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『五番目のサリー』 ダニエル・キイス

ウェイトレスのサリーは、誰にも言えない悩みを抱えていた。
子供の頃から、時々記憶喪失に陥ってしまう。
そのことが原因で、仕事が長続きせず、パートナーと離婚。子供達もかつてのパートナーに奪われてしまう。
失意のサリーに手を差し伸べたのは、精神神経科医のロジャー・アッシュ。
サリーを診察したアッシュは驚いた。
サリーの心には、四人の女性の人格が住んでいた。

1999年初版の本作。
でも古臭さはまるで感じない。
主人公のサリーは、優しく少し気弱な女性。交代人格は、頭脳派、娼婦、観察者、危険人物の四名(ちなみに一人一人に名前があります)
彼女達は皆、感情があり、好きなものもある。自分が出てられる貴重な時間だけが生きがい。
だが、ロジャーはサリーの治療の為、人格の統合を提案する。
私は、彼女達に感情移入してしまい、統合には反対だった。
しかし、人格が分裂するほど辛い経験をしたサリー、サリーの身代わりに生まれた彼女達がこのままでいいはずがない。
また、治療者のロジャーも辛い過去を持つ人。自分の傷を認めることで、精神科医として新たな一歩を歩みだそうとする。
自分の傷を見せたロジャーに、サリー(達)も信頼を寄せ、治療に同意する。
上手くいくかと思えた人格統合。
しかし、事態は思わぬ方向へ・・・

ちなみに・・・
近年、『解離性同一性障害』が世の中に浸透してきました。
専門家でも判断が難しく、診断には数年かかるそうです。
現在は、人格統合は行われていないそうです。
診察の際、医療者の方から聞いたお話です。素人が語って申し訳ありません。

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