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この本いいよ!

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これまで私がnoteに投稿した読書感想記事をまとめたマガジンです。本選びの参考になればいいなと思います。
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#青春

好きな作家さんの最高に心動かされる本を読みました

好きな作家さんの最高に心動かされる本を読みました

阿部暁子さんの『カラフル』という小説を読みました。

私は阿部暁子さんの本が高校生の頃から大好きです。魅力的で嫌いになれないキャラクターたちや丁寧な感情描写、作中でちらりと見せるユーモアも好きなところですが、中でも「いいな」と思うのが、自分と同年代の主人公が世の中の理不尽さに立ち向かう物語が多いところです。とても現実的で、読み終えると私も登場人物たちのように頑張ろう!と思わせてくれます。

今作は

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水瀬さらさんの青春小説が好きです

水瀬さらさんの青春小説が好きです

最近、水瀬さらさんという作家さんの青春小説が好きでよく読んでいます。

王道でわかりやすいストーリーが多く安心して楽しめるだけでなく、高校生を中心とした登場人物の温かな性格に惹かれるところも作品の大きな魅力だと思います。

今回は私が読んだ水瀬さらさんの本でも特に好きだった3冊を紹介します。

君が、僕に教えてくれたこと

無気力な少年と幽霊少女の交流を描いたハートフルストーリー。私が水瀬さらさん

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ひたすら楽しい読書体験に出会えた『ノウイットオール』と著者にありがとう

ひたすら楽しい読書体験に出会えた『ノウイットオール』と著者にありがとう

異色すぎる連作短編!?として凄く気になっていた森バジルさんの『ノウイットオール』を読みました!

まず今作は、下記の5つの物語で構成されていました。(カッコ内は各作品のジャンル)

収録作それぞれのジャンルが異なるので、一見関係性のない話のように思えますが、実はすべての作品の世界観が共通しており、読めば読むほどサプライズが待ち受けるとても楽しい小説でした。「本を読んでひたすら楽しい時間を過ごしたい

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地元が出てくるラノベの続編を一気読みする。

地元が出てくるラノベの続編を一気読みする。

私の新年1発目の読書は、榛名丼さん『レプリカだって、恋をする。』(以下:レプリコ)シリーズとなりました。

1巻は出たばかりの頃に読んだのですが、2巻以降は読んでいなくて、先日静岡書店大賞で「映像化したい文庫部門」の1位になったというのもあり、この機会に2巻と3巻も読んでみようと早速購入してきました。

静岡を舞台に繰り広げられる青春ストーリー。1作目では素直という少女の分身(レプリカ)として生ま

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最近、個人的に好きな作家さんの新作を読む!

最近、個人的に好きな作家さんの新作を読む!

砂村かいりさんの『苺飴には毒がある』を読了しました!前作『黒蝶貝のピアス』を読んで、めちゃくちゃ作風が好きになった作家さんの新作とのことで、発売前から楽しみに待っていました。

私は砂村さんの登場人物の言葉をを通して、世の中への疑問・怒りを訴えるような作風が好きです。今作は高校時代の友達付き合いを軸に、今の世の中に潜む弱みと希望も描かれていました。これまで読んだ既刊とは違う青春ものというのもあり、

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此見えこさんのエモくてためになる新刊を読みました。

此見えこさんのエモくてためになる新刊を読みました。

此見えこさんの新作『きみは僕の夜に閃く花火だった』(スターツ出版文庫)を読みました!最近の此見さんはアンソロジー収録の短編が多かったので、完全新作となる長編を読むのは久しぶりな気がします。

今作もエモーショナルかつ、10代特有の痛々しい感情が込められた此見さんらしい内容となっていました。現在学生の読者の心に刺さるのはもちろん、かつて学生だった人も「こんな夏休みが過ごしてみたかった!」がいっぱい詰

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最近読んで印象に残った小説まとめ!

最近読んで印象に残った小説まとめ!

しばらく小説の感想がお休み気味だったので、今回はここ最近読んで「いいな」と思った小説を一挙まとめて紹介します!

