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#15 便秘を自分で診る (基礎編)

 腹痛で受診される方の9割は便秘です。ちょっと乱暴ですが、そう言ってよいかと思います。そのまた9割の方は、便秘であることを即座に信じようとはされません。曰く「便は出ていますから絶対便秘じゃありません、いえ、違うと思います。」と。今までに便秘と言われたこともなければ、下剤を使った経験もないのですから、まあ無理もありません。「胃カメラでは、胃炎と胃から食道への逆流があると言われ、モサプリドクエン酸を飲んでます。」と。救急外来と一般内科外来での数少なくはない経験です。

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 そんなやり取りの後、「それじゃあ、レントゲンを1枚撮らせてください。見ていただければご納得されると思います。」と。そのレントゲン写真では、至る所に白(便)と黒(ガス)の雲のような像が腹部全体に充満しています。ちょっと汚い表現ですが、腸はあたかもフランクフルトソーセージみたいに張っています。「これ全部が便なんです、出ている便よりたくさん便が作られていたのですね。」と申し上げると、どうにか認めて下さいます。

 直腸指診(肛門に指を入れる診察)にて、私の指に付いた便を便潜血検査に出して、浣腸をしておきます。便が出れば、お腹の痛みはすう〜と和らぎます。これで便秘であったことを確信できます。お帰りの時は晴れやかなお顔です。

 自分でも簡単に診れます。下腹部を押してみて、痛みが出るなら、そこに便が溜まっていると思って間違い無いでしょう。痩せたお年寄りなら、便らしき塊がお腹の上から触れることもあります。下痢便であっても、多量に腸に溜まっておれば、やはり同じ所見になるでしょう。

 聴診器があれば、激しく腸が動く音が聴こえます。腸が便を押し出そうと活発に動いている音であり、その腸の動き(蠕動)の亢進が痛みを発するのです。正常なら蠕動はほんの少し聴こえる程度です。本には、蠕動が弱くなり便秘になる、とよく書かれています。でも、日常よく見る便秘では、真逆の所見であると思います。

 さて腸に詰まった便を運ぶためには、腸をもっと動かさないといけません。水分を十分に摂って、入浴し貼るカイロで下腹部を温める。そして十分に睡眠を摂り、運動や歩くことも重要です。腰痛や怪我で歩けなくなると、たちまち便秘になる人が多いことからも分かります。

 腹痛があった時、まずはこういったことを自分で観察され、対処されてみてはいかがでしょうか? 便秘外来(要予約)、救急外来、往診での経験からお話ししました。

2024年5月29日

当院では便秘と腸活外来、生活習慣病外来を定期的に行なっております。オンラインでの診察も可能です。お問い合わせ下さい。


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