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物語は道標 駆け出しの小説書き。 ADHD、ASD、吃音があります。 小説好きな方、小…

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物語は道標 駆け出しの小説書き。 ADHD、ASD、吃音があります。 小説好きな方、小説を書かれている方、ADHD、ASDに悩んでらっしゃる方々と 繋がりたい。 Twitterは@Haju02447419

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記事一覧

『アスパーガール アスペルガーの女性に力を』ルディ・シモン

2011年初版。 今は、アスペルガー症候群は、自閉症スペクトクラムとされています。 アスパーガールは、アスペルガー症候群の女性を意味する著者の造語です。 かつて、アス…

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1年前
1

感想『今はもうない』森 博嗣

S&Mシリーズ。 姉妹が隣合った密室で殺された。 二部屋を行き来できるのは、壁の小さな穴のみ。 窓は締め切られ、内側から鍵がかけられていた。 居合わせた西之園嬢と公…

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1年前
5

感想『無痛の子』 リサ・ガードナー

大けがを負った刑事DDは、ペインクリニックの精神科医アデラインと出会う。 アデラインは先天性無痛性で痛みを感じることができない。 そして彼女は四十年前に亡くなったシ…

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1年前
4

感想『24人のビリー・ミリガン』 ダニエル・キイス

警察が逮捕した連続暴行犯。彼のなかには23人の人格が潜んでいた。 日本で『多重人格』(現:解離性同一性障害)が広く知られるきっかけになった実録。 著者のダニエル・キ…

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1年前
5

『発達障害』 岩波 明

2017年初版。発達障害解説書。 具体例、症例も記載されている。 発達障害を知らない人が、漠然と『発達障害』とは何か、を分かる一冊になっていると思った。 発達障害の歴…

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1年前
3

感想『赤緑黒白』森 博嗣

男は射殺され、赤い塗料を吹き付けられていた。 女は、首を絞殺され、緑の塗料を吹き付けられていた。 殺された女は、殺された男の婚約者で、探偵の保呂草に「婚約者を殺し…

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1年前
1

感想『月は幽咽のデバイス』森 博嗣

狼男が住んでいる噂のある豪邸を訪れた保呂草は、主の篠塚宏邦から奇妙な取引を持ちかけられる。 そして屋敷には、主の娘莉英に会いに来た紅子がいた。 話の流れで、パーテ…

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1年前
3

『五番目のサリー』 ダニエル・キイス

ウェイトレスのサリーは、誰にも言えない悩みを抱えていた。 子供の頃から、時々記憶喪失に陥ってしまう。 そのことが原因で、仕事が長続きせず、パートナーと離婚。子供達…

Haju
1年前
1

『どもる体』 伊藤 亜紗

吃音を当事者目線で研究した本書。 吃音持ちは読んでいて泣きそうになりました。 発声する時の身体の器官を解説する章、吃音についての文学的表現、吃音を持つ人々へのイン…

Haju
1年前
3

感想『ツチヤの口車』土屋 賢二

まえがきから笑わせます。 著書を買う人間が誰もいない理由(理屈)を延々述べるとはさすがです。 助手さんの安定・天才的な切り返しはまさに神レベル。 何と土屋先生は学…

Haju
1年前

感想『ミステリーファンのための警察学読本』斉藤 直隆

大好きな作家、麻見和史さんの参考文献に記載がある本書。 調べたところ、図書館の書庫資料にあった! 早速申込・・・ 図書館員さんの目線が、やや”引いて”ましたが、好…

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1年前
2

『ぼくは左きき』 度会 金孝

昔、左利きから右利きに矯正され、その後書痙を患った著者が再び左手で字を書き始める。 自身がされた矯正から、自己とは何かを説く本書。 著者が教育者であることから学校…

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1年前

感想『神様が殺してくれる』森 博嗣

『僕』ことレナルドの視点から語られる本書。 前置きは「ある事件の記録だ」 国際刑事警察機構(インターポール)で働くレナルドは、学生時代ルームメイトになったリオン…

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1年前
4

感想『四季(春 夏 秋 冬)』森 博嗣

衝撃のデビュー作『すべてがFになる』の重要人物 真賀田四季。 彼女は何故あのような行動に出たのか? そして、今、世界のどこにいて何を思うのか? 物語の始まりは透明…

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1年前
2

『発達障害でつまずく人、上手くいく人』 備瀬 哲弘

発達障害者と向き合ってきた医師による本書。 発達障害の行動特性(行動のズレ、想像のズレ、感覚のズレ)を分かりやすく解説してくれているのが有難い。 ある人には、どう…

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1年前
6

『発達障害を生きる』NHKスペシャル取材班

2017年に放送されたNHKスペシャル『発達障害 解明される未知の世界』の為に、番組スタッフ達が取材した膨大な資料をまとめた本書。 担当プロデューサーは「この本で発達…

