323工房

動物と歴史(古代)が好きな、雑貨好き。考古学者になりたかったけど、気がついたらものづく…

323工房

動物と歴史(古代)が好きな、雑貨好き。考古学者になりたかったけど、気がついたらものづくりの道へ。「 #旅のおみやげ 」をイメージした、手のひらサイズのランプ🪔や小物を #3Dプリンター で作っています 。

マガジン

  • 3Dプリンター導入/トラブル対応tips/機器レビュー

    3Dプリンターを使ってみたいけど、どうしたらよいかわからない……といった人向けの記事や、 買おうと思って&使い始めてみたときに参照していただけそうな記事を集めてみました。

  • ティアマトの11の怪物

    【 #ティアマトの11の怪物 】記事のまとめマガジンです。

  • 【souvenir / 旅のおみやげ】シリーズ:パリ

    「souvenir」、 旅のお土産。 南極からやってきたペンギンが、世界を旅して、旅先からのお土産をあなたのもとへお届けします。

ストア

  • 商品の画像

    「猫町」のランプ :日時計の塔 - 3DプリントのLEDキャンドルカバー 【特集掲載】

    ⚫︎ 特集掲載 2024/2/21「minneの猫モチーフ100選」 https://minne.com/curations/890 ・ ⚪︎ ・ ⚪︎ ・ ⚪︎ ・ ⚪︎ ・ 萩原朔太郎の小説「猫町」をイメージ・モチーフとした、 猫のいる幻想の街並みのランプ第5弾。 格子文様の壁と窓がランプの光を透かし、 螺旋を描く階段をのぼった先の屋上には日時計が。 黒猫はそのふちをよじ登ろうとしているようです。 そんな情景を捉えた、"風景のあるランプ"です。 素材は、3Dプリンター出力の硬質レジン製。 猫や塔の細かな造形は、3DCG設計ならでは。 うっすらと透明感のあるホワイトレジンが光を透過し、 ランプを点ければ、風景の中に複雑に光と影が生まれます。 LEDキャンドルが中にはまっています。LEDなので内部の灯りは熱くならず、 レジン製の本体は金属製よりはるかに軽く、ガラス製よりもずっと割れにくいので、 デスクの上のちょっとした空間に置いたり、就寝時のナイトランプとしてお使いいただいても安心です。 ランプ収納部分は、裏面に足がついており、ゴム製の留め具でランプを固定する作りです。 お部屋の中で、ある日は本棚に、別の日はベッドサイドに……。その日の気分で気軽に持ち運んで、お好きな場所で共にお過ごしください。 サイズ:H8.5 x W5 x D5 cm 猫:現在のところ黒猫のみです。 ※写真7~8枚目は【同シリーズの別作】です。構造、サイズ感のイメージとしてご覧ください。 ◇ ランプの使い方 本品はLEDキャンドルカバーとなり、キャンドル部分とは接着はしておりません。上記の通り、ゴムの留め具で抑えておりますが、スイッチを入れる際、電池を取り替える際などはご注意ください。 LEDキャンドルの故障については保障しかねます。ご了承ください。直径38mm前後のLEDキャンドルを入手していただければ、交換してお使いになれます(インテリアショップ等でも手に入れやすいサイズかと思います。万一手に入らない場合はご連絡ください)。 ◇ 包装について 緩衝材で包み、グラシン紙の袋に入れてお届けします。 プレゼント包装の場合は、白い紙箱に入れてお届けします。 ・ ⚪︎ ・ ◆シリーズアイテム 「猫町」シリーズ: https://minne.com/@323labo/series/12245
    3,000円
    323工房
  • 商品の画像

