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いつか終わるこの地獄にて。

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いつか終わるこの地獄にて。

記事一覧

忘杯

祝杯というが、僕には祝うものなど何もない。 その代わりと言ってはなんだが、忘れたいことは山ほどある。 そんな忘れたいことの数々を昇華するために、忘杯をあげることに…

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1か月前
2

愛にまつわるストレージ

人を愛するということは、どんな感覚なのだろうか。 恋をするということも、同様に。 誰とも付き合ってこなかったわけではない。 果たして、あれらが恋愛と呼べるのかは不…

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1か月前
3

カケラ

先月、誕生日だった。 お小遣いと、数行の手紙をもらった。 「あなたのことだから、次の目標に向かって進んでいると思います。無理をしないように。」 と書かれていた。 …

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2か月前
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キタニタツヤがくれた暗闇

メンタルの崩壊で無くしたものたち。 上の記事で色々書いたが、 唯一残ったこの僕の暗闇に今も共鳴し続けているものがある。 キタニタツヤという人間が作り出した曲たち…

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2か月前
3

絶望を抱きしめて

絶望だけが、僕を包み込んでくれた。 メンタルの崩壊と共に、 僕の手から滑り落ちたものたち。 夢、情熱、愛、希望、期待、努力、勇気、その他。 唯一残ったものが、僕が…

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3か月前
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歩けば、道はできる

心が、どうにも動かない時がある。 何かを書こうとして開いたnoteの下書き画面。 読もうとして手に取り、握りしめたままの本の背表紙。 観たいものを探してスクロールし続…

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3か月前
2

うつむけば、花道

毎年、桜の花が誇らしげに咲き始めた頃、 決まって雨が降る。 耐え忍んで、また顔をあげる花もいれば、 雨に打たれ散る花もある。 僕は、きっと後者だ。 どんな季節の雨…

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3か月前
2

死に見で一杯

数年前、21でメンタルをやった。 正確に言えばそれより前からやっていたのかも知れないが。 気分の落ち込みには慣れた。 閉塞感にも、孤独にも。 洗わなくていいように、…

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3か月前
3

春生まれ、春と春風を嫌う

目一杯、羽を伸ばした花達が我れ先にと散り出す春、 僕は産まれた。 それでも、春は嫌いだ。 嫌いな理由は、少しこちらでも触れてるので ぜひ読んでみてほしい。 僕がこ…

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3か月前

また、冬と別れ

僕が住む九州は、だいぶ暖かくなってきた。 ここぞとばかりに何かが始まる春は、あまり好きではない。 そんな春もすぐに過ぎて、嫌いな夏が近づいてくる。 生きる心地が…

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3か月前
1

夜に沈む

教室の机の中に、明日の課題を忘れてきたことにふと気がつくように、 ふと、誰かとの繋がりを求めてしまう。 ただこの一瞬を、ひとりで居たくないと思う。 数年前に消し…

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3か月前

酒と欲

旧友とご飯に行った。 酒を飲んだ。割と。 別れた後、またバーにいって少し飲んだ。 酔ったら、その人の本性が出るらしい。 僕の本性は、どんなものだろうか。 誰に見せ…

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3か月前
1

暗闇も慣れてしまえば

この濃い霧を追い越してしまえば、 あの光差す水面まで浮かび上がれば、 この暗いトンネルを最後までくぐり切れば、 僕の望むものは在るだろうか。 底のない海にゆらゆら…

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3か月前
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忘杯

忘杯

祝杯というが、僕には祝うものなど何もない。
その代わりと言ってはなんだが、忘れたいことは山ほどある。
そんな忘れたいことの数々を昇華するために、忘杯をあげることにした。
今だけは、この一瞬だけは、全てを忘れることができるように。

