42
先日、近所のノラ猫が、うちの玄関ドアに、小便をしていた。 昨日、見知らぬノラ猫2匹が、うちの室外機の上と、玄関先で、昼寝をしていた。今朝、首輪のついた三毛猫が、 『 ニャ〜、ニャ〜 』と鳴きながら、家の前を横切っていった。昼、白と黒のまだらのノラ猫が、うちの塀によじ登って、私を威嚇し始めた。家(うち)のまわりは、知らないうちに、"ネコ社会" に変わったのかもしれない。
2018年10月17日 18:31
世の中には、いろんな看板を、背負った人がいる。家族の大黒柱という看板を、背負ったお父さん。役職という看板を、背負ったサラリーマン。安全第一という看板を、背負った工事現場の監督。スターの看板を、背負った役者。背負うべき看板が、見あたらない私には、看板を背負った人の人生が、格好良くみえてしまう。ただ、そんな私でも、『人様には、迷惑をかけない人間です』という看板は、背負って生きようと、
2018年9月21日 18:40
言いたいことが、言えない職場と言いたいことが、なんでも言える自宅を行ったり来たりする生活を、もう何年も続けています。
2018年7月18日 19:00
窓の隙間から、カゲロウが、飛びこんできた。照明のまわりを、グルグル飛びまわったあと、『パタッ』と、テーブルの上に落ちた。照明に照らされたカゲロウは、薄い緑色の透き通った羽と、細い針のような尻尾(しっぽ)や、触角をもち、美しく繊細だった。なんの警戒心もみせない、この生命体が、愛おしくおもえてきた。そっと指でつまんで、部屋の外へ逃がした。カゲロウは、真っ暗な夜の中へ、『ヒラヒラ』と、飛ん
2018年10月26日 19:33
子供の頃、日曜日の夜になると、よく、学校を、休む理由を考えていた。大人になって、日曜日の夜になると、会社を、休む理由を考えたりする。日曜日の夜になると、僕は、憂鬱(ゆううつ)になる。
2018年9月14日 19:00
緑の丘には、大きな樹がありました。その樹の下で、よくお友達と、おしゃべりしたり、歌を歌ったり、お弁当を食べたりしていました。今、緑の丘の、大きな切り株をみると、たくさんの葉っぱをつけた樹の下で、お友達と語り合った夢が、頭の中によみがえります。
2018年5月9日 19:41
公園で出会った おばさんは、自分の子どもにでも話しかけるように、飼い犬に話をしていました。その犬は、ちょっと困ったような表情で、おばさんの顔を見ては、時々うなだれた様子でした。その犬が、いつも人間のおばさんの話を聞かされていると想うと、気の毒に感じました。
2018年11月5日 18:38
朝寒くて、ベッドから起き上がるのに、時間がかかりました。会社で、同僚と話をしても、話題についていけませんでした。お昼ごはんを食べても、美味しく感じませんでした。なんだか、ムシャクシャして、一日中、自分の気持ちが、落ちつきませんでした。僕は、会社の帰り道、僕自身に、『ポンコツ人間!』と、つぶやきました。
2018年6月18日 19:23
はじめて通った道なのに、なぜか、懐かしさを感じた。歩いているうちに、誰かとお別れした情景が、映画のシーンのように、スッーと、頭の中に浮んできた。その光景を、何度も、思い返してみたのに、いつのことだったか、思い出せない。もしかしたら、生まれる前から、私の命が、覚えていた記憶だったのかもしれない。
2018年6月15日 12:00
おばさんは、ショーケースの前で、並べられた携帯電話をずっと眺ていた。しばらくすると、ある携帯電話を指差しながら、「あれ、知り合いが持っていたのと同じだわぁ」「あの携帯を使えば、昔、私が住んでいた家や、街を見ることができますよね」と、店員に尋ねていた。店員は、おばさんの言ってることが、最初はよくわからない様子だったが、しばらくすると、携帯アプリの、ストリートビュー検索のことを聞いているのだ
2018年8月10日 19:00
私の家には 、不自然に腕を組み、悲しそうな微笑みを浮かべる、若い女性の写真がある。写真の裏書きには、よしこ 19才 と書いてあるので、彼女の名前は、よしこさんのはずだ。よしこさんは、遠い親戚の人で、その写真を撮った数日後に、病気で亡くなった話を、聞いたことはあるが、詳しいことはわからない。たまに、その写真のことを思い出すと、よしこさんの悲しそうな微笑みと、 "命短し 恋せよ乙女、
2018年9月28日 19:13
電車の座席の上で、足を伸ばして、仰向けで寝ている青年を見かけた。その青年は、作業着のような服を着ていて、死体のように寝入っていた。たくさんの人たちが、電車に乗り込んできても、眠り続けていた。電車が、ある駅に到着すると、ホームにいた駅員さんが、青年に気づき、彼を起こそうと、声をかけながら、体を揺すっていた。すると、彼は、体を起こしながら、『キョロ、キョロ』と、まわりを見つめ、あわてた
2018年3月14日 22:01
昔、坂道の途中にある古いアパートに住んでいました。長くて急な坂道を登らないと、アパートにたどり着けませんでした。私は、この坂道を勝手に、出世坂 と名づけていました。 坂を、会社の役職に見立てて、坂道の始まりを、係長と言ったり、家の近くまでたどり着くと、「専務まで、登り詰めた。もう少しで、社長だ」などと、独り言を言ったりしてました。ただ、私のサラリーマン人生は、今でもずっと、坂道の始ま