メタボリズムの時代(静岡新聞・静岡放送東京支社ビル)【東京フォトジェニック】
静岡新聞・静岡放送東京支社ビル
竣工:1967年10月
設計:丹下健三
新橋駅銀座口を降りて左手、東京方面へ向かう山手線が緩やかなカーブに差し掛かるあたり。
まるで幹と枝、大樹を連想させる構造体がある。
オフィス街の無機質なビルヂングの中で一際目立つこの建物は、かつての日本人が夢見た来るべき建築の遺産であった。
メタボリズム。
名の通り、膨張する建築。
1960年代の初期、戦後日本は高度経済成長に差しかかり、急速に都市化が進む。
成長し続ける都市。リアルタイムで新陳代謝が進んでいく時代。
そう。まるで生き物のように。
メタボリズムはこの、都市の生命感を落とし込んだ。
静岡放送のビルヂングが大樹を連想させるのはそれ故だろう。
都市が発展すれば、枝となる居住部分を取り付け、(減退すれば)取り外すことができる。
現代においては難解なルックスかもしれないが、
実は都市成長に合わせた、極めて合理的・有機的な構造物なのだ。
日本モダニズムの巨匠、丹下健三による作品。
膨張度 ★★★☆☆
ロマン度 ★★★★☆
生命感 ★★★★☆
望月怜史
【Alica ギター担当】Twitter:@mochi335 →2016年結成のロックバンド。iTunes/Spotifyなどで音源配信中。コンピレーションアルバム『ミライオトロック 2018』に参加。全国タワーレコード・ヴィレッジヴァンガードなどで展開中。
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