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わたしの乳房《ポエム》

わたしの乳房《ポエム》

誰もわたしの言葉に傾かないのに
横から見える乳房の写真に1万いいね

誰もわたしの目の奥を覗かないのに
不幸話に身をかがめて足元を見ている

コットンに包まれたわたしの乳房
めくって鏡に当ててみたら
ひんやりと社会の構図を見ているような

くるくる回る万華鏡
きらきらしだした昨日の分まで

誰かわたしの名前を呼んで
そして乳房を掴んで
明日も生きていけるように

みんな自分がわからない

みんな自分がわからない

紅葉の盛りが全国で報じられ、どこも大勢の人で賑わった先週末。私も奈良県のお寺へ出かけてきました。
とはいえ紅葉狩りが目的ではなく、お寺主催の、とある集まりへの参加のためです。もう何年も継続されている、心理学を通して仏教を学ぶ勉強会で、講師は有名な心理学者が勤めています。
以前から参加を願いつつ、ここ数年の大きな社会変化による休会で、それも叶わず。この秋になっての再開で、ようやく私も集まりの一員に加

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天の川《詩》

天の川《詩》

恋をしていないのに
恋をしているように
見せかける

なんでそんなことをするのかなあ

恋をしているのに
恋をしていないように
見せかけた

そんなことしてても
見破っちまったぜ

かっこよく決めてみても
恋しているの分かっちまった

乙女より乙女っぽいのが
黙っていられないらしい

天の川の向こうより
悲鳴が聞こえてくるからな

うるせえ

いろいろありまして

いろいろありまして

諸事情ありまして
夕焼は夕焼けに失敗するのです
諸事情ありまして
詩に届く前にみんな帰ってしまうのです
諸事情ありまして
私は最後に残ってしまうのです

毎日洗い物をやりまして
いくら袖まくりしても袖が濡れてしまうのです
しょうもない喧嘩ばかりやりまして
私が君だったこともあったのです
仮定法過去をテレビ英会話で習いまして
空と雲をながめては一喜一憂しているのです

買い物をしたあとの
セルフレジ

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【詩】歓喜の歌

【詩】歓喜の歌

夢なら夢のままで

現実は音もたてずに
向かってくる

1から100までの希望が
1になっても
それは叶うものなのか

わたしは不安に沈んでゆく

わたしはどうなる

あなたは大丈夫と
いとも簡単に受け入れ
冷たい手を
温めてくれる

絶望の果てには
孤独があり
闇がある

希望の先には
光があり
祈りがある

哀れみの代わりに
憐みを

わたしが考えることなど
なんて小さい

現は現

駆け抜け

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【対談】 代々木公園泌尿器科 新井絢子院長 x 森田ゆき 男性はもちろん、女性も訪れやすい泌尿器科 

【対談】 代々木公園泌尿器科 新井絢子院長 x 森田ゆき 男性はもちろん、女性も訪れやすい泌尿器科 

渋谷区内にも数軒しかない泌尿器科専門医院「代々木公園泌尿器科」。今回は更年期で起こる症状のひとつ、尿トラブルのお話を伺うために代々木公園泌尿器科の新井絢子院長にお話を伺いました。

一言に膀胱炎といっても内容はさまざま

森田:こちらの病院は2022年6月に開院されたと伺いました。泌尿で女性医師だというのは珍しい印象があります。なぜ泌尿器科専門の医院を代々木八幡でオープンしようと思ったのでしょうか

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【詩】「拡がる空」

【詩】「拡がる空」

文・写真 葉月なゆ

空は
どこまでも広く
どこまでも拡がる
人の作ったモノにまで

最期は全てを
呑み込むのかもしれない

詩「春の重りとして」

山に水が流れはじめ
風に木々が揺れ
アスファルトはかたまりゆき 
はやくもやわらかたく
ミミズ
行軍する新一年生旗はためかせ
丘陵は夜通し模様替えが進む
ネクタイはしまり
端から容量不足気味の
ポーチ
心沸き立ってしまい
なんでの玉こんにゃくなどを食み
腸の通路縦にしたような
街角の荘厳なビルは

いつの間にか
起こったことからしか
けたけた語らなくなった
きみが話していた
まだなかったあれこれ

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【詩】「雨の記憶」

【詩】「雨の記憶」

文・写真 by 葉月なゆ

突然の雷雨。
篠突く雨で視界はけぶり、轟く雷鳴に鼓膜が麻痺する。
あまりの凄まじさに、遥か昔の雨の記憶が蘇った。

四十億年前に、
数千年間降り続き、
地表を冷やし、
海と大地を作ったという雨の記憶を。

【詩】「雨粒」

【詩】「雨粒」

文 by 葉月なゆ

私の足元に落ちてきた雨粒は
水溜りに波紋を描き
溶け込んでいった

地上にたどりつくまで
数千メートルの旅の間
その滴にはどれだけのものが
映ったのだろう

【詩】「雨にけぶる街」

【詩】「雨にけぶる街」

文 by 葉月なゆ

雨が街を包み込む

雨は循環
大地に降り注ぎ、浸み込み
いつか空へ巡り、また降り注ぐ

雨が包み込む街も人も循環
生まれて生きて
いつかすべて大地に還る

詩/風に吹かれて

詩/風に吹かれて

目の前に完璧な蒼穹を広げて
世界中の高原で花を咲かせて
両手を広げたら風を受けきれることが出来るだろうか
北極から遙か海原を越えてきた冷たい風は
眼前の咲き乱れる丘陵に思わず立ち竦んだんだ

花弁はいっせいに舞い散って

冷たい風は春風へと姿を変えた
蒼い空が一斉に色づく