幸福論
投げ打ってしまおうかと
思ってしまう程の悩みも
案外、
ふいに風が吹くように
ふわりと
この身の中から吹き飛んでいく
久しぶりだな
こんなにも穏やかなのは
こんな心地でずっと生きられたなら
もう少し、息がしやすいだろうね
この安穏とした日々が
長くは続かないことは
もう十分過ぎるほど
経験由来で理解している
皮肉にも、
そんな安寧を続けたくて
無理に波を鎮めようとすれば
祟りかのように、
荒れていくばかり
だから、
遠回りにも見えるが、
落ち着いて理性的に
病んでしまうのも
寂しいのも、自棄になるのも
何もかもが不快になるのも
嫌いしか見えなくなるのも、
ぜんぶそっと抱えておく方が
穏やかから、遠ざからないでいられる
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