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#30 ボランティア以上、ビジネス未満

#29で、私が思う、小さな「地域振興」をお伝えしました。
「地域おこし協力隊」として、地域に関わる中で、このような小さな動きがたくさんあることが分かりました。

本業として、このような活動を行っていない、その多くは、
ボランティア以上ビジネス未満です。
※これは私が勝手に言っている言い回しです。

ボランティア以上、ビジネス未満、というのは、
人件費・交通費は出ない、助成金などを活用し、赤字までにはならないが、黒字も出ない、しかし、時間や手間はかかる、という状態のことです。

「地域振興」を目的とした地域での取り組みには、自治体の社会福祉協議会や、地区の振興協議会から出る助成金・補助金が使えることがあります。また、この他にも、国や県、自治体、○○事業団などによる、目的も様々で、色々な助成金がたくさんあります。

私の周りの、小さな「地域振興」を行っている方達は、これらを利用して活動しています。それに加え、その活動グループを会員制にし、いくらか会費を出し合って活動費にあてていたり、参加者から参加費やお弁当代などを徴収して経費にあてていたりしています。

もし、
この、ボランティア以上ビジネス未満のグループに関わる際は、
そのグループの話をよく聞きながら、その方達を観察してみてください。

なぜなら、このグループの中には、『なんなら協力隊にやってもらいたい』
『なんならちょっと儲かりたい(協力隊にやってもらって)』、
というような気持ちが見え隠れする方達がいる、からです。

その方達は、ボランティア以上に時間や手間がちょっとかかるけど、ビジネス未満だから儲けはない、活動を行っています。

そして、その方達は、これが本業ではありません。自分の本業、又は、自分の家のしなければならない事とは別に、時間を作って、又は、空いている時間に行っています。だからなのか、余計に時間や手間がかかっているという意識になる場合があります。自分達は「やってる」と。

それで、『ちょっと誰かに手伝ってもらったら楽だな~』と考える方がいます。

そこに、「地域おこし協力隊」という存在と出会うと、
協力隊にやってもらおう、になる場合があります。

私は、「地域おこし協力隊」が、地域の方達がしている「地域振興」の活動の支援をするのは問題ないと思っています。

問題となるのは、その方達の「地域振興」の活動なのに、
その方達があまり動かず、
結局、「地域おこし協力隊」しか手と足を動かしていない、
となる場合だと思います。

私の場合、#27でお伝えしたように、一時期、「カフェが併設されている地域のコミュニティスペース」の運営支援をしていました。私は「地域のコミュニティスペース」づくりが第一義だと思っていましたが、維持費活動費の捻出が課題となり、気づけば、飲食店として「カフェ」を成り立たせるにはどうしたらいいか、ということに頭を悩ませていました。

この「カフェが併設されている地域のコミュニティスペース」の土地や建物の持ち主の方達は、「地域振興」を目的とした地元有志のボランティアグループでした。

しかし、関わるにつれて分かってきた状況は、
メンバーは10人くらいいるであろう地元有志のボランティアグループからは、1人しか私と一緒に活動する人はいない、ということが分かりました。
残りの方達は関わってきませんでした。

しかも、私「地域おこし協力隊」が頑張れば頑張るほど、そのグループの方達は色々としなくてもよくなります。そうしていると、私「地域おこし協力隊」がいないと成り立たないようになってきてしまいます。

ん?おや?
そもそも、その方達が始めた「地域振興」で、「地域のためのコミュニティスペース」にしよう、ではなかったのか?それを「地域おこし協力隊」として「支援」に来たのが私ではないのかい?

いつの間にか、そのボランティアグループの方達は、
「地域おこし協力隊」がんばれ、がんばってるね~!
「地域おこし協力隊」応援してる、何か手伝うことある?
しまいには、私「地域おこし協力隊」に向かって、何がしたいの?と聞く…ような状況になってしまいました。

とまあ、
「思ってたのとちがーーーーーーう!」と心の中で叫んでいたのですが、

さらに、悩ましいことに、
その方達は、それが自分たちのすることだと思っていた、というとです。
「地域おこし協力隊」を応援することが、自分達のすることだと。

んん?おやおや?
私は、何だか足元から崩れ落ちるほど、私の「地域おこし協力隊」の解釈と、その方達の「地域おこし協力隊」の解釈が違うことに気づきました。

そうして、私は、私の「地域おこし協力隊」としての取り組みの中から、この方達の支援をする時間を少なくし、支援をやめていく方向に舵をとったのです。ここが最大の難関でした。これはまたの機会でお伝えするとして。

流行りの!?「地域おこし協力隊」と地域のカフェ。
きっと、いろんなケースがあるのでしょうが、私の場合は、ほ、ほ、ほろ苦い思い出となりました。

「地域おこし協力隊」と、この、ボランティア以上、ビジネス未満、の団体との関わりでは、色々な思惑が交差しているような気がします。

次回、もう少しお付き合いください。







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