こんな僕のくだらない話を酒のつまみに、
これを読むどこかの誰かには、幸福な晩酌を楽しんでほしい。

(※この記事は前述の通り酒を飲みながら書いている記事なので、
所々お

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愛にまつわるストレージ

愛にまつわるストレージ

人を愛するということは、どんな感覚なのだろうか。
恋をするということも、同様に。

誰とも付き合ってこなかったわけではない。
果たして、あれらが恋愛と呼べるのかは不明だが。

人を好くことが、愛することがどんな感覚なのか。

経験がないからわからないのか、
もしくはその感覚そのものが元から欠けているのか、
はたまたどこかに落としてきてしまったのか。

今の僕には、どれだっていい。

以前の記事で、

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カケラ

先月、誕生日だった。

お小遣いと、数行の手紙をもらった。

「あなたのことだから、次の目標に向かって進んでいると思います。無理をしないように。」
と書かれていた。

祝ってもらっているはずなのに、
労ってもらっているはずなのに、

夏が近づく晴れ空の下で、僕の心は晴れなかった。

立ち止まらずに進めと言われている気がして。

心配してくれていること、支えてくれていること。
理解している、感じてい

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キタニタツヤがくれた暗闇

キタニタツヤがくれた暗闇

メンタルの崩壊で無くしたものたち。

上の記事で色々書いたが、
唯一残ったこの僕の暗闇に今も共鳴し続けているものがある。

キタニタツヤという人間が作り出した曲たちだ。

彼の音楽と出会ったのは、
メンタル崩壊以前のことだった。

彼の音楽に沈みながら、ふと思った。

きっと彼は、暗闇を知っている。
明確にこう、という説明はできないけれど、そう思った。

もしそうでなくても、
彼が作り出した曲たち

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絶望を抱きしめて

絶望を抱きしめて

絶望だけが、僕を包み込んでくれた。

メンタルの崩壊と共に、
僕の手から滑り落ちたものたち。
夢、情熱、愛、希望、期待、努力、勇気、その他。

唯一残ったものが、僕が居るこの絶望だった。

何も望まないことは、案外悪いことではない。
何も手に入らなくても、悲しくも悔しくもならないから。
期待しなければ、その期待を裏切られることもないのと同じだ。

僕はこのnoteに希望を残していくつもりはない。

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歩けば、道はできる

歩けば、道はできる

心が、どうにも動かない時がある。

何かを書こうとして開いたnoteの下書き画面。
読もうとして手に取り、握りしめたままの本の背表紙。
観たいものを探してスクロールし続けるNetflix。

何をしても、
何をみても、
うんともすんとも言わなくなる。

頑張って水を注いでいるのに、
肝心の花瓶の底は割れている。
どれだけ水を注いでも、
花を挿せるほどの水は溜まらない。

この割れた花瓶に水を溜める

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うつむけば、花道

うつむけば、花道

毎年、桜の花が誇らしげに咲き始めた頃、
決まって雨が降る。

耐え忍んで、また顔をあげる花もいれば、
雨に打たれ散る花もある。

僕は、きっと後者だ。

どんな季節の雨でも嫌いだが、
部屋の中で聴く雨音だけは、案外心地良かったりする。

そしてふと考えたりもする。

心が砕けて、粉々になって、
ただただ残ったこの灰を、
この雨達が流してはくれないだろうか。
何事も無かったかのように、
溶かしてはく

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死に見で一杯

死に見で一杯

数年前、21でメンタルをやった。
正確に言えばそれより前からやっていたのかも知れないが。

気分の落ち込みには慣れた。
閉塞感にも、孤独にも。
洗わなくていいように、紙皿や割り箸を準備しておくようになった。
3日ぶりのシャワーも、もう珍しくない。

死にたさにも、慣れてしまった。

世間一般、希死念慮と呼ばれるあいつ。

最初は闘うつもりだったあいつは、
今では仲良く隣に並んで歩いている。

どこ

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春生まれ、春と春風を嫌う

春生まれ、春と春風を嫌う

目一杯、羽を伸ばした花達が我れ先にと散り出す春、
僕は産まれた。

それでも、春は嫌いだ。
嫌いな理由は、少しこちらでも触れてるので
ぜひ読んでみてほしい。

僕がこのnoteを書き始めたのには、
そう深くもないけれど、割と浅くはない理由がある。
(まだまだどこかの誰かには届いていないみたいだけど。)

人の多くは、
存在した証明を残して逝きたいと思っている、
と思っている。

対して僕は、
存在

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また、冬と別れ

また、冬と別れ

僕が住む九州は、だいぶ暖かくなってきた。

ここぞとばかりに何かが始まる春は、あまり好きではない。

そんな春もすぐに過ぎて、嫌いな夏が近づいてくる。
生きる心地が余計しなくなってくる季節だ。

僕は冬が好きだ。
少し凍えるくらいが、特に。

吐く息が白く染まり、魂を削るため息が目に見えるようになる冬。
心臓まで冷えてしまいそうな、澄んだ冷たい空気。
僕を包む服という名の鎧が、半袖から長袖に変わる

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夜に沈む

夜に沈む

教室の机の中に、明日の課題を忘れてきたことにふと気がつくように、
ふと、誰かとの繋がりを求めてしまう。

ただこの一瞬を、ひとりで居たくないと思う。

数年前に消したマッチングアプリをまた入れた。
当時は、片手で収まるくらいに、程よく遊んでいた。

20代の若者ながらにも、大人になった。
体の関係は必要としていない。
二日酔いの心配をしながら、金の心配はせずに飲めればいい。
少しでも夜が明けるのを

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酒と欲

酒と欲

旧友とご飯に行った。
酒を飲んだ。割と。
別れた後、またバーにいって少し飲んだ。

酔ったら、その人の本性が出るらしい。

僕の本性は、どんなものだろうか。

誰に見せることができて、どこまで信じことができるのか。

自分以外の存在を欲してしまうその本性が、
果たして本物なのか、
本当に心の底にあるものなのか、

今の僕に見定めることはできない。

酔ってしまうだけで、
そんなに世界が変わって見え

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暗闇も慣れてしまえば

暗闇も慣れてしまえば

この濃い霧を追い越してしまえば、
あの光差す水面まで浮かび上がれば、
この暗いトンネルを最後までくぐり切れば、

僕の望むものは在るだろうか。

底のない海にゆらゆらと沈んでいくように、
伸びた枝からさらさらと散る花びらのように、
風に運ばれる意志のない雲のように、

ただずっと
此処に居座っている。

どこにも行けないのか、
それとも、
どこにも行きたくないのか。

どちらかなんてどうだっていい

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