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【君からの手紙】新マスク文庫|「拝啓」七田苗子

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新マスク文庫の「拝啓」七田苗子×ジユンペイ こちらの小説へのお返事となる、「君」からの400字のお手紙。 採用作品は「拝啓」の裏に印刷します。
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2021年8月の記事一覧

あなたへの手紙 (企画参加作品)

あなたへの手紙 (企画参加作品)

大好きなあなたへ

私は今、風になって、あなたへそよぎ、あなたをつつみ、抱きしめながら、話しかけています。

鈍感なあなたは、私になんか気がつかないように遠く青い空をみつめていますね。

でも伝わってきます。
あなたが今、私に話しかけてくれていることを。

律儀に片方のイヤホンを木の幹に押し当てて。
あなたらしいな。
そんなことしなくても、ギターの音色、葉のそよぎ、聴こえてくるよ。

私はそんな、

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笑っていて  企画参加

笑っていて  企画参加

ねぇ 覚えてる

あの日 あの丘の上で話したこと

あなたの笑顔が好き
あなたの笑顔に心安らぐから

あなたが優しい顔で 淹れてくれるコーヒーが好き
優しい香りがして  ホッとするから

あなたが わたしの頭にそっと帽子を乗せてくれるその優しい顔が好き
優しい手を感じるから

あなたの 包み込む様な優しい笑顔が大好き

あなたの 泣いた顔  

あなたの涙を何度も拭った

風の匂い 星の輝き あの

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いつも一緒にいるよ【企画参加】

いつも一緒にいるよ【企画参加】

君は空を見上げて
一度でもいいから
会いたいと願ってくれるけど

知らなかったのかな

私がいつも君と一緒にいることを

君の喜びが2倍なのも
君の悲しみが2倍なのも

ずっと一緒に生きているからなんだ

気づいてなかったかな?
君がコーヒーを入れて
少しホッとしている時
私もコーヒーの香りと
君のホッとする姿に
ホッとしていることに

君がずっと
私のことを想ってくれているのは
知っていたよ

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ーあなたへー 【企画参加】

ーあなたへー 【企画参加】

ごめん

ごめんね

こんなふうに、あなたと離れ離れになるなんて

あの頃は想像もしてなかった・・・

海辺の土産店で、ふざけてかぶった帽子が

あまりにも似合い過ぎてて見つめ合った時

一生一緒にいると決めたのに

あの朝あなたが淹れてくれた珈琲は特別に美味しかった

それからは青いラベルが私たちの定番になったっけ

しあわせな時間だったよ

ねぇ 気づいてた?

丘の上の大きな木の下で、お気に

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木の下のあなたへ  【企画参加】

木の下のあなたへ 【企画参加】

あなたはまたそこにいるのね

その木の下は優しい風を感じることが出来て好きだったわ

あなたは音楽を聞きながらそこでよく寝ていたよね

そうか、もうすぐ夏なのね

時間が経つのは早いものね

あなたに会えなくなってもうすぐ一年になるね

あなたが淹れてくれた珈琲?

忘れるはず無いでしょ

私にとって幸せの香りだもの

あなたが好きなもの、全部覚えてる

でもね、私はもうその場所には戻れないのよ

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【企画】あなたをぎゅっと💖お手紙追加中

【企画】あなたをぎゅっと💖お手紙追加中

あなたが雲を見つめてる時―。

隣であなたをぎゅっとしてたの、

知らなかったでしょう。

今の私は大気にとけてどこにでもいけるの。

あなたの傍にも。

あの部屋にも。

いつか行ったあの海にも―。

いつか行きたいねって言ってた、

フィレンツェのドゥオモにも。

雲の上ばかりじゃつまらないじゃないから

自由気ままに

風のように軽やかに

そして少しずつ私は大気になるの。

だから、もう―

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拝復【400字のお手紙】

拝復【400字のお手紙】

やっと泣き顔を見なくなったと思ったら、今度はむすっと無表情。そんな貴方を見せられて、私が笑顔でいられると思う?

