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スキした作品

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色々読んでスキをしていく中で素敵な作品が埋もれていくのでまとめました/不定期更新
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2022年10月の記事一覧

息が

息が

過去の自分に嫉妬して
未来の自分を期待している
訪れなかった明日が
他愛もない昨日だと気付けずに

愛情の穴を愛情で埋めても
穴は広がるばかりで
蕩けていく脳内は
とてもおバカさんみたいだ

結局、寂しさから逃れられないと
知っていても
耐えられない

ここではないどこかへ
なんて
ずっとずっと逃げ続けても
逃げ切れないのは
その悪魔は僕自身だからではないのか

詩人なら

詩人なら

詩人なら好きと言わずに堕とし込む

一刺し
棘の後の甘美な言葉

二刺し
ご褒美後の不埒の時間

三刺し
不毛な恋の爪痕を仕留める
確実に誠実に

そんな事も出来ない詩はなんて退屈な詩なの

嗚呼 退屈

【詩のようなもの】ハロウィーン

【詩のようなもの】ハロウィーン

駅から家までの間
寒暖差に耐えきれず
疲れきって歩く

ただでさえ暗い道
雑木林の横を通りすぎると
怖ささえおぼえる

足早に暗い中を
通りすぎようとすると
奇妙な音が林の中から
聞こえた

くわぁーくわぁーと子供の声のような
何かを呼ぶ声でもあり

恐ろし過ぎるその状態は
背筋を凍りつかせた
止まるも地獄
歩くも地獄

ゆっくりと一歩一歩進む
気のせいだ
きっと気のせいだ

よくよく耳を近づける

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賽の河原 【幻想詩】

賽の河原 【幻想詩】

僕のからだは
いつのまにか薄い布になって
ふわふわただよっていた

空から見ると
灰色の荒野の中を
一筋の川が流れている
銀色の砂利が光っていて
鉱物の擦れ合う音が響いていた

川のほとりの風は
灰色の土を巻き上げた
丸い透明なものが
あちらこちらに浮いている
風に吹かれるままに
散ったり 集まったり

その 透明な
しゃぼん玉のなかに
坊さまが棲んでいた
しゃぼん玉のなかで
坊さまの弾く琵琶は

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【詩】楽園

【詩】楽園

アラベスクの流麗に見とれて 冷たい彩色タイルに凭れると 微熱がひいて 中に吸い込まれていく

アラベスクの中には 空も水も 空気も花もある 食むための唐草も 読むための書もある 青の壮麗の中で 時間を忘れて過ごしていると もう外には戻れない 人を描くことを 禁じられたアラベスクには 人が抜け出す出口がない 香り立つ文様に酔うように 旋回して舞い始めたら 目が回り 視界がターコイズ色になって 私はタ

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【詩】線路わき

【詩】線路わき

冬の風は体を氷に変える
マフラーを何重にも巻いて
黄昏を見ながら
家路へと向かう

線路脇の小径
明と暗の繰り返し
感じながら
ゆっくりと歩を進める

人混みに慣れた
空気にも慣れた
町には帰りそうにない

星はどこから見ても
同じじゃない
街で鈍く光る星は
いつも靄がかかっている

八百屋の店先の野菜は
いつも大きさがバラバラだった
スーパーの野菜はきれいに
整えられている

気が付けば整えられ

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【詩】声

【詩】声

声を聴いているだけで
ただ安心する

内容なんて
ほんとは何でもいいんだ

新しいパン屋を見つけたとか
キッチンの取っ手がとれたとか

そんな何でもないことを言う
君の声が心地いい

聴いてないって怒られるけど
ちゃんと聴いてるよ

ちゃんと聴いてるから

もう少し聴かせて

~*~* Twitterの詩より

詩 遠吠えの獣秋一天に星

詩 遠吠えの獣秋一天に星

遠吠えの獣秋一天に星

顔をあげれば漆黒の緞帳

自ら選びとった孤独に
慰めは要らぬ筈と
澄み渡る夜空を
吹き抜けた一陣の風

迷い巡る人の手にかからぬようにと
古人は物語の神々を宙にあげたのか
赦しを乞う者達を
裁く事すら放棄させた神々の
脈々と流れる終わり無き時間

弱さを語る相手を星と決めた夜
満天の星空に向かって
遠く遠く獣は吠える

◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇

10月の句会に出した破

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【詩】たどり着くまで

【詩】たどり着くまで

天気はいつも晴れじゃない
昨日は晴天でも
今日は大雨
明日の予報は嵐

いつも晴れならいいって
晴れ間を探している

あなたはそんな時
肩を抱いて
皆そんなもんだって

晴れだけじゃなく
嵐の中で答えが見つかることもある
行くべき道を見つけることもある

計画通りに行かなくて
頭を抱えても
それが計画だとしたら
計画通り

この世の中で必要ないかもしれない
小さい部屋で明日のことは考えられない

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Autumn days

Autumn days

秋季、季節感情障による悲しいときもあるけど、なかなかよく進んでいる気もする。

仕事以外は、アパートにいるまま、身体を縮めてひっそりと暮らしている。東京での一人暮らし生活。この生活は、幸福とは言えないけど、のんびりでなんとなく楽しい。少し淋しいのやら、いろいろ不備があるけれど、ひとりで自由に生きていけることが幸せだ。今日みたいに、なにも予定入れてない日もnoteを書けて楽しい。

10月に入り、バ

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とわに《詩》

とわに《詩》

ぶらーん ぶらーん

こんな風に ぶらんぶらん したい

永遠に らぶーんらぶーん したい君と

ぶらーん ぶらーん

どうかな 君

【詩のようなもの】思春期

【詩のようなもの】思春期

期限の切れない言葉を
日毎求めてはいるのに
社会の機嫌一つで左右されちゃう

不完全燃焼で過ぎる
マイライフ 
愛煙家も煙たがる
黒色の煙のよう

五月雨の下で泣いていたのに
今はもう秋雨を慰める側で
そっと佇むよう

たらい回しだった問題も
杜撰な計画表も
よく眠りよく食べれば
全てはどうにかなる
そう言い切った後で
後悔して笑ってる

期限切れになって
ようやく気づく自分の持ち味
馬鹿の一つ覚

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梨の笑顔の向こう側《詩》

梨の笑顔の向こう側《詩》

線路の向こう 見届けて
列車の音が聞こえない
耳穴塞ぎ 聞こえない
トントントコと トコトンと

別れ際には 必ずと
必ずという 辛さあり
瞼をしまい 流さない
ピシャンピシャ ピシャリンと

我が一部分 引き裂かれ
辛さを知った 肉親が
生まれて死んで 繰り返し

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奇妙なリズム 【自由詩】

奇妙なリズム 【自由詩】

時おり二つ
次に三つ

ステップが変わる
目を離すとすぐに変わる

時おり三つ
あるいは七つ

変なリズムを刻む
君の足元
ハイヒールが地面を抉りながら
ステップを踏む

二つ 三つ 七つ

ボンゴが喉を鳴らす
おどけた喉を鳴らす
アンビバレントな喉を鳴らし
民族の風を吹かす

偶像が踊る
奇妙なリズム
千手観音が踊る
複雑怪奇なリズム

海坊主が踊る
ニュラルホン ニュラルホン
蛸坊主が踊る

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