    「猫町」のランプ :幻燈の家 【特集掲載】- 3DプリントのLEDキャンドルカバー

    ◆ 特集掲載 ◇ 2021/12/21 特集「minneおすすめ!注目作家・ブランドが大集合」掲載!   https://minne.com/curations/866 ◇ 2021/8/4 minneのtwitter掲載   https://twitter.com/minnecom/status/1422920568001777664?s=21 ・ ⚪︎ ・ 猫のいる風景のランプを、 萩原朔太郎の小説「猫町」をモチーフに作りました。 漆喰塗りの煉瓦壁の上は曲折した小路となって、 階段状の高くなった先の壁には張り出した出窓が。 壁に囲まれた空間には幻燈が灯り…… そんな「猫町」の作中の描写をイメージして設計した、"風景のあるランプ"。 しっぽをピンと立てた猫が、その中を静かに歩いて行きます。 こちらは、実は3Dプリンター出力の硬質レジン製。 猫や出窓の細かな造形は、3DCG設計ならではです。 うっすらと透明感のあるホワイトレジンの厚みを、何度も試作して調整し、洋燈(ランプ)部分が光って見えるように製作しました。 LEDキャンドルが中にはまっています。LEDなので内部の灯りは熱くならず、 レジン製の本体は金属製よりはるかに軽く、ガラス製よりもずっと割れにくいので、 デスクの上のちょっとした空間に置いたり、就寝時のナイトランプとしてお使いいただいても安心です。 ◆ 猫の色・バリエーション 猫の色は、黒猫(写真1〜5枚目)または白猫(写真6,7枚目)があります。 白猫も期間限定で販売している場合がありますので、ご注文時の項目にてご確認ください。 ◆ 【重要なお知らせ】仕様変更について 2021年11月仕様変更: ・ランプ収納部の下に足がつき、ランプが固定できるようになりました ・これに伴い、アイテム全体の背が少し高くなりました  変更前:全体高約 50 mm、壁の一番低い縁が高約 24 mm  変更後:全体高約 59 mm、壁の一番低い縁が高約 30 mm ※写真10枚目:左が旧バージョン、右が新バージョン  写真11枚目:ゴムの留め具 2023年7月仕様変更: ・ランプの色がオレンジ色から黄白色になりました ・ランプがタイマー式になりました(6時間で自動消灯/そのままにしておいていただきますと、18時間後に自動点灯) ・サイズ等の変更はありません 価格等は変更ございません。 どうぞご了承のうえお求めいただければと存じます。 【一部写真は旧バージョンのままとなっている場合がありますのでご注意ください】 ◇ ランプの使い方 本品はLEDキャンドルカバーとなり、キャンドル部分とは接着はしておりません。上記の通り、ゴムの留め具で抑えておりますが、スイッチを入れる際、電池を取り替える際などはご注意ください。 LEDキャンドルの故障については保障しかねます。ご了承ください。直径38mm前後のLEDキャンドルを入手していただければ、交換してお使いになれます(インテリアショップ等でも手に入れやすいサイズかと思います。万一手に入らない場合はご連絡ください)。 ◇ プレゼント包装について 通常は、緩衝材に包み、グラシンペーパーの袋に入れてお届けしています。 クリアボックス入りの包装(写真9枚目)をご希望の場合は、「プレゼント包装オプション」をご選択ください。 ・ ⚪︎ ・ ◆シリーズアイテム (ランプのシリーズ一覧:写真12,13枚目) ・ランプ第2弾「風見鶏の塔」  https://minne.com/items/30793051 ・ランプ第3弾「螺旋階段の中庭」  https://minne.com/items/34881682 ・同じモチーフのアクセサリーとして、「猫町のかんざし」を製作しました。  https://minne.com/items/23755349 ◆ 「ランプと本」企画について 本アイテムのご愛顧に感謝し、企画動画を製作いたしました。 https://youtu.be/MM2sFwD_xpk
    3,000円
    323工房

記事一覧

固定された記事

ものづくりの側面から見る3Dプリンタ

こんにちは。323工房の、ものづくりびとの方です。 自己紹介でも書いた通り、当工房は、ものづくり畑の出の人間とCG・CAD畑の人間が2人でやっています。 この組み合わせは…

323工房
3年前
7

ティアマト再び(3)

このシリーズも最後の記事となります。 ティアマトの真の姿はどのようなものだったのか? 過去の2回の記事では蛇やドラゴンでも人の姿をした女神も違いそうだということ…

323工房
6日前
1

ティアマト再び(2)

前回に引き続き、今回はティアマトの形態として女神を取るパターンについて考察していきます。 これはドラゴン形態のティアマトに続きて人気のあるもので、作品にもよりま…

323工房
1か月前
3

ムシュフシュ:原初の竜(辰年にちなんで)

明けましておめでとうございます。 本年は辰年ということで、毎年恒例の干支のフィギュアは古代オリエントの伝説の竜(蛇?)、ムシュフシュをモチーフに作成いたしました…

323工房
3か月前
10

ティアマト再び(1)

"ティアマト"  一般的になんとなくでもその名を聞いたことはあると思います。 ある人は女神の姿を思い浮かべ、ある人は複数の首を持つドラゴンの姿を思い浮かべ、またある…

323工房
4か月前
3

おばあさん仮説:人類は親が子育てをしない動物?

