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モン・サン・ミシェルの引力
いろんなところを旅してきたけど、大地が持つ磁場に引き寄せられるって、あると思う。
いくつもあちこちにあるわけではない。思いつくところでは、インドのドンガルカル近くの山だったり、イギリスの湖水地方ケズゥィック近郊の丘。ブルターニュのなぜかたどり着いてしまった小さな村といったところが思い浮かぶけれど、強力なところがモン・サン・ミシェルだった。
思い返せば、ぼくがはじめて聖ミカエルの山=モン・サン・
絵のあるおはなし~三方良しのスモールワールド~
ぼくの描く絵の値段は大方サイズで決まっている。
勝手に決めているわけでもなく、デパートや画廊での個展の過去実績が元になり、1号という絵の世界独特のサイズ(面積)あたりの単価が基準になっている。
美術ウン鑑、美術○データブックなんて厚い業界本にその作家ごとの号単価は載っている。(掲載しない主義の作家さんもいますので、それが全てではありません。念のため)
22㎝×16㎝。これが1号の面積だ。
「あの
モリアル開墾日記・3
アトリエギャラリーを森の中に構えて半年が過ぎた。森のアトリエアルティオ 。はしょってモリアル整備は少しずつ前に進んでいる。
新緑だった春から梅雨を経て、緑の濃さは勢い増し、気がつけば秋。毎週末仙台から川崎町青根へと通っているわけだけど、7日ごとに自然の色が変わっていくことに驚いている。
森の暮らしは、やることだらけだ。手を抜くと、というか、なすべきことを先延ばしすると、間違いなくしっぺ返しを食
モリアル開墾日記・2
10月13日、藤崎百貨店で16回目、旅個展としては59回目の個展を終えた。初個展は1997年。売れても売れなくても、売れるかどうかわからない絵をひたすら描き続け、毎年回を重ねてきた。よくもまあ描いてきたものだ。
ぼくは俗に言う画壇に属していない。画壇とは「〇△展」と呼ばれる会派だったり、〇〇先生のお弟子さんだったりを指す。モノの本によっては、日本の絵画の世界では画家として生業を立てるなら画壇に属
モリアル開墾日記・1
絵描きのぼくが、自分で自分のギャラリーショップを持つことになるなんて、10年前は考えてもいなかった。もう誰も覚えていないような仕事の原画を処分できない言い訳に、「いずれ美術館がたった時に必要になるから…」なんて冗談で言っていたことはある。
それがあれやこれや、ありえないような出会いと縁が重なり、「持ってしまった」のが7年ほど前のことだ。名前はアトリエアルティオ。名前は好きなケルトワールドの熊の女
あいまいな終わりとゆるやかな始まり
過去、振り返ってみると、卒業、とか、退社、開業、そういった節目のはっきりした記憶が、ぼくにはない。
勤続○○年叙勲の高級時計とか、映画で見たことがあるけど、フリーランス自営業は節目の記念品を仲間からもらうことも無い。
そんなわけで節目はいつも曖昧で、日々追われているうちに忘れてしまう。
昨日8月31日は、7年間運営してきた立町のギャラリーアトリエ・アルティオの賃貸契約終了日だった。
がらんと
小さなサインと雨しずく
変則的な祝日ですね。雨の中、川崎町青根の森の新アトリエへきています。
仙台の立町に構えているギャラリー店舗のテナント契約も8月いっぱいで終わり。ちょっと寂しい。
テナント退去は借りた時に戻すのが基本です。実はプロパンガス収納倉庫が殺伐としすぎてたので、数年前に花をペインティングしました。もちろん友達のオーナーに許可を取ってね。
そういう経緯もあってか、友人オーナーが「壁面アートは消さんでいい