【365推敲句2の③】山畑の浴槽上がる蝸牛🐌 あと棋聖戦の感想とか

365推敲句2の③

山畑の浴槽上がる蝸牛

さて、俳句は「浴槽上がる」に変えてみたがどうだろう?個人的に納得いかないのは、単に言葉遊びをしたい感がでているのと、風景描写をしただけで終わっていることか。自分の目の前を「たったいま、蝸牛が〇〇を這っています」だけでは前後の物語を感じられないので、俳句としてはいまいち面白くない。何か別のストーリー要素をこの3音分で付加できれば化ける気がする。ギリギリまで推敲するとしよう。

棋聖戦

藤井棋聖と永瀬王座による棋聖戦第二局は難解な中盤を経て、形勢不明のまま終盤に突入していた。が、その終わりは唐突にやってきた。王座が自玉の安全度を見誤ったのか、攻めっ気が残っていたかは分からないが致命的な見落としをしてしまった。飛車を取って勝勢と思える局面が、実はその飛車は藤井棋聖の毒饅頭(=取るとたちまち劣勢/敗勢に陥る価値の高い駒)だったのである。

両者の置かれた状況は、藤井棋聖は残り2分と時間に追われていたのに対し、永瀬王座は残り15分とまだ少し余裕があった。終局後、棋聖はこの ”わざと取れるようにしておいた飛車” について、自身が感じていた劣勢をひっくり返すための勝負手だったと語っている。ここで王座が時間を投入して読めば、その狙いは簡単に看破できただろう。

しかし、王座は自身の勝利を確信していたようで、その毒饅頭(飛車)をほぼノータイムで食ってしまった。実質的な勝敗はほんの数秒、この1手で決まった。ソフトによる期待勝率は一気に棋聖90%ー王座10%と大差になった。直後、棋聖の退路封鎖の決定打が放たれたのを見て、首を大きくひねった王座の視線は宙を彷徨った。呆然とした表情と盤面から視線を離していた時間の長さがショックの大きさを物語っているように思えた。

本局は勝利のためなら長手数になることも、千日手になることも厭わない慎重派の永瀬王座が自玉の安全を取らなかった "らしくない" 終盤だったと思う。一方、藤井棋聖は時間的余裕がないながら勝負手を放ち、それを起点に一気に勝利を決めた終盤力が印象的だった。次の第三局もまたこのような大熱戦を期待したいところだ。

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