オペレータJです。今日はJが昔大学で学んでいた人類学についてのお話です。 少子化の話題はいつも尽きない今日この頃。 よく「生物的には」とか「人間の本質的には」みた…

323工房
1年前
11

【漫画】ゴン(GON)全巻揃えたのでレビュー

 オペレーターJの好きな、というか人生に大きな影響を受けた一つに「ゴン(GON)」という漫画があります。  ゴン+漫画で検索するとハンターハンター(これも好きな漫画で…

323工房
1年前

【 ティアマトの11の怪物 】終わりに【16】

後書き ここまで読んでいただいた方は本当にお疲れさまでした。  とにかくぼんやりとした話が続くので、なかなかに辛い部分もあったとは思いますが、少しでも創作や興味…

100
323工房
1年前

【 ティアマトの11の怪物 】ティアマトに関連する神々達【15】

 ティアマトに続けて、それ以外の神々、特に敵対した側の神であるマルドゥクと息子であり再婚した夫であり怪物達の指揮官であるキング、殺された夫であるアプス―、知恵の…

100
323工房
1年前
1

【 ティアマトの11の怪物 】ティアマト:真の姿を葬られた女神【14】

 さて、とうとうティアマトの怪物達の解説も終わったので、ティアマト本人に関する解説です。  冒頭でも書いたように、ファンタジー創作物では大人気のモチーフで、名前…

100
323工房
1年前
1

【 ティアマトの11の怪物 】その他の怪物:エヌマ・エリシュから除かれた怪物達【13】

 エヌマ・エリシュでははっきりとティアマトが生んだ怪物は11であると記載されています。  そして、一応文脈的問題はありつつも、書かれている怪物名は11であり、それに…

100
323工房
1年前

【 #ティアマトの11の怪物 】クサリク:不思議な野牛【12】

 ティアマトの11の怪物も最後の一つとなりました。  このクサリクは不思議な野牛/雄牛と呼ばれるもので、たくさんの図が残されています。  元々アッカド時代かそれ以前…

100
323工房
1年前

【 #ティアマトの11の怪物 】クルール:魚人間【11】

 ティアマトの11の怪物も残りはあと2つ。竜・蛇>海の魔物>獣人・サソリ人間と来て、魚人間もしくは魚ケンタウロスと呼ばれる怪物が出てきます。  もっと有体に「男の…

100
323工房
1年前

【 #ティアマトの11の怪物 】ウーム―・ダブルートゥ:嵐の魔物【10】

  ウームー・ダブルートゥに関しては正直残っているものがほとんどありません。図もなければ物語もない。だけど、ティアマトの11の怪物の中に名前だけが書かれている。そ…

100
323工房
1年前

【 #ティアマトの11の怪物 】ギルタブルル:サソリ人間【9】

 ギルタブルルは獣人系の中ではちょっと特殊で、サソリがベースであるということがその名のアッカド語の意味から分かっています。  そうすると犬や獅子といった獣の中で…

100
323工房
1年前

【 #ティアマトの11の怪物 】ウリディンム:狂犬【8】

 ウリディンムは先のウガルルムに続いて獣人系の怪物です。そして、一旦ここでは狂犬と書いていますが、ウガルルムの記事で書いたように獅子と犬は特に言語的に区別されて…

100
323工房
1年前
1
ものづくりの側面から見る3Dプリンタ

ものづくりの側面から見る3Dプリンタ

こんにちは。323工房の、ものづくりびとの方です。

自己紹介でも書いた通り、当工房は、ものづくり畑の出の人間とCG・CAD畑の人間が2人でやっています。
この組み合わせは、3Dプリンタというものを始めるにあたっては結構有効だったのかな、というのが私たちの感触です。

3Dプリンタ。
たぶん、多くの人のイメージでは、

日頃からフィギュア作りなどをやっていて、新たな表現手段としてCGを取り入れたい

もっとみる
ティアマト再び(3)

ティアマト再び(3)

このシリーズも最後の記事となります。
ティアマトの真の姿はどのようなものだったのか?

過去の2回の記事では蛇やドラゴンでも人の姿をした女神も違いそうだということになりました。
そのうえで、半人半獣ないし動物かその混合体のようなものではないかと書いていますが、ではなんの動物が一番ありえそうなのか?

