一人クリニック商店

救急医23年を経て在宅医療15年目。3名のスタッフとコロナ禍5500人の受診パニックに…

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救急医23年を経て在宅医療15年目。3名のスタッフとコロナ禍5500人の受診パニックに対応。自分で診て治すセルフメディケーションに目覚め、鬼・セルフメディケーション講座を提供中。離島、僻地、時間がなさすぎる職場に隔離された方へ。あなたは、わざわざ有給を使ってでも受診されますか?

最近の記事

今、在宅医療なのか?(医療者向け・有料)

 救急医を23年続けて、ふとしたきっかけで2008年に在宅医療に転向し、第二の人生をスタートしました。最初はERではなく在宅で救急をやるんだ、訪問救急だ、と勢い込んでいましたが、すぐにそれは早とちりであることに気づきました。この仕事はhome care (在宅医療の英訳)の名前の通り、患者さんだけを見るのではなく、周辺事情、お家や家族の状況といった社会的な問題を最期まで引き受ける、医療のおまけ付きサービス事業なのです。病院や大学で磨いてきた専門的知識は決して無駄ではないにして

    • 生活習慣病管理#1 それで、糖尿病って何が怖いんですか?

       意外なことに糖尿病の薬をなぜ飲んでいるのか、すぐ答えられない方が多いのです。『血糖まだ高いからな、薬増やしとくよ。はい、お大事に。』と先生言ってたけど。この6月から外来で生活習慣病管理という制度が始まりました。なんか計画書にサインされてるのではないでしょうか。国もいよいよ重症疾患の予防に本腰を入れ始めました。  まず、血糖とは血液の中の、ブドウ糖(グルコース)濃度です。よく果物は果糖(フルクトース)だから血糖が上がらない、だからいくら食べてもいい、と言われますが。それは違

      • 番外補 #2 便秘を自分で診る 第二弾。

         ある日のこと、うら若い美しい女性が、お腹の激痛で救急車で運ばれてきました。もしや子宮外妊娠かと若い医師は身構えています。そこへ10人近い同僚の男性がゾロゾロと付き添ってこられ、我先に「大丈夫でしょうか。」と彼女の身を案じて駆け寄って来られました。患者さんに小声で診断を伝えますと、小声で「皆さんには病名は言わないで下さい。」とおっしゃいました。「勿論です。」と私は頷きました。  こんな激しい痛み以外に、便秘がひどくなると、初めは食欲不振、胃もたれや吐き気があり、ひどくなると

        • #2. 老化の分岐点はどこか。筋肉は老化の目安。

           誰でも簡単に計測できる老化の尺度は<筋肉量>です。  「最近やけに疲れやすくなりました、歳ですかね。」「最近寝てばかりなんです、ろくに会話もしないし。。。」といった言葉をあちこちで普通に耳にします。老化でしょう、とばっさり申し上げるのは気がひけます。一種の加齢現象でしょうか、くらいで済ますわけですが、内心抵抗を感じていました。それ、なんか根拠あるの?老化てどこが?という反論の気持ちが湧きますが、反証するだけの根拠もなく、モヤモヤした疑問を胸の奥にしまっていました。 本記

        今、在宅医療なのか?(医療者向け・有料)

          #14 レントゲンの要らない骨折の見つけ方

           日常怪我をして皆さんがまず心配するのは、骨は折れていないか、です。骨が折れてないことが分かればホッと胸を撫で下ろします。折れてるかどうかをすぐに知りたいから、レントゲンを撮ってもらいに走る。骨折はありませんという一言が欲しいために、物凄く痛いのを何とか我慢して、何がなんでも今すぐ病院に行きますよね。  折れた骨が皮膚を突き破っている時、下から皮膚が盛り上がる、骨がポッキリと折れて大きなズレ(転位)がある時。言われなくとも迷わず病院に行きますよね。どんな時にすぐ受診が必要で

          #14 レントゲンの要らない骨折の見つけ方

          老後に備えておきたいこと。

           急になんですが、私はこれから老後に突入します。そんな大袈裟なものでもないですが、このセルフメディケーションコーナーをちょっと休憩して考えてみました。老後に備えて何が必要かと言うことがちょくちょく議論になっています。少し前にはさる政治家がお金が2千万必要とのたまい、物議をかもしていました。でもその方も十分老後と言っていいお歳なんですね。でも他人事のようにそんなことをおっしゃるのは、月並みですが現役でいらっしゃるからです。老後も末長く仕事をすることが推奨されますが、それは国にと

          老後に備えておきたいこと。

          #3 最強の尿検査を利用しましょう。

           口渇甚だしく、排尿回数多きもの『消渇(しょうかち)』という病名で古く漢方で知られていた糖尿病。尿に蟻が群がったり、尿を舐めて甘みがあれば、消渇を疑ったとも言われています。中世には、尿を見て、病状だけでなく運命まで占う専門業者が居たとか。実は、歴史上、最も古くから行なわれてきた臨床検査の基本は、「尿検査」だったのです。精密検査の現代においては検尿の価値は一見下がったように見えます。 本記事のInstagramもご覧下さい。 https://instagram.com/p/C

