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救急医から在宅医へ~生と死の狭間で見えたこと、伝えたいこと〜
◆すべての人に共通する“老化の尺度”
「この頃、やけに疲れやすくて・・・。歳かなあ。」「最近、夫(妻)が寝てばかり。会話もろくに成り立たなくて・・・」といったような言葉を、あちこちで耳にします。「老化ですね」と、ばっさり申し上げるのはいささか気がひけるので、「一種の加齢現象でしょうか」とやんわり済ますわけですが、実は内心、抵抗を感じていました。“老化ってどこが?”根拠あるの?“という、モヤモヤした
番外補 #2 便秘を自分で診る 第二弾。
ある日のこと、うら若い美しい女性が、お腹の激痛で救急車で運ばれてきました。もしや子宮外妊娠かと若い医師は身構えています。そこへ10人近い同僚の男性がゾロゾロと付き添ってこられ、我先に「大丈夫でしょうか。」と彼女の身を案じて駆け寄って来られました。患者さんに小声で診断を伝えますと、小声で「皆さんには病名は言わないで下さい。」とおっしゃいました。「勿論です。」と私は頷きました。
こんな激しい痛み
#15 便秘を自分で診る (基礎編)
腹痛で受診される方の9割は便秘です。ちょっと乱暴ですが、そう言ってよいかと思います。そのまた9割の方は、便秘であることを即座に信じようとはされません。曰く「便は出ていますから絶対便秘じゃありません、いえ、違うと思います。」と。今までに便秘と言われたこともなければ、下剤を使った経験もないのですから、まあ無理もありません。「胃カメラでは、胃炎と胃から食道への逆流があると言われ、モサプリドクエン酸を飲
もっとみる#12 心不全 命がけの運動に注意を。
循環器医によると、心不全は癌に劣らない位予後不良であるにも関わらず、その認識が乏しいじゃないか。つまり心不全は良性疾患だと思われてるじゃないですか、と言われるんですね。(進行)癌は早くに亡くなるけれど、心不全はずっと長く数年の経過を辿ることが多いですね。それも関係しているのだと思います。
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医師が案内するセルフメディケーション講座
昭和の早い頃、もしかすると戦争前から、こんな箱が一家に一つありました。救急箱と言いましたか、「早く薬箱持ってきて!」と母親に言いつけられた覚えがあります。お腹が痛い時は正露丸、怪我をすれば赤チン。ピンセットやガーゼに包帯も入ってました。これ飲んで寝たら良くなる、これ塗っとけば勝手に治る、という大雑把な民間療法でしたが、意外に治り駄目なら病院に行きました。
昭和の薬箱の写真(公開中)。
今