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ヤスコ親をする

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いても地獄いなくても地獄の、子育て、結婚。なるようになった。または、なっていない。そもそも覚悟が?つじつま合わせか。  詩、エッセイ。
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#子育て

【詩】 春の日に生まれたきみ

【詩】 春の日に生まれたきみ

きみが生まれた日
気温が初夏のように上がり
なりたてのおにいちゃんは
Tシャツとサンダルで病室に来た

きみに見向きもせず 
わたしにも目をあわせず
アイスキャンディーをなめながら
いっしょに「おかあさんといっしょ」のビデオを見た

きみが生まれて3日目
きみの眠るベビーベッドを
2才半のおにいちゃんは
自分が押すと言い張った

つけたばかりの名前を言わず 
きみに あかちゃん と呼びかける
あか

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二重国籍の子どもの名前 #100文字の世界

二重国籍の子どもの名前 #100文字の世界

うちの子の名はそれぞれ二つあると言ったら
人格崩壊しそうだなと返されたことがある

ミドルネームが二つあり
それらが日本の戸籍名

四つの部分の名前について
父は理解しにくそうだった

寿限無だと言うと
合点をしてくれた

彼女からの白ばら  #100文字の世界

彼女からの白ばら  #100文字の世界

白ばら1ダースの束を突き出す息子。

どうしたの?
もらった。だから、あげる。
だれに?きみが?

彼女の車でドライブデート。帰り際に花束をもらったと。

目を細めたくなる、瑞々しい若さ。

私たちのでない、新しい世代。

🌹       🌹       🌹

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信じてるから

信じてるから

高校を卒業したばかりの上の子の友だちで、米国の名だたる大学から、次々と、招待されるかのように、入学許可をもらった子がいる。引っ越してきてすぐに友だちになった子のひとりなので、小5の時から知っている。

彼の成績のよさに気づいたのは、高校中盤になってからだ。天才、というのではない。ガリ勉というふうにも見えない。

彼は、好きなことへの集中力がすばらしく、勉強するのも好きだった。成績のよさも、そこから

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物悲しい、小さい子供のための作品(4) ディズニー映画 「バンビ」

物悲しい、小さい子供のための作品(4) ディズニー映画 「バンビ」

これは、平成前半に、若くなくして親になった私の、子育て中の思い出です。

バンビ

「ダンボ」と同様、ディズニー初期作品の名作「バンビ」も、私はじっくり通して見たのは、子どもができてからです。

私が知らなかっただけなのでしょうが、バンビには親がいたことは驚きでした。母親がバンビが幼い頃に死ぬということも。母鹿は、人間に撃ち殺されました。

人間に追われて逃げるバンビ一家とほかの鹿たち。おかあさん

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【3行短文詩】 走る男 (プラス短歌&俳句&川柳)

【3行短文詩】 走る男 (プラス短歌&俳句&川柳)

風さえ  起こして カモシカ のように

わたしの 目の前  駆け抜け る男

わたしの 知らない わたしの 子どもよ

_____
これは、私がきのう投稿したエッセイと同じ情景です。
3行短文の虫がさわいで、書いてみずにいられませんでした。

実は、これらを、自由詩でも書きました。

note を始めて3週間目に投稿しました。書いたのは2年前です。

こうして、同じ題材で、自由詩、エッセイ、3行

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[ショート•エッセイ] 思い出の、物悲しい、子どものための作品(2) 童謡「赤とんぼ」

[ショート•エッセイ] 思い出の、物悲しい、子どものための作品(2) 童謡「赤とんぼ」

童謡 「赤とんぼ」

よく知られている童謡は、音律も詩も歌いやすいのが特徴です。また、作られた時代を反映するので、後の時代で聞くと、どれも、いくばくかの物悲しさはぬぐえません。私には「赤とんぼ」が、その最たるものでした。歌いやすさも、物悲しさも。

  夕やけ小やけの 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か
  山の畑の桑の実を 小籠に摘んだは まぼろしか
 
びっくりするのは3番。

 十五でね

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[ショート•エッセイ] 思い出の、物悲しい、子どものための作品(1) 童謡「おかあさん」

[ショート•エッセイ] 思い出の、物悲しい、子どものための作品(1) 童謡「おかあさん」

若くなくして親になった私には、自分の子どもの頃が、かなり遠くになっていたので、小さい子どものための童謡やお話は、たとえ私の子供時代からあるものでも、懐かしさよりは、新鮮さが勝りました。現在、うちの子どもらは、もう十代で、その思い出自体も、古くなってきています。子育て当時のノスタルジアと共に思いだす、特に印象深かった、もの悲しい作品の数々。これは、その一つです。

童謡「おかあさん」

私の母も、よ

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【エッセイ】 Goodbye Baby

【エッセイ】 Goodbye Baby

新型ウィルスでどうなるかとも思っていたが、高校を終えた上の子は、今月の終わりから大学生になる。週があけたら、家を出て行く。

上の子は、小さい頃は、誰にも、困らせることなんかないんでしょ、と言われるような、おだやかで思慮深い子、つまり、おとなしい子だった。親の言うこともよく聞いたし、ピアノなど何かを教えてくれる人の言うことも、内心どういう気持ちでも、きちんと聞いて、言われたとおりにできる子だった。

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【詩】 子離れの夢

【詩】 子離れの夢

かわいいけど疲れてた
あっというまよと簡単に言う先輩ママたち
寝るときに目を閉じながら 
半分冗談 半分本気で
明日の朝目覚めたら 高校の卒業式で
あっという間だったわ さみしいわ
と言って涙する自分
それがいいわーと思ったりした

2歳ちがいの男の子がふたり
いない時は言われなかったのに
もう一人は 女の子は と言われるようになった
三人はいらない
病院行かなきゃ子どもはできない 
男でじゅうぶ

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【エッセイ】 父と子

【エッセイ】 父と子

米国で育つうちの子どもらは、新型ウィルスが蔓延しだしてから、授業はすべてオンラインになり、たいして勉強らしいことをしないまま、夏休みを迎えた。上の子は、卒業式も何もなく高校を終えた。どうなるのかと思った大学も、新年度からの授業はあるらしく、申し込んだ寮にも入れることになった。あと半月もしないうちに、上の子は、寮に移り住む。

夏休み中に、コロナの声も少しおさまり、住んでいる地域での制限も緩和されて

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