ワニ_K

ワニ_K (王仁 慶) 1965年生まれ 訳書 kindle本『ベストマン』 …

ワニ_K

ワニ_K (王仁 慶) 1965年生まれ 訳書 kindle本『ベストマン』 (アビヤシャ作 王仁 慶 訳) https://amzn.to/3OBCBCc

マガジン

  • ワニの詩2

    マガジン『ワニの詩』が50本になったので、51本目からはここに追加します。

  • 虫にまつわる作品

    虫についての詩・俳句・川柳

  • 画像を使ってくださった方

    『みんなのフォトギャラリー』の ワニ_Kの画像を使ってくださった方の記事です。 どうもありがとうございます。

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    企画に参加した記事です

  • ワニの詩

    noteで今まで発表した詩です。

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【詩】吊り庭園

昔々 アッシリアの或る王様は 世にも不思議な 吊り庭園を造り 王妃に捧げました 大河から引いた水で 庭園の木々は潤い 高みへと続く 庭園の階段を 上っていくと セミラミス セミラミスと メロディーがきこえます 王様は ご自慢のその庭園のことや 王妃への賛辞を 楔形文字で 記しました 何百年か経って 吊り庭園も 伝説になった頃 歴史家たちが 吊り庭園のことを 史書に記しました  それからまた 何百年が経って 物書きたちが その歴史をもとに 吊り庭園のことを 記すうちに いつの

    • まだ暑い 駅のホームで バティック柄の 扇子を 使うと 空気が 動いて ジャワの風が 吹く バティックの扇子 に 描かれたライオン に忍ばせた 『メモアール』 の 香りが 若い人には 物珍しいのか すぐ前に 並んでいた 長い髪の子が 振り返った ような気がした

      • 【詩】クレヨン

        子供の頃 使っていたクレヨンに 「はいあかむらさき」という色の クレヨンがあった その 何にも 譬えようのない色と 無機質なネーミングが 頭から離れない と思ううちに 内なる はいあかむらさきは くっきりと 黒 白 赤 青 に分かれて それぞれ 回転し始めて それから 混ざり合い ゆっくりと 回転しながら はいあかむらさきに 近づいて 塗る 爪越しの 血の色と 融け合って はいあかむらさきは 私の色 になった ================================

        • 【詩】能舞台

          若い頃 初めて観た 能の演目を どうしても 思い出せない その粗筋も 主役の衣装や面も 思い出せないのに お亀の面をつけて 終始正座していた 能楽師の姿だけを 今も 鮮明に 覚えている 何故 端役のように 動かずにいる人が お亀の面を つけていたのだろう  能面をつけるのは シテと相手役だけ の筈なのに でも  確かに 記憶に残る お亀の面の人は あの能を観た頃の 私だったのかもしれない あの頃の私は 人に話したら 笑われるような 朽ちた栄光…とも言えない 幽光に しがみ

        • 固定された記事

        【詩】吊り庭園

        • まだ暑い 駅のホームで バティック柄の 扇子を 使うと 空気が 動いて ジャワの風が 吹く バティックの扇子 に 描かれたライオン に忍ばせた 『メモアール』 の 香りが 若い人には 物珍しいのか すぐ前に 並んでいた 長い髪の子が 振り返った ような気がした

        • 【詩】クレヨン

        • 【詩】能舞台

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        記事

          【詩】コスモス

          オレンジ色の コスモスは 黒に映える 花だから 見掛けると 一瞬 辺りが 暗く見える 叢に 咲く オレンジの コスモスは 流れ者で 何処からか 渡来した花と 間違えられて 駆除されることを 怖れて ふるえて 咲いている コスモスに 一瞬 オレンジ色の タテハチョウが とまって 網膜の シャッターチャンス 蝶と花 が 黒に 映えて たしかに 焼き付いた

          【詩】コスモス

          【短歌】スズムシ

          【短歌】スズムシ

          【詩】アサガオ奇譚2

          去年の夏 踏切の近くに アサガオやヒルガオが たくさん咲いていた 今年も 賑やかに 咲いているだろうと 思っていたら その踏切の近くに 咲いているのは 孤高の アサガオだけだ いや 花や蕾は アサガオなのに 葉のかたちや厚みが アサガオではないような そのアサガオモドキは 無謀にも 踏切の鉄塔に絡んで 上へ上っていきながら 「ここに 毎年同じ花が 咲くと思ったら 大間違いだよ」と呟いた 

          【詩】アサガオ奇譚2

          昔のムック本『朝日 旅の百科』

          1980年代の初め、書店に並んでいた大型ムック本『朝日 旅の百科』 当時好きだった中近東の国々が載っている二冊が今も手許にある。 『旅の百科』には、 一味違うインパクトがあって強く惹きつけられる写真が多かった。 私が持っている『旅の百科』は四十年以上前のもので かなり傷んでいるので、特に好きな写真をここに残しておきたい。 (写真は1981年発行『朝日 旅の百科』20号,21号から撮影したもの) ↑この写真が好きすぎて当時訳のわからないものを作った

