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  • 黒白の詩

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仮面

穏やかに終えられる夜なんて 一夜たりともなくて 今日までの後悔と焦燥感で 目が冴えてきてしまう 憧れたあの子になりたくて 被った仮面は 不相応な 僕にはあまりにも重すぎた その分幸せだけれど 苦労も本心も隠してしまったが故に ひとり、 寂しさが膨らんでしまう 暴いて欲しくて、見透かして欲しくて 愚かなぼくに騙されてくれるな 理想なんか捨ててしまって もう楽になりたいとも思うけれど それではきっと、 ぼくは幸せを感じられない

    • かわいくない

      自分が使ったからなのに お金がないと病んでいる 好きなゲームも、アニメも、ドラマも 音楽も、ライブもぜんぶぜんぶ面倒で 訳のわからないsNSをひたすら眺めている ただ長すぎる今日が過ぎてくれれば あとはどうでも良かった 夢のためにと買ってもらったパソコンは ただの大きなスマートフォンになっていた 死んでないだけ偉いのに 生きていると たくさんのことを求められる もういい、明日死んでやるなんて 言い切れたら良かったのに 腫れ物扱い万歳と思って 作った醜い傷跡も 血が止

      • 星空

        失うのがとても、とても怖くて 恵まれた幸せの中、ひとり 胸を痛めてしまう 大切にしたいから いっそ、きれいなまま嫌いになってしまいたい この激情が君に見つかってしまいませんように 愛している 何よりも だから さようなら 大切な思い出のまま 消してくれ 胸が痛むほど 君の愛しさが身に染みる 幸福なんだと実感できる この幸せだけで、 あとはもう生きていけるから

        • 失恋

          この恋がいつまでも 冷めてしまいませんように けれど、 決して愛にはなりませんように たくさん偽った 嘘味の恋は あの日憧れた漫画とは違っていた ほんとうにすきなのに そんなきもちは 言葉にできないまま 夕暮れと暮れていった 書き終わらないままの きみへの気持ちは まだ恋と呼べますか しまいこんだ愛情は きっと、後悔となって そのうち思い出になってしまう

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        • 黒白の詩
          175本

        記事

          幽霊

          期待と後悔が混じって 理由なんかわからないまま ただ、焦りが募っていく 絶対的な自信は 年相応の虚勢でしかなかったのに 悩みなんてなさそうとか ひとりでも大丈夫だよねとか言われてしまう 今日すらままなら無くて 生きてく術も意味も 見失ってしまっている 誰よりも ひとりぼっちが怖いのに 強くなんてないのに 悩みがないわけないのに 言葉に満たないこの苦しみや衝動は とっくに僕の手には負えなくなっているのに まるで、存在していないかのように 理解してもらえないのはどうして

          しゅうまつ

          何もかもから逃れてしまいたくて こんな退屈は これ以上ないほどの幸福のよう 息苦しい 誰もわかってくれない なんて 稚拙だと怒られそうな 悩みだけが本心だ いっそ捨ててしまえたら 楽になれるのかな できれば避けたいけど この手のひらからは もう ぼくの命はこぼれおちて しまっている いつから しにたいが 頭をよぎるようになったのだろう こんな苦しいは 幼さと軽んじられた 思春期だと言うものなら 早く終わって 何か決心ができてしまう前に 大人になれたらいいな

          風船

          才能なんかなかった ねえ、どうしたらいい 信じ切っていた過去が崩れ落ちていく 幻想で書き換えた青春は もう鈍色で本当を見落としている 知らんぷりしつづけた不安は 消えることなく、 静かに膨らんでいく いずれ、希死念慮になってしまいそうで ちょっぴり怖くなる 死にたくないはずなのに 持て余す衝動でいつか、 うっかり死んでしまうかもしれない

          泥酔

          幸せを望んでいて 今、幸せと感じられる事は 何よりも尊いことなのに 幸せだと、満足してしまっているから、 将来のための頑張る が、 できなくなってしまっている 怠けているだけなのだけれど、 今日も明日も なんとなく幸福で なんとか、なってしまっていて 描いた夢も 決めたはずの覚悟も 壊したかった現状も 柔く、溶かされて 足元が温かい程度になってしまった もっと溺れていたいのに あんなに願って望んだのに 夢なんて やっぱりただの泥水じゃないか 幸福を感じるほど こぼれ落

