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日本のサポーター論の入口

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サポーターとは誰で何をしている人たちなのか。日本固有の文化とサッカーが融合して生まれたサポーターカルチャーを文章化した。日本のサポーター論の入口を紹介する。
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#日本代表

「にわか」ブーム到来!ラグビーワールドカップがくれた好機をJリーグサポーターはボーっと生きてんじゃなく活かせるか!?

「にわか」ブーム到来!ラグビーワールドカップがくれた好機をJリーグサポーターはボーっと生きてんじゃなく活かせるか!?

かつてない「にわか」ブームが到来した。写真はオフィス街・丸ビルの脇です。私も「にわかファン」としてテレビ中継を楽しみ、ファンゾーンに足を運び、チケットを購入した(が、6時間もかけて現地に向かったのに試合は中止で観戦できなかった!)ラグビーワールドカップ。仕掛け人は糸井重里氏。そしてラグビー関係、メディア、スポンサー企業は積極的に「にわか」という単語を使用した。

「にわか」なくして「ファン」は生ま

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世界最強アメリカ女子代表を応援していたのは誰か?誰のための代表チームなのか?

世界最強アメリカ女子代表を応援していたのは誰か?誰のための代表チームなのか?

FIFA女子ワールドカップ 2019フランス大会は、優勝候補筆頭のアメリカ女子代表が、圧倒的な力の差を見せつけて優勝した。決勝戦の会場はリヨン。6万人近くの観客を集め満員となった。チケットは発売直後にあっという間に売り切れた。FIFA女子ワールドカップ 2011ドイツ大会では、決勝戦のチケットは準決勝戦の開催途中まで購入できたのだから、この8年間で女子ワールドカップ が、いかに注目を集める大会にな

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なでしこジャパンの応援でチャントはなぜ聞こえてこなかったのか?ちゃんとしたチャントの話

なでしこジャパンの応援でチャントはなぜ聞こえてこなかったのか?ちゃんとしたチャントの話

なでしこジャパンは3大会連続での決勝戦進出ならず。ノックアウトステージの初戦で欧州王者オランダ女子代表に惜敗した。今大会の応援で気がついたことがある。

第2戦スコットランド女子代表戦でTVから聞こえてきたJapon(ジャポン)コール。現地で応援した友人によると「小学生くらいの子供たちが大挙してジャポンコールをしてくれました。」とのこと。日本から応援に駆けつけたサポーターの太鼓が日本コールを始める

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発煙筒を禁止する日本のサッカー文化の未来と過去

発煙筒を禁止する日本のサッカー文化の未来と過去

浦和レッズサポーターからは「また浦和が処分されるのか」「なぜだ」「不当処分」と火消しに躍起なツイートも散見されるが、史上初の処分は決定した。

発煙筒使用で全国初摘発 61歳、51歳ら、浦和サポ書類送検。2018年12月9日に埼玉スタジアムで行われた、天皇杯決勝戦・浦和レッズ-ベガルタ仙台戦の試合前後に、スタジアム周辺の道路でみだりに発炎筒を使用したとして、浦和のサポーター3人を道交法違反(禁止行

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サポーターはなぜ応援することで健やかな毎日を過ごせるのか?「PCM」と「安全弁理論」。

サポーターはなぜ応援することで健やかな毎日を過ごせるのか?「PCM」と「安全弁理論」。

人はなぜ応援するのか?「そんなの理屈じゃないよ!」という声が返ってきそうだ。理屈立てて考えながら応援の道を選ぶサポーターなど聞いたことがない。ただ、実際には行動的側面、心理的側面、等から様々な研究が行われている。自分に照らし合わせて納得のいく説明を得られることが多い。今回は、いくつかの理論提唱や仮説の中から選び出したものをサポーター視点で関連付けて「サポーターはなぜ応援することで健やかな毎日を過ご

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みだりに施設外で気勢を上げ騒音を出すことを日本サッカー協会が禁止。出禁の対象者は日本サッカー協会が特に悪質と認める者。

みだりに施設外で気勢を上げ騒音を出すことを日本サッカー協会が禁止。出禁の対象者は日本サッカー協会が特に悪質と認める者。

日本サッカー協会は実情に合わせてJFA試合管理規定を改正し、2019年2月1日より施行を発表した。「実情に合わせて」というのがポイント。つまり、最近の苦情や新しいトラブルに用いられる道具等を意識して改正されている。ビッグフラッグ、差別行為、飲酒による酩酊、営利目的の撮影等について明確化された。さらに、施設外での行為も新設されたのだ。

