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君たちはどう生きるか|吉野源三郎

叔父さんの示唆をヒントに、中学生のコペル君が自分で答えを見つけだしていくお話。

コペル君に起こる出来事は、多かれ少なかれ我々大人は経験してきている。
今の自分ならどうする?模範解答ではなく、実際に行動できる?

『六 雪の日の出来事』
上級生に目をつけられた友を守ると仲間と約束したのに、いざとなったら怖くて飛び出すことができなかったコペル君。後ろめたさで、やられた仲間のもとにかけ寄ることもできなかった。
不甲斐ない。自分が許せない。悔しい。恥ずかしい。消えてしまいたい。

僕たちが、悔恨の思いに打たれるというのは、自分はそうでなく行動することも出来たのにー、と考えるからだ。それだけの能力が自分にあったのにー、と考えるからだ。

七 石段の思い出

ああすればよかった。こう言えばよかった。やろうと思ってた。あと少しだけ勇気があればできたのに。
大人になった今でもこんな場面はあるんだよコペル君。

話ッていうのは、ただ、これだけなの。でも、お母さんは、ずっとあとになってからも、この時のことを、ときどき思い出すんです。ーそう、いろいろなときに、いろいろな気持で思い出すの。

七 石段の思い出

コペル君のお母さんが話してくれた、若い頃の出来事。
私にもときどき思い出す苦いけどすごく大切な出来事がある。他の人にとってはおそらくなんということはないだろう。でも私にとっては、魂が震えるほど揺さぶられ、その後の指針となった出来事。
自分でも知らなかった、私を私たらしめる核の部分。

浦川君のような家庭にいれば、うちの仕事のために、なんのかのと勉強の時間を割かなければならない。それだのに君には、いま何一つ、勉強を妨げるものはないじゃあないか。

四 貧しき友

思いがけなく胸に刺さった叔父さんの言葉。
人生の中でたぶん今が、何一つ私を妨げるものはない時期なのだと思う。よほどのことでない限り、やりたいと思ったことはチャレンジできる。自分の裁量でコントロールできる。

子供の頃、どんな大人になろうとしてたかな。
どんな大人を素敵だと思っていたかな。

そこで、最後に、みなさんにおたずねしたいと思います。―
 君たちは、どう生きるか。