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【発達障害】こんなときどうしたらいいの?#2~衣服のこだわりが強い~

はじめに
 
子どもが感覚過敏な場合、服選びや着せ方には特に気を配る必要があります。タートルネックや袖口がしまった服、特定の素材や音がする服など、子どもの感覚に合わないものがあるかもしれません。そんな時、どうすればよいのでしょうか。ここでは、障害児を持つ親の方々へのアドバイスをまとめました。


1.子どもの感覚に合った服を選ぶ

 子どもの感覚を理解するためには、彼らがどのような服を好むのか、また不快に感じるのかを観察することが重要です。例えば、締めつけられる服が苦手な子どもは、首元がきついタートルネックや袖口がきつい服を避ける傾向があります。その代わりに、首元や袖に余裕のある、ゆったりとしたデザインの服が好まれます。また、ウエストがひもで調節できるズボンや、伸縮性のある素材の服も選択肢の一つです。

 例えば、首元が広く開いた、またはフードのついたパーカーなどがよいでしょう。他にも、袖が短いTシャツや長袖のセーターなどの選択肢がありますが、個々の子どもによって好みが異なります。それぞれの子どもが自分に合った服を見つけるために、実際に試着することが大切です。

 子ども自身が試着して心地よいと感じる服を選ぶことで、彼らの感覚を尊重し、快適な着心地を提供することができます。そのためには、彼らが自分の好みや感じ方を表現できるように、試着の際には時間とゆとりを持って接することが重要です。

2.タグや縫い目に気を配る

 子どもが感覚過敏な場合、服のタグや縫い目が彼らにとって不快な刺激となることがあります。そのような場合は、服を着る前にタグや縫い目を一つ一つ取り除いてあげましょう。Tシャツのタグを取り除いたり、縫い目を裏側からハサミで切り取ったりすることで、子どもの肌への刺激を軽減することができます。

 また、服の内側も重要です。なめらかな素材で作られた服は、肌触りが良く、子どもが快適に着用することができます。肌に直接触れる部分がフラットな縫い目で仕上げられている服や、裏地がついている服などを選ぶことがポイントです。服の内側がなめらかであるかどうかをチェックする際には、手で触れてみて子どもの感触に適しているかどうかを確認しましょう。

3.学校や外出先での配慮

 学校での給食着や体育着、外出時の帽子や靴下など、子どもが感覚過敏さを感じる可能性のある服やアイテムについては、学校とのコミュニケーションを大切にしましょう。例えば、子どもが給食着の袖口や体育着のゴムが苦手だったり、帽子や靴下を嫌がる場合などが挙げられます。
 この場合、学校や担任の先生と相談して、子どもの感覚過敏さや個々の苦手なアイテムについて理解してもらうことが大切です。その上で、可能な範囲での配慮をお願いしましょう。例えば、給食着の袖口のゴムを取り外したり、体育着のデザインを調整したりすることができるかもしれません。
 さらに、外出時の帽子や靴下など、子どもが着用するアイテムに関しても同様です。子どもの感覚過敏さを理解してもらい、彼らが快適に過ごせるように配慮してもらうために、学校や担任の先生と協力して対応していきましょう。

4.子どもの意見を尊重する

 子どもが特定の服を着たがらない理由や、好みを尊重することはとても重要です。無理に着せようとすると、子どもがストレスを感じる可能性があります。そのため、子どもの好みや意見を尊重しましょう。

 例えば、子どもが靴下を履くことに抵抗を示す場合、まずは「足が痛くならないように、靴をはくときだけは靴下をはいてね」など、ルールとして靴下を履くことを伝えてみましょう。その上で、子どもが少しずつ慣れるような方法を試してみます。例えば、最初は靴下を履いて外遊びをする時間を短くし、徐々に時間を延ばしていく方法や、靴下の代わりに足首までのソックスを使う方法などが考えられます。

 子どもの感覚に合った方法で、徐々に慣れていくことが大切です。無理に押し付けず、子どものペースに合わせてゆっくりと対応していきましょう。

5.感覚過敏さと心理状態の関係を考える

 急に感覚過敏がひどくなった場合は、ストレスや不安が原因かもしれません。例えば、子どもが以前は快適に感じていた服や環境に対して急に過敏に反応するようになることがあります。これは、急な変化やストレスフルな状況に対する反応と関連している可能性があります。

 たとえば、学校での試験期間や友達との関係に問題が生じた場合、子どもは感情的なストレスを感じることがあります。そのストレスが体の感覚にも影響を与え、服への過敏さが増すことがあります。また、家庭内での環境の変化や家族間の摩擦も、子どもの感覚過敏さを引き起こす可能性があります。

 このような場合は、子どもの様子をよく観察し、ストレスの原因を特定してサポートすることが重要です。たとえば、子どもが学校での試験に不安を感じている場合は、一緒に勉強する時間を作ったり、ストレスを発散させるための趣味や興味を持つ活動を提案したりすることが役立ちます。家庭内の問題が原因であれば、家族で話し合い、解決策を見つけることが必要です。

 子どもの感覚過敏さが増す場合は、根本的な原因を取り除くことが重要です。子どもが安心して過ごせる環境を整え、必要なサポートを提供することで、彼らの感覚過敏さを軽減することができます。

最後に
 
子どもの感覚過敏さは、日常生活において様々な場面で影響を与えますが、理解と配慮があれば子どもが快適に過ごせる環境を作ることができます。そのために、子どもの声に耳を傾け、細やかな気遣いを忘れずに行いましょう。

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