拝啓、空の上より。【400字の手紙】
ねえ、知ってる?
雲の上には、音も匂いもないんだよ。
夏になると、
私は風に乗ってあなたに会いにいく。
ねえ、ここにいるよ。
って風に教えたけど、聞こえた?
あなたの淹れる、コーヒーの穏やかな香り。
片耳のイヤホンから聞こえる、大好きなあの曲。
葉っぱが揺れて囁く、優しいメロディ。
風が運んでくる、ほのかな夏の匂い。
あなたが毎年出してくれる、麦わら帽子の焼けた匂い。
ぜんぶ、届いてる。
あなたが笑えば、私も笑う。
あなたが嬉しければ、私も嬉しい。
あなたが痛ければ、私も痛い。
あなたが悲しければ、私も涙を流す。
ぜんぶ、ぜんぶ。
あなたのすべてがここに届く。
その度にまた
好きになる。
いつも、となりにいるよ。
伸ばした両手は、あなたを包めないけど
あなたと私はつながっている。
やっと、眠りに落ちることができたんだ。
忘れてもいいよ。
けど、
毎朝コーヒーを淹れること。
夏をその目で、耳で、鼻で、肌で感じること。
忘れないでいてほしい。
それだけは
わたしのもの。
私は永遠に
あなたのものだ。
⬇️こちらの企画への参加してみました❗️
⬇️こちらの手紙への返信になっています✨
企画は好きでよく参加させてもらっています。
でも企画だからって、なんでも食いついてるわけじゃなく。
七田さんの手紙は、
まるで音を奏でるように想いを綴る。
選ばれたいとかそういうことは置いといて、
ただ、書いてみたい。
そう思った。
木の下に残された僕へ、届きますように。
読んで頂きありがとうございます(*´꒳`*)
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