花火みたいな恋だった

(著者:小桜菜々さん)

今作は短編集となっていて、高校生から社会人まで複雑な恋に悩む女性たちの成長が描かれていました。青春小説らしいピュアな恋もあれば、ドロドロしたちょっと大人めの恋もあり、それぞれのエピソードが刺激的でした。

付き合って初めて気付いた「運命

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レトロな喫茶店好きにはたまらない小説を読みました。

レトロな喫茶店好きにはたまらない小説を読みました。

喫茶店が舞台の小説が好きです。喫茶店が印象的に描かれている小説って、実際にそのお店にいるようなゆったり感を味わえる物語が多く、ハズレも少ないジャンルでもあるなと個人的には思っています。そんな喫茶店が出てくる小説で、また新たなお気に入りに出会えたので1冊紹介します。

今回紹介するのは、椰月美智子さんの『純喫茶パオーン』という作品です。タイトルの「純喫茶」の文字で既に美しいです(笑)。主人公の成長に

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食欲の秋っぽい青春小説

食欲の秋っぽい青春小説

今回は食欲の秋におすすめな1冊を紹介します。

紹介するのは、汐見夏衛さんの『さよならごはんを今夜も君と』という作品です。noteで私が紹介した汐見さんの作品は今作で10冊目となりました。汐見さんで食をテーマにしたお店ものって見たことがないなーと、発売前から凄く読みたかった1冊です。

『さよならごはんを今夜も君と』感想

物語の舞台は、10代限定でおいしい料理をふるまうお夜食のお店。今作では店主

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ずっと気になっていた青春小説のアンソロジーを読みました

ずっと気になっていた青春小説のアンソロジーを読みました

高校生の頃によく読んでいたような青春小説が社会人になった今でも大好きです。

いろんな青春小説を読んできた中、最近は切ない恋愛だけでなく、今を生きる人々の悩みと向き合い、解決を後押ししてくれる作品も多いと感じています。その中には私が高校生の頃にはなかった新たな常識に触れている作品も少なくはなく、今読んでも学びとなる作品も数多くあります。

先日、私が読んだスターツ出版文庫の『君の傷痕が知りたい』と

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「ナツイチ」から気になった本を読んでみる!

「ナツイチ」から気になった本を読んでみる!

本好きの夏の楽しみといえば、大手出版社による夏の文庫フェアではないでしょうか?集英社文庫(ナツイチ)とKADOKAWA(カドブン夏推し)のフェアが6月中旬より始まったので、早速本屋へ行ってラインナップをチェックしてきました。

各社1冊ずつラインナップから気になった本を購入してみたのですが、今回はナツイチより三田誠広さんの『いちご同盟』を読んだのでその感想です。青春小説が好きなのもありますが、何よ

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「涙」のメリットを感じる物語(森田碧:『余命0日の僕が、死と隣り合わせの君と出会った話』)

「涙」のメリットを感じる物語(森田碧:『余命0日の僕が、死と隣り合わせの君と出会った話』)

今回紹介する本は、森田碧さんの『余命0日の僕が、死と隣り合わせの君と出会った話』(ポプラ文庫ピュアフル)です。今作は「よめぼく」シリーズの4作目になる作品となります。姉妹作が増えると、森田さんの作品世界も広がっていくみたいで楽しいです。

今作は「よめぼく」シリーズらしい王道な要素に加えて、人々が創作物に触れて涙を流す理由や泣くメリットといった興味深い話題も含まれていました。個人的にはシリーズでも

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私たちが星になるには100年早い!(櫻いいよ:『星空は100年後』)

私たちが星になるには100年早い!(櫻いいよ:『星空は100年後』)

記事を読んで頂きありがとうございます。
今回紹介する本は、櫻いいよさんの『星空は100年後』というライト文芸作品です。

今作はスターツ出版文庫版も出ていますが、私は数ヶ月前に発売された単行本版で読みました。スターツ出版文庫って他レーベルのように単行本から文庫という作品ももちろんありますが、最近は今作のように文庫から単行本という逆パターンの作品も増えていて、思わぬ傑作に出会えることもあって面白いで

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今を生きる私たちへ大切なメッセージがこの本にはある。(汐見夏衛:『たとえ祈りが届かなくても君に伝えたいことがあるんだ』)

今を生きる私たちへ大切なメッセージがこの本にはある。(汐見夏衛:『たとえ祈りが届かなくても君に伝えたいことがあるんだ』)

今回は私が好きな作家さんの最近読んだ新しい本を紹介します。
今回紹介するのは、汐見夏衛さんの『たとえ祈りが届かなくても君に伝えたいことがあるんだ』という作品です。noteで汐見さんの本を紹介するのは9冊目となります。(アンソロジー『卒業』も含めれば10冊)
最近はアンソロジー収録の短編作品が多かったので、汐見さんの長編作品を読むのはとても久しぶりな感じがします。

誰からも愛される男子生徒・鈴白く

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