          #3 最強の尿検査を利用しましょう。

          番外補編#1 とんでもない痛み。

           前回の、#15 便秘を自分で診る では腹痛の多くを占める便秘のセルフメディケーションをお話ししました。ところが、それどころではない七転八倒の とんでもない痛み がこの世にはあるんです。それを知っておいて下さい。比較的多い代表的な痛みは、胆石症と尿管結石症によるものです。  さて、正式名、胆嚢結石症という名の通り、胆嚢の中に石の塊ができて起こります。右の肋骨の下(みぞおちから肋骨に沿って右に寄った)あたりに、ギューと差し込むようなちょっと違う痛みが出ます。でも、みぞおち、

          番外補編#1 とんでもない痛み。

          #15 便秘を自分で診る (基礎編)

           腹痛で受診される方の9割は便秘です。ちょっと乱暴ですが、そう言ってよいかと思います。そのまた9割の方は、便秘であることを即座に信じようとはされません。曰く「便は出ていますから絶対便秘じゃありません、いえ、違うと思います。」と。今までに便秘と言われたこともなければ、下剤を使った経験もないのですから、まあ無理もありません。「胃カメラでは、胃炎と胃から食道への逆流があると言われ、モサプリドクエン酸を飲んでます。」と。救急外来と一般内科外来での数少なくはない経験です。 Insta

          #15 便秘を自分で診る (基礎編)

          #12 心不全 命がけの運動に注意を。

           循環器医によると、心不全は癌に劣らない位予後不良であるにも関わらず、その認識が乏しいじゃないか。つまり心不全は良性疾患だと思われてるじゃないですか、と言われるんですね。(進行)癌は早くに亡くなるけれど、心不全はずっと長く数年の経過を辿ることが多いですね。それも関係しているのだと思います。 本記事のinstagramはこちら。 https://instagram.com/p/C7sGfZwSGtU/?utm_source=qr  歳をとると、皆最期は心不全で亡くなる、と今

          #12 心不全 命がけの運動に注意を。

          医師との交換日記 マイ・健康カルテ

           その昔、心ときめきながら交換日記をした経験がおありでしょうか。私は遂に果たせませんでしたが。。。このマイ・健康カルテはあなたと医師が、病気のことや健康情報をメールでやり取りして創っていく、いわば双方向の電子カルテです。  あなたが申告される過去現在の病気や薬の記録を、アドバイザー医師(当方の担当医師)が適宜質問をしながら協力して見やすくまとめていく。メールのやり取りで完成させていく、あなたのお身体の系図です。記録はお一人ずつクラウドサーバーに保存し、あなたはQRコードとパ

          医師との交換日記 マイ・健康カルテ

          医師がガイドするセルフメディケーション講座

           昭和の早い頃、もしかすると戦争前から、こんな箱が一家に一つありました。救急箱と言いましたか、「早く薬箱持ってきて!」と母親に言いつけられた覚えがあります。お腹が痛い時は正露丸、怪我をすれば赤チン。ピンセットやガーゼに包帯も入ってました。これ飲んで寝たら良くなる、これ塗っとけば勝手に治る、という大雑把な民間療法でしたが、意外に治り駄目なら病院に行きました。 昭和の薬箱の写真(公開中)。  今で言う『セルフメディケーション』です。世界保健機関(WHO)では「自分自身の健康

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          昭和の薬箱(当時物です)

          昭和の薬箱(当時物です)

          いつでも閉めれる超ミニマム開業希望の皆様は注目!24年6年診療報酬改定開始!

           約20年も前ですが、医院開業が華やかなりし頃、足の便がいい高級住宅地のいい土地には<開業予定地>という看板をわりに目にしたものでした。1億以上の融資を受けて、綺麗な看板、外装、インテリアで理想のクリニックを創るんだ!永年努力してきた医師が開業する、いわばブランドの専門店ですから!と。  私は180度違ったビジョンで動いていました。青空と太陽の下で、直接出かけて行って、外で訪問診療をしよう。少し前に議論になった、飛行機の中で『お医者様はいらっしゃいますか?』とアナウンスが入

          いつでも閉めれる超ミニマム開業希望の皆様は注目!24年6年診療報酬改定開始!

          コロナ五類化1年。次のパンデミックに備える。

           新型コロナ下においては患者さんも医者も誰もが感染を恐れました。当時、かかりつけの患者さんですら診療を受け付けてもらえず、発熱外来に殺到されたことは記憶に新しいと思います。  感染対策を再考し次の感染拡大に備える。でも発熱外来は廃止され、次のパンデミックに備え、あらかじめ新規の感染患者に対応をする旨の誓約書のような契約が、医院と自治体との間で締結されています。しかしひとたび新興感染症が襲来した時に、本当に広く対応がされるのでしょうか。  現状、COVID-19が五類となっ

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          今、在宅医療なのか?(医療者向け) その3-診療デバイス

           現在、私は相方と訪問する際に、聴診器を首にかけていますが、時々車に忘れます。しかし、相方が忘れずに持ってくれていますから、結局は必ず持っている物は別のものです。じゃあ、採血道具、点滴とかは?エコーやポータブル心電図は?はい、たまに予定して使うだけなので車の中に、AEDと一緒に置いています。  私が携行する最も大事なデバイスは実は、iPadとiPhoneであり、これが在宅医療の中枢です。クラウドサービスやデータベースが世に出た頃からe-mobleで通信をし、filemake

          今、在宅医療なのか?(医療者向け) その3-診療デバイス