これに関しては全く当てがないわけではなく、実はWiggermann氏によると2つの動物が候補に挙が

もっとみる
ティアマト再び(2)

ティアマト再び(2)

前回に引き続き、今回はティアマトの形態として女神を取るパターンについて考察していきます。

これはドラゴン形態のティアマトに続きて人気のあるもので、作品にもよりますが原初の女神ということで圧倒的な美女として描かれ、メソポタミアの意匠を取り入れたデザインにされることが多いと思われます。

このメソポタミア的衣装というのはメソポタミア地方のシュメール文明で見つかっている各女性を模した像を基にすることが

もっとみる
ムシュフシュ:原初の竜(辰年にちなんで)

ムシュフシュ:原初の竜(辰年にちなんで)

明けましておめでとうございます。
本年は辰年ということで、毎年恒例の干支のフィギュアは古代オリエントの伝説の竜(蛇?)、ムシュフシュをモチーフに作成いたしましたが、例年以上に評判がよくたくさんの方にご用命いただき、新年早々から嬉しい限りです。

サムネイルの着色版はギャラリーピカレスクにて展示、白と青の二色版はCreema等で販売中です。

せっかくなのでこちらでもムシュフシュとは何なのか?という

もっとみる
ティアマト再び(1)

ティアマト再び(1)

"ティアマト" 
一般的になんとなくでもその名を聞いたことはあると思います。
ある人は女神の姿を思い浮かべ、ある人は複数の首を持つドラゴンの姿を思い浮かべ、またある人(特に競馬好き)は馬だったりするかもしれません。

以前、"ティアマトの11の怪物"としてメソポタミア神話に登場するティアマトと11の怪物の姿を考察しました。
その中ではティアマトを女神の姿として描写しましたが、更なる文献に当たる中で

もっとみる
おばあさん仮説:人類は親が子育てをしない動物?

おばあさん仮説:人類は親が子育てをしない動物?

オペレータJです。今日はJが昔大学で学んでいた人類学についてのお話です。

少子化の話題はいつも尽きない今日この頃。

よく「生物的には」とか「人間の本質的には」みたいな理論で若い人が結婚するとか男女分業制といった伝統的な形態でないと少子化は解消できないみたいな論調は多いかと思います。

しかし、本当の意味で人という生物は若い人が結婚して子供を育てて、男性が仕事に女性が家事にという形態だったのかと

もっとみる
【漫画】ゴン(GON)全巻揃えたのでレビュー

【漫画】ゴン(GON)全巻揃えたのでレビュー

 オペレーターJの好きな、というか人生に大きな影響を受けた一つに「ゴン(GON)」という漫画があります。
 ゴン+漫画で検索するとハンターハンター(これも好きな漫画ではありますが…)の主人公が引っかかってしまったりするのですが全く別物で、田中政志さんの描かれた「タイトル以外文字が一切ない動物達の漫画」です。

 恐竜(のような生きもの)のゴンを中心に大自然とそこに暮らす動物たちの野性味溢れる一話完

もっとみる
【 ティアマトの11の怪物 】終わりに【16】

【 ティアマトの11の怪物 】終わりに【16】

後書き ここまで読んでいただいた方は本当にお疲れさまでした。
 とにかくぼんやりとした話が続くので、なかなかに辛い部分もあったとは思いますが、少しでも創作や興味の手助けになれば幸いです。
 最期に解説を作りながら思ったことなどをつらつら書いていきたいと思います。

多神教の夢の跡 オリエントの神にしても怪物にしても、可能な限りイメージしやすいようにその元となる文献から再現を試みてみました。
 しか

もっとみる
【 ティアマトの11の怪物 】ティアマトに関連する神々達【15】

【 ティアマトの11の怪物 】ティアマトに関連する神々達【15】

 ティアマトに続けて、それ以外の神々、特に敵対した側の神であるマルドゥクと息子であり再婚した夫であり怪物達の指揮官であるキング、殺された夫であるアプス―、知恵の神エアを中心に書いていきたいと思います。

マルドゥク ティアマトと敵対した神々の代表・主(ベール)として、また勝利の暁には最高神としての立場を与えられると約束され戦うことになる神です。
 マルドゥクはティアマトの夫アプス―が殺された際に建

