記事一覧
三島由紀夫レター教室 | 三島由紀夫
オザケンのエッセイが書かれた帯が読みたくて。
全編手紙のやりとりのお話。
氷ママ子と山トビ夫の小粋な関係がよい。ヤキが回ったとか幻滅したとか、お互い「らしくない」と思ったら遠慮なしに言い合えるのは信頼の裏返し。
マナーもエチケットもない若造へのかっこいい返し。
かと思えば。
一晩考えて心情が変わった様は悪女とは言いきれないかわいらしさでよい。
丸トラ一の存在がなんとも愉快だ。大人二人が
虎のたましい人魚の涙 | くどうれいん
震災に対する気持ちにはグラデーションがある。
ガタガタに割れた道路を車のおなかをこすりながらハンドルを固く握りしめて、やっとの思いで帰ってきた私と。
買い出しに出た隣県のテレビの津波映像に驚き、家族を探しに行って、戻って、必要なものをかき集めてまた行った夫。
親戚四人の名前が震災慰霊碑に彫られている夫がお墓に手を合わせる気持ちは、私とはぜんぜん違う。
気になっていたくどうれいんをついに読んだ。
短くて恐ろしいフィルの時代 | ジョージ・ソーンダーズ
〈内ホーナー国〉〈外ホーナー国〉のバチバチ領土問題。ガラクタ機械おもちゃたちのいっちょ前でチグハグな言動に笑っていたのに、気づくと笑いごとではなくなって。不穏な空気に眉をひそめたところに〈大ケラー国〉のほのぼのお茶会行進ににっこり。なんてかわいいのだこの国は。
現代とは違う世界を読みたい気分で手にとった。
NHK理想的本箱で気になって積読していたもの。映像の帯で表現されたガラクタ機械の国の◯△□
君たちはどう生きるか | 吉野源三郎
叔父さんの示唆をヒントに、中学生のコペル君が自分で答えを見つけだしていくお話。
コペル君に起こる出来事は、多かれ少なかれ我々大人は経験してきている。
今の自分ならどうする?模範解答ではなく、実際に行動できる?
『六 雪の日の出来事』
上級生に目をつけられた友を守ると仲間と約束したのに、いざとなったら怖くて飛び出すことができなかったコペル君。後ろめたさで、やられた仲間のもとにかけ寄ることもできな