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1年前
11
『アスパーガール アスペルガーの女性に力を』ルディ・シモン

『アスパーガール アスペルガーの女性に力を』ルディ・シモン

2011年初版。
今は、アスペルガー症候群は、自閉症スペクトクラムとされています。
アスパーガールは、アスペルガー症候群の女性を意味する著者の造語です。
かつて、アスペルガー症候群は男性だけだと思われていました。
しかし、気づかれないだけで、女性のアスペルガー症候群も存在している。
その方達にエールを、という思いからこの本が生まれました。
私に当てはまるところ、当てはまらないところ、様々です。

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感想『今はもうない』森 博嗣

感想『今はもうない』森 博嗣

S&Mシリーズ。

姉妹が隣合った密室で殺された。
二部屋を行き来できるのは、壁の小さな穴のみ。
窓は締め切られ、内側から鍵がかけられていた。
居合わせた西之園嬢と公務員笹木。

台風の影響で電話も通じない。
誰からともなく始まる推理合戦。
姉妹は自殺したのか?他殺なのか?ならば犯人は誰なのか?そしてどうやって逃げたのか?
森ミステリィ版クローズドサークル。
最後の最後まで予想できなかった結末。

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感想『無痛の子』 リサ・ガードナー

感想『無痛の子』 リサ・ガードナー

大けがを負った刑事DDは、ペインクリニックの精神科医アデラインと出会う。
アデラインは先天性無痛性で痛みを感じることができない。
そして彼女は四十年前に亡くなったシリアルキラーハリー・デリーの娘であり、州最悪の女性殺人鬼シェイナの妹だった。
怪我をしても、やけどをしても何も感じない。
命を落とすような大けがを負っても、何も感じないアデラインは、危険のサインが分からない。
自分の身を守る為、皆が当た

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感想『24人のビリー・ミリガン』 ダニエル・キイス

感想『24人のビリー・ミリガン』 ダニエル・キイス

警察が逮捕した連続暴行犯。彼のなかには23人の人格が潜んでいた。
日本で『多重人格』(現:解離性同一性障害)が広く知られるきっかけになった実録。
著者のダニエル・キイスが自ら取材を行った。

彼は本当に解離性同一性障害なのか、それとも刑を逃れる為に嘘をついているのか。
真実は誰にも分からない。
ただ、彼は重罪を犯したが、卑劣な虐待の被害者であることを忘れないで欲しい。
1970年代から80年代、マ

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『発達障害』 岩波 明

『発達障害』 岩波 明

2017年初版。発達障害解説書。
具体例、症例も記載されている。
発達障害を知らない人が、漠然と『発達障害』とは何か、を分かる一冊になっていると思った。
発達障害の歴史、テレビや映画での扱い、共感覚、映像記憶、サヴァン症候群についても詳しく書かれており、当事者が読んでもかなり参考になる一冊。

私は天才ではないな、と勝手に落ち込んでしまったけど。
(あるわけがないけど、少しは期待するじゃないですか

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感想『赤緑黒白』森 博嗣

感想『赤緑黒白』森 博嗣

男は射殺され、赤い塗料を吹き付けられていた。
女は、首を絞殺され、緑の塗料を吹き付けられていた。
殺された女は、殺された男の婚約者で、探偵の保呂草に「婚約者を殺した犯人を見つけてほしい」と依頼していた。
犯人の手がかりがつかめず焦る警察。
しかし、警察を嘲笑うかのように、黒く塗装された遺体、白く塗装された遺体が発見される。
「赤緑黒白」の意味は?
第一被害者の男が好きだった作家、帆山美澪。
警察は

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感想『月は幽咽のデバイス』森 博嗣

感想『月は幽咽のデバイス』森 博嗣

狼男が住んでいる噂のある豪邸を訪れた保呂草は、主の篠塚宏邦から奇妙な取引を持ちかけられる。
そして屋敷には、主の娘莉英に会いに来た紅子がいた。
話の流れで、パーティーに参加することになった保呂草と紅子。
そのパーティーの最中、招待客の一人が遺体で発見される。
現場は密室、床が水に濡れ、ガラスの破片が散らばっていた。
遺体には無数の傷、ひどく引きずられた痕もあった。
事件現場のオーディオルームの入り

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『五番目のサリー』 ダニエル・キイス

『五番目のサリー』 ダニエル・キイス

ウェイトレスのサリーは、誰にも言えない悩みを抱えていた。
子供の頃から、時々記憶喪失に陥ってしまう。
そのことが原因で、仕事が長続きせず、パートナーと離婚。子供達もかつてのパートナーに奪われてしまう。
失意のサリーに手を差し伸べたのは、精神神経科医のロジャー・アッシュ。
サリーを診察したアッシュは驚いた。
サリーの心には、四人の女性の人格が住んでいた。

