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トゥエンティーンエイジャー(1)
20〇〇年2月16日 7時12分 東京都新宿区
都内は初雪の予報だった。
急行電車が都心に近付くにつれ霧雨は粉雪に変わって、街は薄い膜を張ったみたいに白くぼやけている。
改札を抜けると、新宿は静寂していた。
まるで雪の一粒一粒が音を吸い込んでしまったみたいに。
駅前の歩道を渡った角地のコーヒーショップに入ってカフェラテを注文する。
実は今日、私のスケジュールは空白だった。
この肌寒さを感じな
メタボリズムの時代(静岡新聞・静岡放送東京支社ビル)【東京フォトジェニック】
静岡新聞・静岡放送東京支社ビル
竣工:1967年10月
設計:丹下健三
新橋駅銀座口を降りて左手、東京方面へ向かう山手線が緩やかなカーブに差し掛かるあたり。
まるで幹と枝、大樹を連想させる構造体がある。
オフィス街の無機質なビルヂングの中で一際目立つこの建物は、かつての日本人が夢見た来るべき建築の遺産であった。
メタボリズム。
名の通り、膨張する建築。
1960年代の初期、戦後日本は高
『ドッキリ!検尿カップ』で仕掛け人がドッキリ食らう件【クソブログ】
『ドッキリ!検尿カップ』で仕掛け人がドッキリ食らう件
そりゃビビったよ。
ドッキリした。
やられた。
先日、iPhoneの保護フィルムが欲しくてDAISOに行った。
DAISOといえば、コモディティの代名詞ともいえる100均ショップである。
事は保護フィルムを手に取って、さあレジに向かおうって時に起きた。
向かいの棚のパーティグッズコーナーに、何か、在る。
『ドッキリ!検尿カップ』また随分と
高級マンションを育てた時代(渋谷 代官山コーポラス) 【東京フォトジェニック】
2017年9月に四谷コーポラスの解体が始まったことは、フリークにとってビッグニュースだった。
四谷コーポラスは日本初の民間分譲マンションであり、高級マンション"コーポラス シリーズ"の先駆けとして1956年に竣工された。
いわば
・来たる核家族時代の象徴
・高級物件としての集合住宅のモチーフ
であった。
代官山コーポラスはその翌年に竣工され、四谷の血筋を引く貴重な文化遺産である。
メゾネット
Tokyo Subcultecture(北千住『昭和サロン 小柳』) 【東京フォトジェニック】
以前、noteで北千住の長屋建築群を扱ったことがある。
この長屋建築群・表側の通りに一際DOPEな建物がある。
昭和サロン 小柳(北千住)
ベースはよくある二階建て店舗住宅ではあるが、壁一面に展覧会のパンフレット。
岡本太郎・藤田嗣治・草間彌生,,日本の近代美術を彩った芸術家の名が目に付く。
しかも展覧会のスケジュールは比較的新しく、この居酒屋、未だに呼吸をしている。
(webに潜入記事がある
キープアウト・アンダーグラウンド(東京メトロ 上野検車区 踏切)【東京フォトジェニック】
東京メトロ 銀座線 上野検車区 踏切
銀座線の車両基地に在る踏切。
銀座線は通常の電車と異なり、3本目のレールから集電する第三軌条方式を採用している。
そのため、線路内に人が立ち入り感電しないよう、策で線路が塞がれている。
車庫から地下に伸びる線路は単線で、都会にしては珍しい。
たった一本の線路が地下に潜り行く様はどこか心細い。
独特度 ★★★☆☆
モグラ度 ★★★☆☆
心細さ ★★
吉原カフェー探訪 その壱(千束四丁目 『ゆうらく』)【東京フォトジェニック】
千束四丁目 カフェー建築 『ゆうらく』
関東最大の色街・新吉原
明暦の大火により千束に移って三世紀半。
日本の一つのカルチャーを支えてきた。
江戸幕府から続く吉原遊郭は赤線(警察公認の売春地帯)として栄えた。
しかし戦後、GHQの指導により規制が強まり、1958年、売春防止法の施行に併せて赤線は廃止となる。
現在も新吉原には数多くの風俗店が有るが、
赤線時代の風俗店はカフェー建築と呼ばれ
脈を打つ地下空間(東京メトロ 四谷三丁目駅)【東京フォトジェニック】
東京メトロ 四谷三丁目駅
開業 1959年3月15日
大友克洋の"AKIRA"で印象深いシーンがある。
ネオ東京の地下深くに冷凍されているアキラが復活する瞬間だ。
あの、アキラの封印されているドームは配管が血管のように張り巡らされている。
さながら臓器のようだ。
東京の地下鉄は使用できる地下の体積が狭いために、よく配管が天井に溢れている。
この光景に出会う度、僕はAKIRAのあのシーンを重
新宿サクラダファミリア(新宿 東京都庁第一本庁舎)【東京フォトジェニック】
東京都庁 第一本庁舎
竣工 1991年
東京都庁は工事現場界隈では「サクラダファミリア」と呼ばれるらしい。
その複雑な構造から、半永久的に補修が続けられている未完成の構造物なのだ。
数年前に出逢った工事担当者はこう呟いていた。
「シンプルなデザインにすれば良かったものを、毎年修繕費が嵩んで仕方ないらしい。まあ、俺らにとっちゃ有難いんだけれども」
1991年の竣工から間もなく30年を迎える
哀愁の鉄仮面(八重洲 新槇町ビルヂング)【東京フォトジェニック】
新槇町ビルヂング
竣工 1974年6月
東京駅八重洲北口を出て正面、鈍く光る構造物が在る。
あからさまに70sスペーシーを醸し出すこのビル、グランドピアノをモチーフにしたらしい。
確かに緩やかな側面のカーブはメロディを奏でているが、その音は冷たく、エッジの効いた印象を受ける。
小学生の頃、江戸川乱歩の「鉄仮面」を読んだ時の感覚に近い。
スペーシー。
1969年のアポロの月面着陸。そして、