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瑞草的

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2022年3月の記事一覧

どんなに崇高な感情の中にも——ポジティブなものとネガティブなものについて——

どんなに崇高な感情の中にも——ポジティブなものとネガティブなものについて——

本日の賄いです。

一見、タイトル画像とのギャップがすごいのですが、タイトルの写真は出勤するときに見える景色なので、世界観は同じです。

僕を含め4月からは多くのメンバーが異動になることもあり、昨日は寮でお疲れ鍋パーティが開かれました。

今日の晩御飯は昨日の残りをアレンジした辛口鍋。野菜も肉もたっぷり摂れるありがたいメニューです。ちなみに飲み物は容れるものがこれしかなかったのでワインボトルに入っ

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本日の一枚

本日の一枚

こんなタイトルにしておきながらたぶん今日しかやらないのですが、素敵な絵を見つけたので書こうと思います。

ピーダ・イルステズ 『Interior With Girl Reading』 1910年ごろ

別に訳さなくともよいとは思うのですが、あえて訳すとすれば、
「本を読む少女のいる室内」でしょうか。

そのタイトルが示すとおり、人はあくまで室内を構成する一要素にすぎないと言わんばかりに、素朴なイン

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飲み会と身体

飲み会と身体

やっと戻ってこれた…。紆余、(↓これは今回の内容と関係あります)

曲折、(↓こちらはほとんど関係ないです)

ありましたが、
ついに「飲み会と身体」について語ることができそうです。

とはいえ、材料はもう揃っています。飲み会的にいえば、注文した料理も酒も、すべてこの卓に運ばれてきたのです。となればもう、あとは語るだけ。最後のひと押しには身体ではなく、言葉を使いましょう。

「なぜオンライン飲み会

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「俺の小径(こみち)」20220316

「俺の小径(こみち)」20220316

おはよう。

いつも通りの創作料理「雪」。

やっぱり起きて4時間ほど瞑想してからの肉豆腐定食は最高だなぁ。

さて、今日は何をしようかな。

おや…

お花だ。

…マジか。もうそんな季節か。

可愛い。そういえば朝読んだ本にベンサム(功利主義で有名な人)も植物好きだったって書いてあったな。自伝的なエピソードから人となりを知ると、その人の言っていることについても理解が深まると思う。特に堅苦しく思

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とある鑑賞者への追憶—光と闇に架ける橋—

とある鑑賞者への追憶—光と闇に架ける橋—

フェルメールの『窓辺で手紙を読む女』。
この絵が「修復」されたいきさつを簡単にまとめておこう。

1979年に行われたX線調査で、絵の女性の背後の壁に、キューピッドが描かれた画中画が飾られており、画中画は絵が完成したあとに塗りつぶされたということまでが分かっていた。
以来、この絵の修正を行なったのはフェルメール本人であると考えられていた。

2017年の専門家会議、そして調査の結果、画中画の上塗り

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明るさだけではない、何かを20220309

明るさだけではない、何かを20220309

オール・ショスタコーヴィチプログラムでいこう。

……いや、流石にそんな時間はないか。

というわけで、「バスで聴く交響曲」シリーズ。

今回の気分的にはショスタコーヴィチなのですが、彼の交響曲は1番から15番まであって、全部聴くと余裕で11時間オーバー……。

まあ適当に、9番あたりから流すか。

最近ちょっと考えていることがあって、そのきっかけは3日前くらいにある友人とリフトの上で交わした会話

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エピローグとしての酒場、あるいはもう一つの旅について

エピローグとしての酒場、あるいはもう一つの旅について

新宿から高速バスで3時間と少し揺られ、僕は松本駅のバスターミナルに降り立った。ここから電車に乗って白馬まで、そして駅から寮までが最後の帰路となるのだが、電車は午後9時過ぎの発車、手元の時計はまだ8時を過ぎたばかりで、少々時間がある。立て続けに人と会う予定が入っていて、一人になってからのことは考えていなかった。一人ならば食事など、コンビニで買って手早く済ませてしまえるのがこの世界だ。なのに誰かと一緒

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午後の死;人生において狙ってはいけないものその3

午後の死;人生において狙ってはいけないものその3

暁という名前のクラフトビールを飲んだら眠くなってきた。午後の死が訪れようとしていた。

うなぎを後にした僕らは原宿へ向かった。目的地はWEGO。お目当ては↑これだ。このポップを見れただけで満足ではあるものの、コラボ商品のパーカーは売り切れていて買えなかった。

ゆるく渋谷方面へ足を向けながら僕らは町を歩いた。僕としては特に行きたい場所もないので友人に付き合っていると、やたらとスポーツ系のショップを

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断章としてのうなぎ、あるいはうなぎとしての断章

断章としてのうなぎ、あるいはうなぎとしての断章

隣の席で泣きながらうなぎを食べている人がいた。

友人とこれを見に来たついでにランチを済ませることに。

久しぶりに実家に帰ると、母親がおばあちゃんから預かっていた誕生日祝いとクリスマス祝いとお年玉が一気にガツンと僕の財布に来た。ありがたい……。もはや親戚の人々からお年玉をもらえる歳ではないが、おばあちゃんだけは違う。おばあちゃんにとっての僕は、大学を出ようが、就職しようが、結婚しようが、そんなこ

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