1999年初版の本作。
でも古臭さはまるで

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『どもる体』 伊藤 亜紗

『どもる体』 伊藤 亜紗

吃音を当事者目線で研究した本書。
吃音持ちは読んでいて泣きそうになりました。
発声する時の身体の器官を解説する章、吃音についての文学的表現、吃音を持つ人々へのインタビュー。
かなり詳しく吃音について解説されています、が、吃音の原因や治療法は分からぬまま・・・
それもそのはず。
吃音は連発と難発の二種類しかないのに、発生するタイミングや言葉は皆バラバラ。
私はナ行が苦手ですが、マ行が苦手な人もいる。

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感想『ツチヤの口車』土屋 賢二

感想『ツチヤの口車』土屋 賢二

まえがきから笑わせます。
著書を買う人間が誰もいない理由(理屈)を延々述べるとはさすがです。
助手さんの安定・天才的な切り返しはまさに神レベル。
何と土屋先生は学部長になられて(何故?)
その裏話もまた楽しく、ほろっと泣けます。
新入生向け学部説明会の挨拶の言葉
「教官達は皆さんの力になりたく待っているのです」
素敵です。
その後のたとえが
「泥棒に入られるのを待っている資産家のようなもの」
さす

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感想『ミステリーファンのための警察学読本』斉藤 直隆

感想『ミステリーファンのための警察学読本』斉藤 直隆

大好きな作家、麻見和史さんの参考文献に記載がある本書。
調べたところ、図書館の書庫資料にあった!
早速申込・・・
図書館員さんの目線が、やや”引いて”ましたが、好きな本を読む為なら気にしません。

読んでみると、詳しすぎる警察解説書。
警察の階級や警察庁の役割、現役官僚インタビュー(「キャリア批判は不当である!」)、マル暴刑事インタビュー(「お前絶対にパクるからな!」)、著者お薦めの警察小説、そし

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『ぼくは左きき』 度会 金孝

『ぼくは左きき』 度会 金孝

昔、左利きから右利きに矯正され、その後書痙を患った著者が再び左手で字を書き始める。
自身がされた矯正から、自己とは何かを説く本書。
著者が教育者であることから学校現場で何が起こっているか、がしっかり書かれています。

私自身、左利きから右利きに矯正され、昨年二月に左利きに戻しました。
理由は、昔骨折した右手首が痛くなってきたことと、利き手矯正と吃音が関係している可能性がある、との情報からです(利き

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感想『神様が殺してくれる』森 博嗣

感想『神様が殺してくれる』森 博嗣

『僕』ことレナルドの視点から語られる本書。
前置きは「ある事件の記録だ」

国際刑事警察機構(インターポール)で働くレナルドは、学生時代ルームメイトになったリオンについて語る。
彼の凄まじい美しさ、謎めいた家族関係、誰とも親しくならない性格。

半年後、寮を出たレナルドは就職し、幼なじみと婚約する。
仕事もプライベートも順調なレナルドのもとに警察から連絡が入る。
殺人現場にリオンがいたと言うのだ。

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感想『四季(春 夏 秋 冬)』森 博嗣

感想『四季(春 夏 秋 冬)』森 博嗣

衝撃のデビュー作『すべてがFになる』の重要人物 真賀田四季。
彼女は何故あのような行動に出たのか?
そして、今、世界のどこにいて何を思うのか?

物語の始まりは透明人間の視点から、五歳の四季が語られる。
既に、彼女の知能は、大人たちを上回っていた。
天才少女の孤独、乖離、愛情、羨望。
そして研究所の事件、逃亡、そして最後に想うこととは・・・

S&Mシリーズ、Vシリーズのキャラクタも登場する本書。

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『発達障害でつまずく人、上手くいく人』 備瀬 哲弘

『発達障害でつまずく人、上手くいく人』 備瀬 哲弘

発達障害者と向き合ってきた医師による本書。
発達障害の行動特性(行動のズレ、想像のズレ、感覚のズレ)を分かりやすく解説してくれているのが有難い。
ある人には、どうしてこんなに調べるの?余計感化されて、そういう行動(発達障害者がよく起こす行動)をするんじゃないの?と言われてしまいました。
感化されるのではなく、自分の行動の理由、考えの理由を言語化したい為に読んでいるのに・・・

頭では分かっていても

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『発達障害を生きる』NHKスペシャル取材班

『発達障害を生きる』NHKスペシャル取材班

2017年に放送されたNHKスペシャル『発達障害 解明される未知の世界』の為に、番組スタッフ達が取材した膨大な資料をまとめた本書。

担当プロデューサーは「この本で発達障害の全て語り尽くされるわけではない。そして、特性に当てはまらない発達障害者も存在する。取材した当事者の声を埋もれさせることなく、多くの人々に知ってもらう一助になれば、と願いを込めて本書は作られました」と前置きしている。

感覚過敏

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