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ボーは何をおそれている?
『ミッドサマー』『ヘレディタリー/継承』などの記憶に残る衝撃的なホラー体験をさせてくれるアリ・アスター監督。
3本目となる最新作『ボーはおそれている』を見てきました。
※この記事は個人的な感想です。
作品の内容に触れる表現がありますので、気にされない方だけお読みください。
赤ん坊の出産シーンから始まるこの旅は2時間59分。私はこのとき、まだ悪夢を知らない。
はなしの始まりは、通り魔やラリって
照らされた私の中の『PERFECT DAYS』
この記事は映画『PERFECT DAYS』の個人的な感想です。
作品の内容に触れる表現がありますので、気にされない方だけお読みください。
ザザッ ザザッ ザザッ
映画の中で役所広司さん演じる「平山」は朝、目覚まし時計のかわりに外から聞こえるホウキの音で起きる。
心地よい雑音は一定のリズムを刻み、平山は寝ながら窓の右上へ視線を流す。
今日は晴れそうだ。
身支度を済まし、小さな植物達に霧吹きをして、
映画『PERFECT DAYS』にむけてパーフェクトな心得を
78歳になるヴィム・ヴェンダースはこの映画のことを「第二のデビュー作だ。」と言う。
なんとも夢のある、壮大な映画人生なのだろう。
『PERFECT DAYS』は日本とドイツの合作で制作、2023年12月22日に全国公開だ。
この作品は東京国際映画祭でオープニングを飾っていたが、私はまだ見ていない。
メディアで「ヴェンダース」と「役所広司」のお二方の並びを見たとき、ドキッと胸が高鳴った。
いったい
トム・ハンクスと夫の靴下
説明できない面白さ、とはなんだろうか。
それが自分にしか分からない場合、特にシェアしようとも思わないのだけれど、今回答え合わせがあったような気がしてここに記録しておこうと思う。
私は結婚する前から、夫(ヒデさん)の脱いだ靴下が好きだった。
正確に言うと脱いだあとの形。なんとも言えない。
匂いが好きとかはでは、断じてない。
形がかしこまっているというか、うーん、なんとも言えないのだ。
初めて目
東京国際映画祭『アンゼルム』感想
人気のない広大な倉庫。
ここがフランスのシルク工場の跡地だろうか。
人の手で作ったとは思えない自然物のような絵画達、そびえ立つ石の宮殿。
先程まで着ていた人が消えてしまったかのように、残されたドレスの彫刻。
3Dで眼の前に浮かび上がってくるそれらは、めまいと美しい叙情を感じさせる。
先の見えないほど長い廊下に、ゆらゆらと自転車を漕ぐ姿。"彼”は膨大なBOXの中から写真や枝などの素材を探し、ぽんぽ
映画『はだかのゆめ』感想
独り言のようで、詩を感じさせる台詞たち。
それは四万十の広大で見知らぬ絵画に似た自然の中に、ひっそりと埋もれて響く。
10/22UPLINK吉祥寺にて映画『はだかのゆめ』を観てきました。
小説の発売記念上映のため、磯部涼さん(音楽ライター)、甫木元空(ほきもとそら)さん(本作監督)のトークショーも開催されました。感想を交えて記録します。
あくまで記憶や個人的解釈で書いているのでご理解下さい。
「レザボア・ドッグス」の無駄の中にあるもの
無名だったタランティーノのデビュー作「レザボア・ドッグス」
この映画の冒頭に、作品とあまり関係がない長回しの雑談がある。
マドンナの『Like A Virgin』の解釈についての議論とか、会話の内容は少しばかり下品でここには書けない。
ぐるりと回るカメラに次々と写しだされる個性派の俳優陣は、好き勝手に喋り続ける。
このシーンがなんだかすごく好きで、繰り返し観てしまう。
ここで仲間内の呼び名が「