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#愛

おもいやり

おもいやり

おもいやりは
相手にわたした瞬間
くしゃくしゃって丸められて
ポイって捨てられたりして
そんなことが毎日だと
それがあたりまえなんだって
じゃあもう
おもいやりなんて
差し出さないでおこうなんて
そんなふうに
そんなふうに

でも
なにかが
足りないんだ
胸のまんなかに
あなっぽこがあって
そのあなっぽこがいつもあって
楽しいことをしても
すきなひとといても
なにをしても
みちたりないんだ

わた

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こわい

触れてこわれるのは
あなたではなく
わたしだった
あなたのやさしさに
わたしのとがったこころがふれて
こわれるのは
ずっと
あなただとおもっていたけれど
あなたに触れて
こわれるのは
わたしのこころだった
ほんとうのやさしさを
しらないで
ほんとうのうつくしさを
しらないで
そのりょうほうをもつあなたに
触れたくても
触れられないのは
わたしがこわれてしまうからだった
それでも、わたしはわたしが

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ちがうひと

あなたが好き
あなたのいない世界なんて
考えられなくて
あなたのそばに
いればいるほど
あなたとわたしの
境界が溶けて
わたしの中に
あなたが
見えなくなって
触れられなくなるから
あなたとわたしのあいだに
ちかすぎずとおすぎない
適切な距離をつくって
あなたの光を
その輪郭を
わたしに反射させてください
手を伸ばせば
触れられる距離に
あなたの形を

あなたはわたしとちがうひと
だからわたしは

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あなたを想う星

あなたを想う星
夜空を流れて
静かに涙した

どうして心は
あなたに伝わるの
どうしてぬくもりは
わたしをあたためるの
どうして夜空は広いのに
同じ星を見ているの

あなたが想う星
夜の隅で光って
優しく笑った

2017.12.20

中学生のころ
誰と話しても
面白くなくて
休み時間に
十円玉たくさん持って
公衆電話から
でたらめにかけてたって

社会人になって
旅先で出会った女の人と
日本に帰って食事をしたとき
宇宙の話を熱く語って
つまらないって
言われたって

ああ
わたし、そのとき
そこにいたら
あなたを好きになってた

窓から飛ぶことばかり
鏡に沈むことばかり
考えていたわたしは
大人になっても
なんにでもなれると

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笑えるなら

傷つけるつもりもなく
傷つけてしまうことが
あってもいいのではないか
大切なのは
誠意や思いやりで
その行いに捉われることではない
責めるよりも
許すこと
誠意や思いやりのない人は
許す必要はないけれど

価値観が違うから
生きてきた背景が違うから
人は人を傷つけてしまうけれど
ごめんねと言えるなら
一緒に笑えるなら
互いに生きる喜びを
分かち合えるなら
わたしたちは
この世界で
生きていける

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愛してくれる人を探している、ずっと
わたしを理解できる人がもしいるなら
わたしはその人を理解する
わたしを愛せる人がもしいるなら
わたしはその人を愛する
理解とは何かと聞かれたら
生かすことだと答える
道を与えることだと答える
愛とは何かと聞かれたら
諦めないことだと答える
信じ抜くことだと答える
理解していると言われても
愛していると言われても
決して信じないけれど
そういうものだと思う
巡り合

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しりたい

すきということは
しりたいということと
おなじなのかな
すきなひとや
すきなもののことは
しりたいとおもうもの
けれどずっといっしょにいると
もうしったようなきがして
すきということは
ただそばにいることのような
そんなきがするけれど
おだやかに
しりたいとおもいつづけるきもち
それがたえないことが
あいというものなのではないかとおもう
だからあいは
えいえんにそんざいするのだとおもう

2023

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たったひとりの

目が覚めたら
昔の彼がいた
わたしは安堵ではなく
喪失感を覚え

彼はわたしを抱きしめ
「おかえり」とささやいた
わたしは、この抱擁で
感じられないあたたかさが
ついさっきまであったことを思い出した
けれどそのあたたかさが
誰によってもたらされたのか
どうしても
思い出すことができなかった

そのあたたかさは
わたしがつくりだした
まぼろしなのだと
ひとりごちて
目が覚め

わたしはひとりなのだと

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迷路

迷路

あなたのことば
あなたの思考の迷路から
やっと出てきた
それなのに
わたしはそのことば
わたしの思考の迷路に
当てはめて
迷宮入り
わたしの思考の
迷路の中で
出口が見つからずに
腐りかけてる
悲しみや怒りが
あなたのことばを攻撃する
あなたの迷路から
やっと生まれてきたばかりの
きれいで未完成なことばが
わたしの黒黒とした感情に
殺されてしまう
わたしの迷路は悲しい
わたしはわたしの迷路を彷徨う

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わがまま

あなたとあそこへ行きたい
あなたとあれが食べたい
あなたにこれをあげたい
たくさん思い出を作っても
次から次へと
際限なく溢れてくる欲望
わたしの目に映るあなたは
しあわせ、なの?
楽しいねってはしゃぐわたし
そうすることで
あなたと〈楽しい〉を共有したいのに
少しずつ
あなたの〈楽しい〉とはぐれていく
わたし、ほんとうに
たのしい、の?

なんにもしない

なんにもしない

ひとり、部屋で

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無題2

ひまわりが
太陽に向かって咲くように
愛情に開くこころ
忘れたくなかったのは
失いたくなかったのは
大人になりたくなかったのは
あなたと永遠に生きたいからだった
けれど忘れてしまった
失ってしまった
大人になってしまった
いつか死ぬということを
許してしまった
目の前にいるのにあなたを
ときどき思い出す
あなたが変わったんじゃない
わたしが歳をとったの
あなたをいつでも思うこと
それはわたしを忘れ

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愛の効用

人が集まると
他人と比べ合い
自分か相手のどちらかを
否定したくなるのだろう
長い付き合いをすると
互いに嫌なところが見えて
うんざりしてしまうのだろう
常に他人から否定される恐怖に怯え
なんとか自分を守り生きている
自由ではなくて
がんじがらめの自意識

自分軸で考えると
他人に完璧を求めるようになるのだろう
けれどもともと自分も他人も完璧以上の
無限の可能性を持って生まれてきたんだ
まだ生まれ

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諦めないで

諦めないで

いつだって
人の善意があって
思いやりがあって
一生懸命に生きる努力があって
それをいつからだったか
諦めてしまうほどの悲しみがあって

神様なんかいないと
泣きながら
眠りにつく人たちの悲しみが
信じ合う喜びに変われば
この世界の優しさが
どこまでもどこまでも広がっていく
そんな気がして

人の悪意なんて
取るに足りない些細なもので
なにも信じられないなら
信じられる人を見つけて
その場所にいな

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