もっとみる
【 ティアマトの11の怪物 】ティアマト:真の姿を葬られた女神【14】

【 ティアマトの11の怪物 】ティアマト:真の姿を葬られた女神【14】

 さて、とうとうティアマトの怪物達の解説も終わったので、ティアマト本人に関する解説です。
 冒頭でも書いたように、ファンタジー創作物では大人気のモチーフで、名前を見ない方が珍しいというぐらいではあります。
 ただ、そうはいってもティアマトそのものにフォーカスを充てた作品というのも未だに少ないので、せっかくなのでここで詳しく見てみましょう。

 ティアマト自体はエヌマ・エリシュ以外ではほとんど登場せ

もっとみる
【 ティアマトの11の怪物 】その他の怪物:エヌマ・エリシュから除かれた怪物達【13】

【 ティアマトの11の怪物 】その他の怪物:エヌマ・エリシュから除かれた怪物達【13】

 エヌマ・エリシュでははっきりとティアマトが生んだ怪物は11であると記載されています。
 そして、一応文脈的問題はありつつも、書かれている怪物名は11であり、それに対比できる考古学的証拠もあります。
 しかし、Wiggermann教授によりますと、この11の怪物以外にも候補にあがって絵も作られているのに入らなかった怪物達がいるということです。
 エヌマ・エリシュは編集され続けるものだったということ

もっとみる
【 #ティアマトの11の怪物 】クサリク:不思議な野牛【12】

【 #ティアマトの11の怪物 】クサリク:不思議な野牛【12】

 ティアマトの11の怪物も最後の一つとなりました。
 このクサリクは不思議な野牛/雄牛と呼ばれるもので、たくさんの図が残されています。

 元々アッカド時代かそれ以前から猛牛バイソンを崇める文化というのが存在しており、クサリクはその象徴であったようです。
 元々は通常の猛牛であったのが、時代を経るに従い人間の顔をした猛牛として描かれ、更に太陽の神と関連して描かれています。猛牛の体は山の尾根を象徴し

もっとみる
【 #ティアマトの11の怪物 】クルール:魚人間【11】

【 #ティアマトの11の怪物 】クルール:魚人間【11】

 ティアマトの11の怪物も残りはあと2つ。竜・蛇>海の魔物>獣人・サソリ人間と来て、魚人間もしくは魚ケンタウロスと呼ばれる怪物が出てきます。
 もっと有体に「男の人魚」と呼んでしまっても良いかもしれません。

 魚人の意匠は割と古代オリエントの世界では人気で、バリエーションも豊かです。
 上半身が人間というのが一番なじみ深いですが、顔だけが人間であったり、人間体の部分が他の動物であったりする場合が

もっとみる
【 #ティアマトの11の怪物 】ウーム―・ダブルートゥ:嵐の魔物【10】

【 #ティアマトの11の怪物 】ウーム―・ダブルートゥ:嵐の魔物【10】

  ウームー・ダブルートゥに関しては正直残っているものがほとんどありません。図もなければ物語もない。だけど、ティアマトの11の怪物の中に名前だけが書かれている。そんな一番困った怪物です。

 それでもある程度この怪物について想定することが可能です。
 まず、ウームー・ダブルートゥはエヌマ・エリシュにおいて、ウガルルムと同じ時期に加えられたという事が分かっています。
 そして、ウームー・ダブルートゥ

もっとみる
【 #ティアマトの11の怪物 】ギルタブルル:サソリ人間【9】

【 #ティアマトの11の怪物 】ギルタブルル:サソリ人間【9】

 ギルタブルルは獣人系の中ではちょっと特殊で、サソリがベースであるということがその名のアッカド語の意味から分かっています。
 そうすると犬や獅子といった獣の中で浮いてしまうようですが、サソリは太陽を象徴する存在であることから、天候に関する強大な力を持つという事でティアマトの怪物の中に列席させられたということが想像されます。

 ギルタブルルはティアマト、ムシュフシュに次いでそこそこに知られた怪物の

もっとみる
【 #ティアマトの11の怪物 】ウリディンム:狂犬【8】

【 #ティアマトの11の怪物 】ウリディンム:狂犬【8】

 ウリディンムは先のウガルルムに続いて獣人系の怪物です。そして、一旦ここでは狂犬と書いていますが、ウガルルムの記事で書いたように獅子と犬は特に言語的に区別されていませんので、"狂った獅子"と解釈しても何も問題がありません。

 今回は先に怪物の姿から入るのですが、語源的には獅子か犬をベースにしたものなのが確実なのに、壁画からはそれがほとんど消えてしまっています。

もっとみる