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星の王子さま|サン=テグジュペリ
星の王子さまはいくつもの出版社から出ているけれど、キラキラ箔押しの新潮文庫が一番好き。
読んだのはずいぶん前だが、ふと気になって再読。
6つの星とかヘビとかキツネとか当時はわけわからんと斜め読みしたのに。沁みる。沁みてくる。
あの頃は私もきっと王子さまに「おとなって変だ」と思われてたんだろうな。
「花も一輪咲いています」
「われわれは、花のことは書かない」
「どうしてですか!いちばんきれいなのに!」
「花は、はかないからだ」
「(略)われわれは、永遠に変わらないことを書きしるす」
はかないものは目の前から消えてしまうのよ。そういうものこそ書き留めないと人は忘れてしまう。
<ぼくはこの世に一輪だけの、財宝のような花を持っているつもりでいたけど、ほんとうは、ただのありふれたバラだった>
「もう一度、バラたちに会いに行ってごらん。きみのバラが、この世に一輪だけだってことがわかるから。」
「あれ、きみたちは、ぼくのバラにはぜんぜん似てないや」
「あのバラだけ、彼女だけが、きみたちぜんぶよりもたいせつだ。ぼくが水をやったのは、あのバラだもの。ガラスのおおいをかけてやったのも、あのバラだもの。ついたてで守ってやったのも、毛虫をやっつけてやったのも。文句を言ったり自慢したり、ときどきは黙りこんだりするのにまで、耳をかたむけてやったのも。だって彼女は、ぼくのバラだもの」
「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」
私はあれから「はかない」を知った。ある日突然消えてなくなった。知っていたつもりと現実はまるで違った。
キツネの言葉が沁みるし、ヘビがやったことが救いだと今はわかる。たくさんの星のどれかで王子さまが笑ってると思ったら全部の星が笑ってるようにみえることもわかるようになった。
大人になってからわかることって、たくさんある。
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」
「きみは、なつかせたもの、絆を結んだものには、永遠に責任を持つんだ。きみは、きみのバラに、責任がある……」
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私は私のコキアに責任がある