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足跡日記👣§31 会話ができない
福岡に異動して1ヶ月半が経った。日常生活は漸く馴れてきて、生活することに難儀はなくなった。一方で仕事は、目下大きな壁に当たっている。予て思い描いていたように、スイスイと成果が上がらないのだ。営業という役割を全うできず、忸怩たる思いで毎日にしがみついている体たらくである。
ぶち当たっている難題は「会話ができない」ことである。論理を通し、感情を制することはおろか、生まれてこの方呼吸をするようにし
足跡日記👣§29 言語化と非言語化の狭間で
小学生の時、どうしても乗り気にならなかった課題があった。読書感想文である。それは単純に本を読むのが億劫だったからではない。本を読んで感得したものが、言語化によって幾許か捨象されていくような気持、あるいは、言語化したとしても、自分の思考プロセスや読後感は読み手には伝わらないのだろうという諦念を抱いていたためである。また、言語化によってその本が一義的になっていくことへの寂寥感も、同時に感じていた。
足跡日記👣§21 hustle and bustle city Tokyo(後編)
環境アートの展示会場はビル街にある高層ビルの屋上だった。自然環境からかけ離れ、恵みをもたらしてくれる土から遠く隔たった場所で環境アート展が開催している。ぼくはそのビルを見上げながら、これは人間が自然を支配していることを、皮肉的に示唆しているような気がしていた。
窮屈なエレベーターの中で気圧の変化に不快感を抱いていると、瞬く間に会場の53Fに着いた。そこには、いくつもの前衛的なエコ・アートが展
足跡日記👣§20 hustle and bustle Tokyo(前編)
今日は午前に留学生と練り切りを作ったりけん玉で遊んだ後、事前健診のために東京に行く必要があった。仙台にも会社と組んでるクリニックがあれば楽だったのだが、まぁ東北が不幸を見るのは慣れっこである。
今話題になっている、JR東日本が発行する破格の切符”きゅんパス”で東京へ向かう(この時、微塵もキュンキュンしていないのは言わずもがなである)。クリニックは御徒町駅の近くだったので、降車した上野駅から2