施設外での行為が明記された画期的な改正。ここでいう施設とは「試

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2019年のJリーグはチケットを「いかに確保するか?」から「いかに安く確保するか?」の争奪戦へ

2019年のJリーグはチケットを「いかに確保するか?」から「いかに安く確保するか?」の争奪戦へ

日本代表がアジアカップの決勝戦に進出。勝利を目前にした高揚感を伝えるツイートが多いタイムラインに、一つのツイートが紛れ込んでいた。それは、一人の女性サポーターがアブダビ行きの航空券を購入する決断のツイートだった。

アパホテルや航空券、そして一部のスポーツエンターテイメントのチケット販売で2018年に話題になったダイナミックプライシングが、2019年は本格的にサッカー界でも広く運用されることになり

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「ロストフの14秒とアジアカップ」森保日本代表監督が記者会見で「マリーシアを学ぶ」と発言したのはなぜか?サポーター視点で考える。

「マリーシア」という単語を聞いて、どのようなプレーを思い出すだろう。どのような選手を思い出すだろう。大久保嘉人?小笠原満男?ある意味、そのイメージは正しいかもしれないが、多くの人は本当の意味を取り違えている。

ジーコは「マリーシアが最も身についている日本人選手はカズだ。」と発言している。森保日本代表監督が記者会見で「マリーシアを学ぶ」という趣旨の発言をした。日本人には、いまだに、マリーシアが足り

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試合当日・試合後に交流しやすそうと感じるサポーターは長崎、仙台、湘南、川崎、札幌。交流しにくそうなクラブはやはり・・・。

試合当日・試合後に交流しやすそうと感じるサポーターは長崎、仙台、湘南、川崎、札幌。交流しにくそうなクラブはやはり・・・。

サポーターは全国各地のアウェイゲームに遠征の旅を続けている。Jリーグは「アウェイツーリズム」の概念を日本に生み出し、他のスポーツにも大きな影響を及ぼしてきた。

多くのサポーターは対戦相手のクラブのサポーターとの交流を希望している。

2018年11月にインターネット調査を実施。175人のサポーターからの回答を得た。その集計結果によると70%近くのサポーターは試合当日・試合前の交流を好んでいる。そ

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「どのユニフォームを着て行っても良いじゃないか」と考える人は何を得て何を与えるのか。

「どのユニフォームを着て行っても良いじゃないか」と考える人は何を得て何を与えるのか。

時と場合に合わせて服装を変えるのは社会生活のマナー。ところが「どのユニフォームを着て行っても良いじゃないか」という主張をするサッカーファンも存在する。2018年のルヴァンカップ決勝戦では試合会場の埼玉スタジアムに浦和レッズのユニフォームで来場した人もいる。

「どのユニフォームを着て行っても良いじゃないか」・・・それは時と場合による。他クラブのユニフォームを着てスタジアムへ行くことで得られる満足や

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サッカー雑誌が「戦術論」に傾く。では、「戦術論議」はフットボールカルチャー発展に必須か?

部数の減少、休刊など、悪い知らせばかりだったサッカー雜誌に明るい話題が戻ってきた。発端は月刊フットボリスタ 2018年11月号だ。この号では「ポジショナルプレー」と「ストーミング」という話題の・・・しかも一般には理解されているとは言い難い戦術を解明することをテーマに据えた。

詳細な事例図解、多くの貴重なインタビューが話題となり、サポーターの間でも口コミで購入する人が増殖した。フットボール批評も「

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北澤豪(元日本代表)の解説への不満88.4%。ネット時代の実況解説は「裏実況」から新時代へ。

北澤豪(元日本代表)の解説への不満88.4%。ネット時代の実況解説は「裏実況」から新時代へ。

森保ジャパンの初戦にあたるコスタリカ代表戦は3-0の快勝。TV観戦をしたファン・サポーターは、さぞかし満足だろうと考えたが、勝利の喜びとは別の怒りや嘲笑が氾濫していた。

あまりに不評だが、ツイートでは偏った意見が目立つ場合もあるため、アンケート調査を実施してみた。キリンチャレンジカップ「日本対コスタリカ」(2018年9月11日)の解説北澤豪(元日本代表MF)、城彰二(元日本代表FW) 実況中野謙

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