今だから打ち明けるけど、本当は私、紅茶派なの。珈琲好きの貴方に合わせて、初めに美味しいって言ってしまった手前、結局ずっと言い出せなかった。

それからあの帽子。実はね、そこまで好みじゃない。なのに夏のこだわりみたいに被っていたのは、ただ貴方が嬉しそうだったから。

2人で聴いてたあのメ

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拝復 〜ありったけの愛を〜

拝復 〜ありったけの愛を〜

ー あの2人の木陰に 佇むあなたへ

手紙、読んだよ。 何度も、何度も。

夏の風に気付いて、すぐ
あの天色のシートを探したでしょ。
それから毎日そこで空見てるの、知ってるよ。

本当は、夏が苦手なのにね。

私、雲に乗ってた。あなたの予想通り。

ハート、ドーナツ、コーヒーカップ型
全部、2人の好きなもの。

見つかりそうになったら
急いで濃いめの白に隠れたの。

あなたが淹れてくれた、カフェ・

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拝復

拝復

ー 私は今、笑っているよ。

木の葉々が奏でてくれる曲を聴くとね

あなたと過ごした時間を思い出すの。

あなたはいつでも私の好きな曲を片耳イヤホンで分けてくれたよね。

...夏風が運んでくれた残り半分はあなたの香りがする。

あの帽子はね

あなたが似合ってるねって褒めてくれるからお気に入りだったの。

珈琲も毎朝飲んでるよ。

...だけどちょっと苦くない

あなたの甘い涙が混ざっちゃたのか

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拝啓、空の上より。【400字の手紙】

拝啓、空の上より。【400字の手紙】

ねえ、知ってる?
雲の上には、音も匂いもないんだよ。

夏になると、
私は風に乗ってあなたに会いにいく。

ねえ、ここにいるよ。
って風に教えたけど、聞こえた?

あなたの淹れる、コーヒーの穏やかな香り。
片耳のイヤホンから聞こえる、大好きなあの曲。
葉っぱが揺れて囁く、優しいメロディ。
風が運んでくる、ほのかな夏の匂い。
あなたが毎年出してくれる、麦わら帽子の焼けた匂い。

ぜんぶ、届いてる。

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【400字の手紙】~麦わら帽子

麦わら帽子、今年も出してくれてありがと。

嬉しかった。

私とあなたと、ドライブと、音楽。美味しい珈琲の香り。

ギターの音色が私は好きで、あなたは繊細なピアノが好きで。

あのね、今日は私からの返信。

夏の風に乗せて、話しかけてみるね。

人の命は、限られているし

私は私で、精いっぱい生きたから

あなたはもう自由になっていいんだよ。

あなたには、その白いシャツにアイロンをかけてくれる人

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顔を上げて微笑んで

顔を上げて微笑んで



片方を幹に当てて
音楽を聴いているあなたを見ていると
嬉しくなる
あなたもその曲が
お気に入りなんだねって思うから

夏になると
帽子をクローゼットから出してくれる
あなたを見ていると
楽しくなる
あなたもその帽子で
夏を過ごすんだねって思うから

毎朝
珈琲を淹れている
あなたを見ているのが好きだよ
だって
美味しそうに飲んでくれているんだもん

どれも
私のお気に入りだったけど
今はあなた

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嘘〜letter

嘘〜letter

私からの返事…
さぞかし長い間待っていることでしょうね…
一途な貴方のことだから
あれから長い月日が過ぎてゆきました
お元気ですか?

貴方からの手紙
何度も繰り返し読んでいます
添えられた曲と共に

ふと思い出したのです
この地球の外れに住む私
貴方と過ごした日々の事を

言葉にならない…どうしても
言葉にはならない…
そんな時に…この歌がふと耳を撫でた

貴方が弾き語りでよく歌っていた
この歌

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拝復

拝復

あなたのやさしさ
あなたの声

あなたの匂い
抱きしめてくれた時の温もり

あなたへの恋情はずっと続いてます
お空の上からいつもあなたを見ています

安心してね
わたしはいつも笑ってるから

だってとてもたのしい所にいるんだから
あなたより先にきてしまっただけ

あなたがここにいないのはさみしいけれど
あなたに触れることができないけれど

わたしの好きな曲ちゃんと聴こえてるから
木の葉を揺らしてい

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