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感想『赤緑黒白』森 博嗣

男は射殺され、赤い塗料を吹き付けられていた。
女は、首を絞殺され、緑の塗料を吹き付けられていた。
殺された女は、殺された男の婚約者で、探偵の保呂草に「婚約者を殺した犯人を見つけてほしい」と依頼していた。
犯人の手がかりがつかめず焦る警察。
しかし、警察を嘲笑うかのように、黒く塗装された遺体、白く塗装された遺体が発見される。
「赤緑黒白」の意味は?
第一被害者の男が好きだった作家、帆山美澪。
警察は彼女を疑うが、彼女には完全なアリバイがあった。
今回も卓越した推理力を見せる紅子。
表面上は安定している彼女の心の中は、自分でも持て余してしまうほど荒れ狂っていた。
そんな彼女に、微妙な変化が生じ始める。
S&Mシリーズ、四季四部作へ続くVシリーズ最終章。

小さな矛盾を積み重ねていくと、いつか大きな矛盾に立ち向かえる。
普通は平均だ、平均はシーソーの中心にくる、しかしそこには誰も乗ってない。
印象に残った言葉です。
2002年初版と思えない。むしろ2023年以降にもずっと読みたい一冊。
常に時代をリードする森先生のキャラクタ。
彼らを借りて、森先生が語っているのでしょうか。
その思考や言葉をトレースすると気持ちが落ち着く。
図書館で借りたけど、購入して手に取れる場所に置いておきたい。

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