岡田 雪

デザイナー&ライター。アート・工芸・写真・音楽・育児のことなどを、能登半島の生…

岡田 雪

デザイナー&ライター。アート・工芸・写真・音楽・育児のことなどを、能登半島の生え際から、気の向くままに。

マガジン

  • 200サロン島便り

    • 96本

    #200サロン に集う、個性豊かな面々のnoteを集めました。海の向こうにはこんな島があったんですね。

記事一覧

固定された記事

あの日の後悔、明日への希望

こんなにも会えないのなら、あのときのあの時間を、もっと楽しんでおけばよかった。 ドタキャンした飲み会、ちょっと無理してでも行けばよかった。 うるさいなー、バラエ…

岡田 雪
4年前
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2020年、春。

愛でられることなく落ちた桜を、拾い集めて水に浮かべる。 今年の桜は今年にしか咲かなかった。 2020年の春、高校3年生だった女の子が書いたnoteが目に留まった。 彼…

岡田 雪
2年前
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あの夏の夜、車内で起こった小さな革命の話 #私のイチオシ

「MOROHAって知ってる?私、あの人たちのライブにも行きたいんだよね」 2019、夏。朝から晩までおどり揺られて楽しんだフェスの帰り道だった。車で友人を送り届ける道中、…

岡田 雪
4年前
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「わたしがお嫁に行くときは、この筆で紅をさしてね」

なんて、3歳の次女がいうわけはないんですけども。 長女が生まれたころ、友人からこんな話を聞きました。 「こないだね、友達の結婚式に行ったの。 その友達はね、結婚…

岡田 雪
4年前
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晩夏の宵、おわらの夢が見たい。

今年も「おわら風の盆」が終わりました。 この祭りに魅了されて以来、毎年8月末から9月頭は、狂ったように毎晩富山へ通うのが恒例です。 今年も、前夜祭11日間、本祭3日間…

岡田 雪
4年前
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金沢から岡山へ、女ひとりリトルカブで走った2日間450kmの旅路 ~後編~

10年前の夏、女子大生だった私は、思い立って金沢から岡山までカブで帰省しました。大きなザックを荷台にぐるぐるとくくりつけ、地図片手に原付ツーリング。トラブルを人情…

岡田 雪
4年前
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金沢から岡山へ、女ひとりリトルカブで走った2日間450kmの旅路 ~前編~

ちょうど10年前、大学4年生の夏のこと。 ふせんだらけのツーリングマップル片手に、金沢を出発しました。目に映るのは、朝なのに黄昏時のような感傷的な景色。ジェットヘル…

岡田 雪
5年前
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デザイン心理学で解き明かす「インスタ映え」。1秒で「いいね」を判断する「流暢性」とは?

本当に「良い」写真って、どんな写真なんでしょう。 解釈は見る人の自由です。しかしその真意は、その写真の撮影者にしか分からないものだと思います。 ではなぜ、インスタ…

岡田 雪
5年前
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ダークサイドから帰還して覚醒した話。

2018年11月、人生うまくいかないもんだなと思っていました。 中小企業の会社員として働きながら感じていたのは、そこはかとない物足りなさと、未来への不安。ちょうどこの…

岡田 雪
5年前
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父の死で人生観が変わった話

ちょっとした身の上話です。 私の実父は、47歳で亡くなりました。私が高校3年生のときでした。 父の突然死は、私の人生に多大なる影響を与え続けています。 葬式くらいは…

岡田 雪
5年前
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言語化は自分にとって原点回帰である、という話

ライター業を始めて3か月が経ちました。 文章を書くということは、私にとって本当に楽しいことです。 ふと、もしかしたら昔から「書くこと」って自分の中では大きな軸だっ…

岡田 雪
5年前
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ライター業を始めて、キッチンドランカーを辞めた話

キッチンドランカーを卒業しました。キッチンドランカーだったのです、私。 お酒が好きです。 とくにビールが。 毎日、17時に会社を退勤し、娘たちを保育園に迎えに行きま…

岡田 雪
5年前
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あの日の後悔、明日への希望

あの日の後悔、明日への希望

こんなにも会えないのなら、あのときのあの時間を、もっと楽しんでおけばよかった。

ドタキャンした飲み会、ちょっと無理してでも行けばよかった。

うるさいなー、バラエティ嫌いなんだよねってスカしてチャンネル変えたバカ殿、素直に笑って見とけばよかった。

あのとき、酔いつぶれて寝たりしなきゃよかった。顔を合わせて他愛無い話に花咲かせるあの時間を、もっと大事にすればよかった。

月に一度しか開かない店、

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2020年、春。

2020年、春。

愛でられることなく落ちた桜を、拾い集めて水に浮かべる。
今年の桜は今年にしか咲かなかった。

2020年の春、高校3年生だった女の子が書いたnoteが目に留まった。

彼女は管弦楽部で、部活動に青春を捧げているタイプの高校生だった。
3年生になれば、最後の演奏会に向けて練習三昧の熱い日々が待っている。
どんな結果でもやり切って、清々しく感動の涙を流し、悔いなく引退するのだ。彼女も、当然のように

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あの夏の夜、車内で起こった小さな革命の話 #私のイチオシ

あの夏の夜、車内で起こった小さな革命の話 #私のイチオシ

「MOROHAって知ってる?私、あの人たちのライブにも行きたいんだよね」

2019、夏。朝から晩までおどり揺られて楽しんだフェスの帰り道だった。車で友人を送り届ける道中、楽しかったねぇ、またライブ行こうねと話していた流れで、友人が言った。

