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#14 レントゲンの要らない骨折の見つけ方
日常怪我をして皆さんがまず心配するのは、骨は折れていないか、です。骨が折れてないことが分かればホッと胸を撫で下ろします。折れてるかどうかをすぐに知りたいから、レントゲンを撮ってもらいに走る。骨折はありませんという一言が欲しいために、物凄く痛いのを何とか我慢して、何がなんでも今すぐ病院に行きますよね。
折れた骨が皮膚を突き破っている時、下から皮膚が盛り上がる、骨がポッキリと折れて大きなズレ(転位)がある時。言われなくとも迷わず病院に行きますよね。どんな時にすぐ受診が必要で、セルフメディケーションは限界と判断するのかが、ここでも最も重要です。
患部より先の方がしびれている時、皮膚の色が悪い時も超緊急です。早期に元通りに整復し、副え木(シーネ)で良い位置を保っておく必要があります。神経や血管に損傷が予想される場合で、神経損傷や血行不全で取り返しのつかないことになるかもしれません。また、指、脚、腕の関節の骨折は悪くすると動かせなくなるので、関節をスムースに動かせない時は、これも準・緊急。いずれも整形外科に即受診の一択です。
さてじゃあ、どういった時に急がなくていいのか、ですね。たとえば細いガラスの花瓶にヒビが入ったような、骨の表面(骨膜)に傷が走ったり、骨膜の一部に凸凹ができた程度。まだ若く柔らかい木がぐにゃっと曲がるような、その名も若木骨折。骨膜をよくよく観ると段差はできているが、大半は繋がっている骨折。これらは緊急度がぐっと下がります。この種の骨折かもしれない、それすらない場合がここでのテーマです。
まず、すぐにレントゲンを撮っても、初めのうちは見えない骨折があるのです。少し経てば自然修復して骨ができてきて(化骨形成)、後日レントゲンを撮って初めて分かる骨折です。それと、患部の腫れは数時間後からひどくなり、数日経てばひいてきますから、その時点でギプスを巻くとしっかりとフィットします。怪我の後あまり早い時期にギプスを巻くと、後で腫れがひどくなって、ギプスががきつくなり、圧迫で血行が悪くなることがあります。その場合ギプスを切って外さねばなりません。カッターで切るのが揺れて痛い!だから、超緊急のケース以外は急いでもあまりいいことはないのです。
それでは、この種の骨折をどうすれば見つけられるのでしょうか?骨は表面の骨膜が傷ついて痛みを発します。表面から痛みが伝わるのです!ただ骨折ではない靭帯や筋肉だけの損傷(捻挫や肉離れ)でも、痛みそのものはそれ程差はありません。一体どこが違うのか、目の付け所をお話しします。
骨は1本の棒、または丸いか四角いかのブロックみたいな塊です。骨のどこか一部が傷つくとしますね。もちろん傷ついた患部は痛みます。そこ触らないで!という状態です。じゃあ、この痛む患部を避けて他の所をぐりぐりと押したり揺らしたりしてみます。骨折が疑われる患部から離れた場所に重みや圧力をかけるのです。具体的には骨の端っこを揺らしたりすると、患部に圧力振動が伝わって、やはりすごく痛いのです。そんなことしたら響く!と言われます。それならその患部は骨折です、おそらく。これを介達痛(かいたつつう、indirect pain)と呼び、骨折の特徴として役に立ちます。
怪我をした方の片足で立ってみる(荷重と言います)。踵から膝、股関節まで体重がずっしりかかります。もし折れていたら痛くて体重を支えられません。腰骨(こしぼね)、背骨(せぼね)が折れた!と思ったなら、寝返りや屈伸運動をしてみて下さい。折れてたら、痛くてやれたもんじゃありません。逆にできたならまず骨折ではないでしょう。ちなみに背骨は手術もコルセットも致しません。薬物による痛みの軽減だけになります。
酷い捻挫や肉離れでも骨折の介達痛に似た特徴はないとは言えません。それならば、まず3日待ってみましょう。痛みが引いてくる、鎮痛剤をそれ程必要としなくなる、先述の介達痛を再度調べたら、あれ?痛くない、ならば骨折の可能性はぐっと低くなります。念のための受診なら、痛くなくなってからレントゲンを撮れば、微妙な骨折はすでに化骨形成が見えて、治り始めていることもあります。
長くなりましたが、① 超緊急だけを見極める、② 介達痛(痛くないはずの患部から離れたところを押したり揺らすと患部に響く現象)、③ 時間経過で痛みが軽減 がポイントです。本当の骨折なら4日目でも痛みは続きます。それと鎮痛剤は惜しまない。毎食後、(就寝前も)気にせず服用しましょう。胃が悪くなったりしません。痛い時に鎮痛剤を節約すると、ストレスにもなるし、血圧が上がり、食事も十分にできません。便秘になることもありますよ。動かさないと筋肉が弱り痩せてしまいます。むしろ痛みをしっかり無くして運動も食事もなるだけ落とさない方がずっと大事なことなのです。
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2024年6月7日
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