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ボーは何をおそれている?
『ミッドサマー』『ヘレディタリー/継承』などの記憶に残る衝撃的なホラー体験をさせてくれるアリ・アスター監督。
3本目となる最新作『ボーはおそれている』を見てきました。
※この記事は個人的な感想です。
作品の内容に触れる表現がありますので、気にされない方だけお読みください。
赤ん坊の出産シーンから始まるこの旅は2時間59分。私はこのとき、まだ悪夢を知らない。
はなしの始まりは、通り魔やラリって
照らされた私の中の『PERFECT DAYS』
この記事は映画『PERFECT DAYS』の個人的な感想です。
作品の内容に触れる表現がありますので、気にされない方だけお読みください。
ザザッ ザザッ ザザッ
映画の中で役所広司さん演じる「平山」は朝、目覚まし時計のかわりに外から聞こえるホウキの音で起きる。
心地よい雑音は一定のリズムを刻み、平山は寝ながら窓の右上へ視線を流す。
今日は晴れそうだ。
身支度を済まし、小さな植物達に霧吹きをして、
Die or ジングル・ベル・ロック
「じんぐるべーる じんぐるべーる じんぐるべーるのっ♪」
3歳になったばかりの娘(まる)は、いったいどこで聴いてきたのか『ジングル・ベル・ロック』を口ずさむ。
彼女は耳が良いらしい。
過去には、
「うえをむーういて あーるこおーおーおー」
と、何の気なしに上機嫌で歌っていた。
「坂本九?!」
と、顔がブレるほどの勢いで夫が振り向くのも無理はない。
音楽番組の昭和名曲ランキングなどで耳にしたのだろう
映画『PERFECT DAYS』にむけてパーフェクトな心得を
78歳になるヴィム・ヴェンダースはこの映画のことを「第二のデビュー作だ。」と言う。
なんとも夢のある、壮大な映画人生なのだろう。
『PERFECT DAYS』は日本とドイツの合作で制作、2023年12月22日に全国公開だ。
この作品は東京国際映画祭でオープニングを飾っていたが、私はまだ見ていない。
メディアで「ヴェンダース」と「役所広司」のお二方の並びを見たとき、ドキッと胸が高鳴った。
いったい
トム・ハンクスと夫の靴下
説明できない面白さ、とはなんだろうか。
それが自分にしか分からない場合、特にシェアしようとも思わないのだけれど、今回答え合わせがあったような気がしてここに記録しておこうと思う。
私は結婚する前から、夫(ヒデさん)の脱いだ靴下が好きだった。
正確に言うと脱いだあとの形。なんとも言えない。
匂いが好きとかはでは、断じてない。
形がかしこまっているというか、うーん、なんとも言えないのだ。
初めて目
11月の蝉のぬけ殻に、宿る
「日常生活において、自然の些細な変化に気づくようになった。」
ニュアンスは少し違うが、映画監督の甫木元さんは余命を生きるご自身の母の変化をこのように語っていた。
似ている。と、ふっと私の頭に浮かんだのはまだ幼い娘の観察眼だった。
霜月。
夕日は足早に私たちの横を走り抜ける。
みるみるうちに一番星は夏より輝き、自分の輪郭も溶けてしまいそうな暗闇があたりに立ちこめた。
娘がつい30m先に居ても、夜に