モロハ?聞き覚えのない名前。知らないと答える。

「ラップの人とギターの人なんだけど、めっちゃいいんだよ」

「へー」

信号待ちでiTunesを起動。検索

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「わたしがお嫁に行くときは、この筆で紅をさしてね」

「わたしがお嫁に行くときは、この筆で紅をさしてね」

なんて、3歳の次女がいうわけはないんですけども。

長女が生まれたころ、友人からこんな話を聞きました。

「こないだね、友達の結婚式に行ったの。
その友達はね、結婚式が始まる前に、お母さんに口紅を塗ってもらったんだって。
赤ちゃんのときに初めて切った髪で作った紅筆で」

な、なにその感動的な儀式は…!!
そんなシーン、想像しただけで泣いちゃう。

初めて切った髪の毛で作る筆を、胎毛筆というらしい。

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晩夏の宵、おわらの夢が見たい。

晩夏の宵、おわらの夢が見たい。

今年も「おわら風の盆」が終わりました。
この祭りに魅了されて以来、毎年8月末から9月頭は、狂ったように毎晩富山へ通うのが恒例です。
今年も、前夜祭11日間、本祭3日間。それはまるで、靄の中に浮かび上がる夢のような2週間でした。

〜〜〜

おわら風の盆の舞台は、富山市八尾という小さな町。
積み上げられた石垣の上に町家が連なる、風情ある宿場町です。

この時期、八尾は一帯を「おわら」の空気に包まれま

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金沢から岡山へ、女ひとりリトルカブで走った2日間450kmの旅路 ~後編~

金沢から岡山へ、女ひとりリトルカブで走った2日間450kmの旅路 ~後編~

10年前の夏、女子大生だった私は、思い立って金沢から岡山までカブで帰省しました。大きなザックを荷台にぐるぐるとくくりつけ、地図片手に原付ツーリング。トラブルを人情(?)で乗り越え、なんとかたどり着いた中間地点の琵琶湖。48時間の旅の後半戦、そしてその後のお話です。

前編はこちら。

峠を越え、眼前には琵琶湖。450kmの旅も折り返しです。
日も暮れてきたので、琵琶湖沿いでひとやすみ…が、しかし!

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金沢から岡山へ、女ひとりリトルカブで走った2日間450kmの旅路 ~前編~

金沢から岡山へ、女ひとりリトルカブで走った2日間450kmの旅路 ~前編~

ちょうど10年前、大学4年生の夏のこと。
ふせんだらけのツーリングマップル片手に、金沢を出発しました。目に映るのは、朝なのに黄昏時のような感傷的な景色。ジェットヘルメットに付けた、オレンジ色のバブルシールドのせいです。

カブに乗れば、どこにだって行ける。排気量50cc、赤と白のリトルカブ。
スーパーカブより丸っこく、かわいらしいボディの原付バイクです。
運転免許を取得した翌日、中古車ショップで買

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デザイン心理学で解き明かす「インスタ映え」。1秒で「いいね」を判断する「流暢性」とは?

デザイン心理学で解き明かす「インスタ映え」。1秒で「いいね」を判断する「流暢性」とは?

本当に「良い」写真って、どんな写真なんでしょう。
解釈は見る人の自由です。しかしその真意は、その写真の撮影者にしか分からないものだと思います。
ではなぜ、インスタグラムでは「いいね」がたくさんつく投稿と、つかない投稿があるんでしょうか。
それは、「処理流暢性」の差。
つまり「理解しやすいものに好感を持つ」という人間の心理(というか脳)によるものなんじゃないでしょうか。

気になっちゃう「いいね」の

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ダークサイドから帰還して覚醒した話。

ダークサイドから帰還して覚醒した話。

2018年11月、人生うまくいかないもんだなと思っていました。
中小企業の会社員として働きながら感じていたのは、そこはかとない物足りなさと、未来への不安。ちょうどこのころ、会社で人事異動があったことも重なりました。内情がガラリと変わってしまい、社内での自分の立場も揺れ動いていたのです。

自分の力ではどうしようもない。自分がひどくちっぽけで価値のない人間に思えて、どうしようもなく落ち込む日々でした

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父の死で人生観が変わった話

父の死で人生観が変わった話

ちょっとした身の上話です。
私の実父は、47歳で亡くなりました。私が高校3年生のときでした。
父の突然死は、私の人生に多大なる影響を与え続けています。

葬式くらいは行ってやるよ私が10歳の頃、両親は離婚し、私は母の元で育てられました。
しばらくは父との面会もありましたが、私が中学生になる頃には会わなくなっていました。

父はすこしばかり、暴力的な面がある人でした。
だから私は当時、両親が別れて良

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言語化は自分にとって原点回帰である、という話

ライター業を始めて3か月が経ちました。
文章を書くということは、私にとって本当に楽しいことです。
ふと、もしかしたら昔から「書くこと」って自分の中では大きな軸だったのかも?と思い始めました。

今思えば、特技だったのかもしれない小さい頃から、文章を書くことが好きでした。
学校のテストでは算数は10点、国語は100点。(ザ・文系)
受験科目でも、小論文は得意でいつも高評価をもらえていました。
そうい

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ライター業を始めて、キッチンドランカーを辞めた話

ライター業を始めて、キッチンドランカーを辞めた話

キッチンドランカーを卒業しました。キッチンドランカーだったのです、私。
お酒が好きです。
とくにビールが。

毎日、17時に会社を退勤し、娘たちを保育園に迎えに行きます。
17時半に帰宅して、ざっと片付けて、キッチンに立つと同時に缶ビールをぷしゅっ。
ほろ酔いで夕飯を仕上げ、家事を済ませて娘たちを寝かせます。

娘たちが寝たら、ハイボールへ移行。
ウイスキーを炭酸とレモンで割り、そっと混ぜます。

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