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【 ティアマトの11の怪物 】終わりに【16】

後書き

 ここまで読んでいただいた方は本当にお疲れさまでした。
 とにかくぼんやりとした話が続くので、なかなかに辛い部分もあったとは思いますが、少しでも創作や興味の手助けになれば幸いです。
 最期に解説を作りながら思ったことなどをつらつら書いていきたいと思います。

多神教の夢の跡

 オリエントの神にしても怪物にしても、可能な限りイメージしやすいようにその元となる文献から再現を試みてみました。
 しかし、それでも非常にぼんやりした説明と、イメージにしてもぼんやり感が残ってしまったと思います。
 その"ぼんやり"感なのですが、終わりにその原因や思ったことなどを書いていきます。

 私としては、このぼんやり感はまずは"多神教"に原因があり、かつ、古代オリエントの世界が"多数の民族と言語を統一した複雑な世界"であったことに起因していると思っています。
 同じ神様や怪物でも時代と状況によってコロコロと設定が変わるのです。そして、その設定変更は数千年の期間を経ており、最初にあった話は後の時代に作られた叙事詩で上書きされ、正規の神殿の粘土板にも反映されてしまったりします。
 こうなると、どっちが先でどっちが後かも判別がつきにくいです。
 偉かった神や怪物が没落し、大したことなかった神や怪物が逆に強大な力を持っていたと盛り立てられる。
 こういってはなんですが、完全にご都合主義の世界です。しかし、それも何千年もの時を経ていることを考えると、"よく維持したもの"なのかもしれません。ちょっと知っているヒーローや怪獣を思い浮かべてください。たかだか数十年でどれだけ見た目や設定が変わったりしましたか?千年も経てば別物になってしまってもしょうがないとは思います。

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