          昔のムック本『朝日 旅の百科』

          マンガ感想『化石の島』

          【マンガ感想】『化石の島』高階良子 小学生の時、雑誌『なかよし』の高階良子先生の連載マンガを読むのが好きだった。中でも特に好きだった『化石の島』を久しぶりに読んでみた。 『化石の島』のヒロインの美保は地味な普通の女の子ながら、 スーパースター(人気レーサー)の光太郎に見初められて結婚する。 このシンデレラストーリーに、傲慢な令嬢、憎しみに転じる愛、憎しみから生まれる狂気、久方ぶりの帰郷、奇妙な小島、間近に迫る命の危機…といった民話風のモチーフが次々に絡んでいく。そこに再生

          マンガ感想『化石の島』

          【詩】幼稚園

          私が通った幼稚園には ももぐみ みずぐみ ふじぐみ…さまざまな色の クラスがあった みずぐみの子たちは 水色の ふじぐみの子たちは 淡い藤色の 雰囲気をまとっていた  みどりぐみの私は みどりいろには とても なれなかった… 幼稚園の門の前で 入りたくないと泣いて いやいや中に入った後 教室から 抜け出して 家に帰ろうとして 園長先生に みつかってしまったこともある あの頃の私には 他の子供たちが皆 確かに それぞれの クラスの色を まとっているように 思えた いつだって

          【詩】幼稚園

          【短歌】ヒメジョオン

          【短歌】ヒメジョオン

          【詩】コガネムシ

          昨夜 家の中に 迷い込んだ 緑色のコガネムシが 早朝 少し弱って 床に  うずくまっていた コガネムシを ホウキの柄にのせて 窓から 外に出そうとすると 雨の中 飛び立つのが嫌なのか 手に上ってきて 手首まで来ると 太鼓をたたくように 前肢を動かすので 「それ かわいいね もう一度やって」と言うと リクエストに 応えてくれた それから コガネムシは 一秒ほど 宙を飛んで 外に出たいと 訴えるので 手にのせて 窓を開けると コガネムシは また 室内で 一秒 宙を飛んで 私の手

          【詩】コガネムシ

          【ネコミミ花火】に参加します

          こちらの企画に参加します。 よろしくお願いいたします。 私は「○○大花火」が開催される市(←有名ではありません) で育ったので、句の中の「大花火」は、花火大会のことです。 ○○大花火も終わりに近づいて 『ナイアガラの滝』が全貌を現すと 「うぉー」「わぁー」と歓声があがって✨ そのどよめきが『ナイアガラの滝』を一層引き立てます。 この仕掛け花火は歓声とセットで楽しむものなのですね。 お世話になります。 以上よろしくお願いいたします。

          【ネコミミ花火】に参加します

          【詩】アサガオ奇譚

          線路脇で 野草化したアサガオの 種を採って その種を 蒔いた後  三週間も 芽が出なくて 諦めた頃 ようやく 芽が出た 双葉が出て 葉も増えてから 茎が細いので アンプルを挿した後 葉が全て 枯れてしまった そして アサガオが 土筆くらいの高さになった ある日の早朝 茎の先端に 突然 蕾が現れて 明日咲くと 思っていたら はやくも その日の午前中 親と似ても似つかない色の 小さな花が咲いた 咲いたばかりの花には むらさきの 条があって その花といったら この世のものとは 

          【詩】アサガオ奇譚

          スッポンの話

          去年、テレビで世にも珍しいスッポンの映像を見た。 かなり大型のスッポンの飼い主さんが撮影したスッポンの動画だ。 動画の中のスッポンは、日光浴を終えた後、自ら前肢(水かき)でガラガラとガラス戸を開けて家の中に入り、慣れた足取りで室内の水槽に入った。 驚いた。スッポンがこんなに賢いとは知らなかった。 スッポンがガラス戸を開ける後ろ姿は何度見ても見飽きない。 視聴者のそんな思いに応えるように、スッポンがガラス戸を開ける様子が何度も繰り返し放映された。 テレビを見終わってからも

          スッポンの話

          【雨に詠って星に願いを】🎋に参加します

          こちらの企画に参加します。 みんみんさん、よろしくお願いいたします。 小学生の時、『みずいろの手紙』という歌がヒットしていました。 『みずいろの手紙』の歌詞は七夕や梅雨には関係ありませんが、 当時、七夕祭りの時この曲が頭に浮かんで水色の短冊を選んだこと を思い出します。 みんはいクルーの皆さま、お世話になります。 よろしくお願いいたします。

          【雨に詠って星に願いを】🎋に参加します