          月夜に

          今日も昨日も、無駄にした。 自分の所為な だけ だけれど 悪意が触れた が、 それよりも 至極真っ当で純粋な指摘の方が 自分に向けられていなかったとしても 鋭く痛い所に突き刺さっている もうなんだか、嫌になってしまう 分からない 好きと嫌いも 僕と君と世界との違いも 何よりも大切なはずの筆を 握り潰してしまいそうになる まだ、僕は 夢をみれているだろうか こんなぼやかすような、曖昧な 世迷言で 世界を分かれるだろうか

          音を止まして

          言葉を溢すほどに 矛盾していく 本心を隠したいのか 本音と理想がズレているのか 認めたくはないが この弱音たちが本心なのだろうか 強くありたいと、願うほど 叶えたい未来が鮮明になるほど 弱く脆くなっていく 精一杯の虚勢を張った 誰にも負けたくなかったから 誰にももう心配をかけたくなかったから 誰かと笑顔になるたびに 心が冷えていくようで 僕だけが ずっと笑えないままでいる あの日の僕が 救われないままでいる 温もりを掬えないままで 座り込んでしまっている

          音を止まして

          青空の贖罪

          華やかでも 響き届く声でも無くて 記憶にすら残らないような こんな凡庸な声で 君を振り向かせることなんて できないと分かっているのに 分かってしまっているのに どうして 諦められないのだろう どうして 今日も憧れてしまうのだろう 弱気だと、笑われるだろうが 努力する程に 平凡さが身に染みていく 大丈夫なんて言わせないで そうじゃないんだ、 ばかり探してしまうから この先は明るいと 理解している。 諦めるくらいなら、 こんな人生に意味はなかった と、心の底で思っている。

          社会性

          ひとりぼっちで構わないと、 思えてはいるけれど  やっぱりどうしても寂しくなってしまう まあ、きっと誰といても 僕は寂しさから逃れられないのだろうけど 嘆く割に その渦中に居続けるのは、どうして 変わろうとしないのは、どうして 嫌いだ、不幸だと見せる割に 笑えてるじゃないか 人と関わって 揉まれるけれど、弾き出されはせずに 社会の中で生きていける君が 不快で、 羨ましくて、 疎ましくて、 輝いてみえる どこまで行けばいいんだろう あの帰り道の続きを、僕だけずっと歩い

          人に悩みを相談できない

          頼ってなんて、簡単に言うけれど どんなに辛くて苦しくて どうしようもなくて 助けて欲しくても  どうしても 人に悩みが話せなくて それは、 不信感が拭えないから 弱みを見せられない程に弱いから かと思っていたけれど なんだか違うかもしれない。 そもそも、解決してほしい訳ではなくて このぐちゃぐちゃを なんとかしてほしいとは思うけれど、 誰かにしてもらった整理整頓や 提示された解決策は 結局、自分には馴染まなくて 使いこなせない きっと、自分で答えを見つけるのが 楽で

          人に悩みを相談できない

          イデア

          こんな言葉じゃ何も言えていないのに こんな言葉だけじゃ死ねないのに 美しくもなくて 本質的でもなくて 何も表していなくて 言葉はいつも沈黙未満である こんな言葉じゃ満たされないのに こんな言葉じゃ眠れないのに こんな言葉じゃ君の気を引けないじゃないか どうしてくれるんだ 幸せなはずなのに ずっと、心が満たされなくて 身体の中がからっぽで 笑い合うほどに どんどん、乾いていくようで ただ、僕を見て欲しいだけで 言いたいことも、聞いてほしいことも 別にないのに 普遍的で絶

          幸福論

          投げ打ってしまおうかと 思ってしまう程の悩みも 案外、 ふいに風が吹くように ふわりと この身の中から吹き飛んでいく 久しぶりだな こんなにも穏やかなのは こんな心地でずっと生きられたなら もう少し、息がしやすいだろうね この安穏とした日々が 長くは続かないことは もう十分過ぎるほど 経験由来で理解している 皮肉にも、 そんな安寧を続けたくて 無理に波を鎮めようとすれば 祟りかのように、 荒れていくばかり だから、 遠回りにも見えるが、 落ち着いて理性的に 病んでし

          正義論

          ポツリこぼされた嫌いに 浅はかな同調が重なって まるで大悪党かのようになりました こんな私刑が許されてはならない 正義を騙ったって それは秩序を乱す行為でしか無い 法も絶対的に平等ではないが ひとりから始まる私刑よりかは 平等であろう 規則も何も無く 個々の裁量に委ねられている現状は もはや、民衆による独裁だ